ソルティライフ ソルティライフ
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イラスト・Tadami
いつでも潮気のある生活を過ごしたい。
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MONTHLY COLUMN 自然体験は間違いなく子どもを成長させる。
キャビンの棚 まるで図鑑。鑑賞に堪えうる「船のトランプ」History of TRANSPORT BY WATER
船厨 鮮度保持が決め手! 「シイラの唐揚げ」
海の博物誌 高々と船舶旗を掲げて国籍を表示
Salty One Day Boating 有磯海(ありそうみ)で充実のクルージング&フィッシング
YAMAHA NEWS マリンクラブ・ウェブ入会キャンペーン実施中(9/20まで)/シースタイル・フェスタ IN いずみさの関空マリーナ(有料)/試乗会や展示会などマリンイベント情報をご案内/ボート免許更新お知らせサービス(無料)
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MONTHLY COLUMN
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 日頃、葉山でヨットのトレーニングをしている子どもたちが、夏休みも終わりにさしかかろうという週末を利用して大島を目指した。今年で3回目となった「大島外洋帆走訓練」は以前にもこの欄で取り上げたことがある。
 相模湾や東京湾のボート乗りやヨット乗りにとって、大島はもっとも身近で気楽にゆけるアイランドクルーズの目的地かもしれない。しかし、子どもの頃、とてつもなく広く感じた公園や広場が大人になってみると猫の額ほどの広さしかないように感じるのと逆で、我々大人にとっては馴染みの往復52マイルの外洋クルージングは、こどもたちにとって大冒険である。
 今年も2艇のセーリングクルーザーに分乗して葉山を出港。それぞれのクルーザーのスキッパーは大人で、コーチたちがクルーを務める。といっても実際に舵を取り、セールを操り、ウインチを回しシートを引くのは子どもたちだ。3年続けてこのクルージングのために自艇を提供し同行しているヨットのオーナー、Kさんは「子どもたちの成長が手に取るようにわかって、それが楽しい」と感想を漏らす。
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 実際、3年前にはじめてこの航海に参加した小学4年生は、今年は6年生になってる。最初はただ何となく一緒に乗っていた感もある子どもたちは、今回は低学年の「新入り」生徒を気遣う先輩らしさも見せている。何とも見違えたのは中学生になった上級生たちで、チームのリーダーとして下級生の面倒をみようと意識的に取り組み、下船後には「お前どうだった?」などとリーダー同志で互いにチェックしたりしている。実は昨年の航海では寒冷前線の影響で先輩の子どもたちは大自然の洗礼を受けている。ハードな航海を乗り切ったそんな体験も、今回の堂々とした立ち居振る舞いに生きているのかもしれない。
 日頃は一人乗りディンギーという個人競技の世界で腕を磨いている子どもたちだが、ヨットスクールを運営している公益財団法人ヤマハ発動機スポーツ振興財団では、個々の技術向上だけでなく、常に「仲間を大切にする」こと、上級生には「リーダーシップ」を発揮することなど、団体行動や共同生活を通しての人間育成をも重視してきた。この大島外洋帆走訓練ではそんな主催者の目的がものの見事に表れているように感じられる。個人競技においても仲間意識は大切で、大きな力となる。ロンドンオリンピックでめざましい活躍を見せてくれた水泳の日本チームもそうだった。
 目的地の大島に着いた後は、中日を利用してさらに17マイルほど離れた利島への日帰りクルージング、満天の星空の元での天体観察、バーベキューや磯遊び、シュノーケリングなど、大いに楽しみ学んだ。その間、子どもたちは輝いていた。
 葉山に帰港した後の反省会では「船の上で声が小さい」「途中で寝てしまうこともあった。もっと集中力がないと」といった会話が子どもたちの間で交わされる。どうってことのない言葉に聞こえるかもしれないが、実はいずれも「安全」に関わる事柄で、それを反省点としてあげるあたり、とても頼もしい。
 「自然体験活動」の必要性、重要性が注目されて久しい。それは道徳観や正義感を育むだけでなく自然のなかで安全意識を高める上でも重要だ。3年間での子どもたちの変化をみると、それを確信せざるを得ない。


田尻 鉄男●たじり てつお
外洋帆走部に所属しクルージングに明け暮れた大学生活、1年間の業界紙記者生活を経て、88年、プロダクションに入社。以来、日本のボーティングシーン、また沿岸漁業の現場を取材してきた。1963年、東京生まれ。



キャビンの棚
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「History of TRANSPORT BY WATER」
発行:HERITAGE PLAYING CARD COMPANY(英)
定価:1260円(税別)

※Amazon.co.jpによる参考価格
 HERITAGE PLAYING CARD COMPANY社はイギリスのトランプメーカーである。1993年の創業と決して歴史を持った会社というわけではないのだが、同社が「出版」するユニークで知的なトランプは瞬く間に世界中に多くのファンを生み出すことになった。
 写真の[History of TRANSPORT]シリーズはその代表的な製品のひとつ。ジョーカー2枚を加えた全54枚のカードには、それぞれ精緻かつあたたかみのある図鑑のようなイラストレーションが描かれ、過去に人類の叡智で生み出してきた陸・海・空のさまざまな乗り物(中には空想の未来の乗り物まで)がこれまたユニークな解説文とともに紹介されている。もし、ソルティライフの読者の皆さんが同シリーズの人気商品 [BY WATER] (水の乗り物図鑑)のパッケージを開いたら、きっと時間を忘れて鑑賞に浸ってしまうに違いない。何しろ10世紀のバイキング船や1965年にイギリスで生まれた最初のホバークラフトらとともに、堀江謙一さんによって単独無寄港による世界一周航海を成功させたSUNTORYマーメイドⅡ号(ハートの5)までその偉業とともに紹介されているのだから。なんだか誇らしい。
 暇を持て余した男たちによるカードゲームは、酒の力を借りなくても十分に盛り上がる。それはソルティライフ編集部が夜のキャビンで幾度も体験してきた事実なのである。



船厨
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 前号で「サバの生き腐れ」といった言葉を使ったけれど、シイラもまた、鮮度保持が難しい魚である。そのためか、日本では、産地以外ではあまり流通していないし、食べたことのない人もいるかもしれない。
 というわけで誤解があるかもしれないが、実はシイラは「美味い」魚である。ハワイで「マヒマヒ」と呼ばれることは多くの方がご存知だろうが、高級魚とされていて、ハワイ料理の代表的な食材だ。また、台湾のある地域では「魚の神」とされているらしい。
 釣りたてならば刺身はかなり美味だ。またグリル、ソテー、フライ、さらにハワイのポキのようにごま油や醤油であえてもいい。
 夏の終わりにシイラと遊び、中型サイズを一尾だけキープした。船上で頭を鰓の部分から切り落とし、腑を抜き、中見を洗ったらラップにくるんでクーラーボックスに放り込む。鮮度はこれでかなり保たれるし、美味くなる。刺身にしようか迷ったが、今夜は唐揚げにしてフィッシュ・アンド・チップスに。ふわふわとした白身の食感がいける! で、シイラもいいが、付け合わせのポテトもかなりいける。ビールも進みます。
「シイラの唐揚げ」の作り方
■材料
シイラの切り身 適宜、シーフードシーズニング、卵、小麦粉
■作り方
1)シイラは食べやすい大きさに切って水分を拭き取り、シーフードシーズニングで下味を付ける。(塩、胡椒、その他のハーブやスパイスなど加えたオリジナルの調味でもOK)
2)小麦粉をまぶして180度ぐらいの油で揚げる。



海の博物誌
 国境を越えて往き来するいろいろな乗り物のなかで、国籍を示す旗を掲げているのは船舶だけである。自動車も飛行機も、政府・軍隊用ででもなければ国旗を掲げたりしない。
 船舶の国籍を示す旗は、船舶旗(エンサイン=Ensign)と呼ばれ、たいていは国旗と同じものを使う。しかし、数種類の船舶旗を持っている国もある。
 たとえばイギリスでは白地に赤十字をつけ、ポール側の上すみに国旗をあしらったものが軍艦用、青地に国旗が官船用、赤地に国旗は商船用と区別されている。アメリカの場合は星条旗が船舶旗として使われている。日本では、江戸時代の末に、幕府によって日章旗(日の丸)が船舶旗として定められた。明治政府も日章旗を船舶旗にしたが、後に旭日旗を軍艦旗として採用したので、敗戦までは2種類の船舶旗を使っていた。現在は元に戻って日章旗が船舶旗となっている。
 船舶旗は、船が掲げる旗の中では最も大きなものだが、そのほかにも船籍を示す小旗をつける場合がある。こちらは船首旗(ジャック=Jack)と呼ばれる。英国国旗である「ユニオンフラッグ」は「ユニオンジャック」という別名を持つ。これはイギリス軍艦が国旗であるユニオンフラッグをジャックとして使用していたことに由来する。



Salty One Day Boating
 富山県と石川県に面する富山湾は、古くは「有磯海」とよばれ、和歌の歌枕としてもよく見られる。そしてこの富山湾は魚が豊富なことでも有名だ。地図を見ると関東圏からは高速道路で400キロほど。普段の釣行よりも少々早起きすれば、シースタイルの利用開始時刻に間に合いそうだ。8月の終わりになると富山湾はシイラの季節が訪れる。メーターオーバーの美しい魚体をイメージしつつ、北陸道をめざした。

 高岡市の日本海マリン・城光寺マリーナでシースタイルの受け付けを済ませ、最近の釣果についてマリーナスタッフの小島さんに話を聞いた。
 「昨日もシイラ狙いのお客さんに聞いたんだけど、大きな浮遊物もなく苦労したみたいだね。コズクラならいくらでも釣れるから。そこら中に沸いてます」
 コズクラ? 耳慣れないこの魚は関東地方でいうワカシのこと。ちなみにイナダサイズは「フクラギ」と呼ばれるらしい。ワカシが釣れることは事前に聞いていたので、少しサイズを落としたジグも用意してきた。
 マリーナは高岡を流れる小矢部川に面している。舫を解き、河口に向けて3つの橋をくぐっていくと目の前に富山湾が広がる。「定置網が多いですから余り近づかないように。注意して航行して下さい」。事前に小島さんから受けたレクチャーを思い出しながら、沖を目指した。
 太平洋岸に馴染みの深い者からすると、「日本海」というとどうしても、岸壁に大波が激しく打ち付ける荒々しいシーンを思い浮かべてしまう。まさしく演歌の世界。ところが、いま、目の前に広がる富山湾にはそんな様子は微塵もない。高気圧に覆われたこの日の海はまるで静かな湖のようだ。
 沖の潮目をボートで流しながら、シイラを探すが、前日と状況はそれほど変わっていないようだ。シースタイルの航行エリアよりも沖に出れば状況は異なるかもしれないが、なかなかシイラの群れには出会うことができない。ワクワクさせるような浮遊物もこの日は少なく、潮目で闇雲にキャストを繰り返すが、やはり魚は出なかった。
 そのままのんびりとボートを走らせ、キャストを繰り返すもシイラの反応はなし。帰港時刻が迫ってきたことで方針を変え、岸寄りにポイントを求めることにした。
 魚探をチェックしていると水深60メートルほどのポイントの中層に反応がある。コズクラのサイズに合わせ20gほどの小型のジグをロングキャスト。あせらず我慢して落とし込み、斜め引きでタナに到達したらトゥイッチング。これで面白いように釣れる。そしてワカシといえどもよく走る。「これならシイラの不漁は帳消しだなあ」と思ったところに強い引き。何と小型ながらシイラが出てくれた。
 最初からコズクラで遊ぶつもりの方が楽しめたのかも。が、これも釣りだ。
 それにしても、低くて波長の長いうねりのあるフラットな海は抜群の気持ちよさだ。雨晴海岸(暗岩があるので要注意)や海王丸パークなどボートでアプローチできる名所もある。嗜好の話になるが、こうした海に漂いながら、弁当を広げたり、仲間と会話を弾ませるのも、海の楽しみ方のひとつ。夏の富山湾は魚が釣れなくても決して後悔はさせない。
 少し早めに上がって富山周辺を観光した。寒ブリの季節には早いが、富山には夏の終わりまで絶品の岩牡蠣がある。富山市内の海産物店でさっそく殻をむいてもらいその場で頬張った。片道400キロのドライブが無駄ではなかったことを改めて感じた。


取材協力
日本海マリン 城光寺マリーナ
●〒933-0126 富山県高岡市城光寺字川原120
●TEL:0766-44-8558
●定休日:火曜日、第2・第4水曜日
●営業時間:8:30~17:30
●ホームページ:https://marine.yamaha-motor.jp/Sea-Style/Common/Marina_Common.asp?marina_cd=80394451


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河川型マリーナの城光寺マリーナ。YF-21は4月に降ろしたばかりの新艇。波もなく離着岸も安心
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橋をくぐって富山湾を目指す。あっという間。工場の煙突は海からもよく見える。帰港時の目印になる
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波も風もない、この日の富山湾。漂っているだけでも最高の気分
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このサイズのワカシ(コズクラ)が面白いように釣れる
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ときおりシイラも混じる。バスロッドで遊んでいたので釣り味も楽しい
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新湊の海王丸パークへはボートでもアプローチ可能。このほか野鳥園などもある
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源義経の伝説が残る雨晴海岸。周囲に暗岩がありボートではなるべく近づかないようにとの注意
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夏が旬の富山湾産の岩牡蠣。大きいが決して大味というのではなく味は芳醇
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持参したタックル。シイラ用に加えワカシ用に普段シーバスで使用しているバスロッドも積み込んだ



ヤマハニュース

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【編集航記】
 今回の富山の取材では、帰港まぎわに激しい夕立に見舞われるというアクシデントがありました。天気予報でもある程度は把握していたことで慌てずには済みましたが、初めての海で、しかも定置網が多いこともあって、帰港時はかなり慎重にボートを走らせました。海に出る時は天候の急変も予測して、余裕のある計画を立てたいものですね。
(編集部・ま)
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