5月、関東地方で竜巻が発生し、甚大な被害をもたらした。小欄がこの書籍を知ったのは、そんな自然の猛威を見せつけられた直後であった。これまで、竜巻など海外のニュース映像ぐらいでしかみたこともなく、もちろん自分がそれに巻き込まれるなど想像をしたこともなかったという人は案外と多いだろう。いや、もしかしたら5月のあの被害をニュースで観た今も、対岸の火事として眺めていたかもしれない。でもあの竜巻は関東地方で実際に起こった。 ボートに乗っている時、我々は鮫の餌食になろうなどとは考えたこともないだろう。だが、もしも遭難して救命筏に乗っているとき、または運悪くボートから落水し、ライフジャケットに頼って海面を漂っている時、鮫の恐怖は現実味を増す。だが、果たしてどうすればよいのか。ボート免許教室でも教えてくれない。そんなことを知らなくてもマリンレジャーは楽しめるかもしれないが、あらゆる状況を想定し、対応できるように準備をすることは、アウトドアレジャーの基本である。そしてシーマンシップに長けた優秀な船乗りとそうでないものの差はそんなところに現れるものかもしれない。 本書には野外活動時に起こりうるさまざまな自然現象などから身を守るサバイバル・スキルを身に付ける目的で発行されている。あらゆる発見があって読み物としても楽しめる。なお、もし鮫に襲われたら、エラや目など敏感な部分をなぐるなどするといいそうだ。