ソルティライフ ソルティライフ
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イラスト・Tadami
いつでも潮気のある生活を過ごしたい。
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MONTHLY COLUMN もう一度、行ってみたい船旅
キャビンの棚 アジアの海の魅力を知る「海が見えるアジア」
船厨 クリスマスにもおすすめのカクテル「青い珊瑚礁」
海の博物誌 海の幸は潮の干満のおかげ
Salty Who's Who 珊瑚がたくさんあった海を取り戻す
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MONTHLY COLUMN
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 先日、過去に訪れた海外の写真の整理をしていたらインドのケララ州の写真が出てきた。一般的に好まれている美しいマリンリゾート、たとえばタヒチやセーシェルなどに比べると青い海や透き通った海ではないが、それらに劣ることのない佇まいをもった水辺だったなあ、などと、美しい思い出を甦らせた。
 ケララ州はインドの南西部にある。日本では「ケララ・カレー」が有名だ。州北部の商業都市・コチ(コーチン/旧都市名、以下同)から南部の州都・ティルバンナンタプラム(トリバンドラム)に至る海岸線一帯は無数の川と入り江が入りくんだデルタ地帯となっている。バックウォーターと呼ばれるそのエリアでは、萱葺き屋根を持つ独特のボート「ハウスボート」が、静かな川面や湖を行き交っている。
 ツアーのオペレーターから聞いたところによると、このあたりには何千年も前から船が行き交い水上輸送が盛んだったのだそうだ。ところが道路が整備され、トラックなど陸上輸送の発展に伴って、徐々に水上交通が廃れてきた。多くの船が使われないまま、取り残されてしまった。
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 ところが、近年になってこのバックウォーターがリゾート地として注目され、当時の船がハウスボートとなってよみがえったのだそうだ。今では海外から多くの観光客が訪れ、このちょっと不思議な船旅を楽しんでいるのだという。
 元々輸送船として活躍していた船だけに、積載スペースはふんだんにある。それをベッドルームやキッチン、リビングに改造してある。ボートによって異なるが、このときチャーターしたハウスボートには、舵を取る船頭と船頭が鳴らす鐘の合図に従って後部で船外機を操る機関士、そして食事を担当するコックがついてくれた。
 他の船をみると動力にはディーゼルも見受けられるが、船外機も多く、驚いたことにこの大きな船をわずか9.9馬力の4ストローク船外機1基(おそらくハイスラスト仕様だと思われる)で動かしていた。考えてみればスピードは全くと言っていいほど必要ないのだ。
 人々は1泊、2泊、ときには数週間にわたってこのボートをチャーターし、水郷の船旅をゆったりと楽しむ。大海原をゆく船旅とは違って、ここでしか見ることのできない動物や、インドの人々の生活にふれたりすることができるというのが、この船旅の最大の魅力だろうか。
 ハウスボートに乗って、パームツリーに覆われた狭い水路をゆく。その切れ目に点在する民家の前では人々が洗濯や水浴びをしている。手を降ると、みんなが笑顔で手を振り返してくれる。時にはむすっとしたオジサンにも出会う。
 林を抜けると、広々とした美しい田園が広がり、人々がその中でのんびりと作業をしている。川岸に舫って夜を過ごす。静寂に包まれた空気を、月の明かりがほのかに包む。朝は様々な鳥の囀りにそっと揺り動かされて目覚めるのだ。
 月に2~3回はボートで海に出る生活が続いているけれど、最近、どうもマンネリ気味だ。そしてなんだか慌ただしい。インドの写真を眺めながら「こんな風に船に乗りながら独特な時間の流れに身を委ねることも必要だなあ」なんて贅沢な思いに至ってしまった。インドにまで行かなくてもいいが、ぜひとも来年の目標にしたい。


田尻 鉄男●たじり てつお
外洋帆走部に所属しクルージングに明け暮れた大学生活、1年間の業界紙記者生活を経て、88年、プロダクションに入社。以来、日本のボーティングシーン、また沿岸漁業の現場を取材してきた。1963年、東京生まれ。



キャビンの棚
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「海が見えるアジア」
発行:めこん
著者:門田修
定価:3,500円(税別)
 海外の海をあちこち旅していて「ここはどこそこの海に似ている」と思うことがよくある。確かに海は、すべてがつながっているのだし、沖に出てしまえば、なかなかその特色を見つけることは難しい。 
 でも、それぞれの海には人がいて生活がある。そして船がある。そこに決定的な海の特色を見いだすことができる。そしてその存在こそが「海」を「文化」にせしめるのだと思える。
 少し古い本だが 「海が見えるアジア」をめくっていくと、そのことに気づかされる。
 セレベス海、ジャワ海、南シナ海、インド洋。著者の門田修氏が訪れたのは「国」ではなく「海」である。そうすることで、既に定着してしまっているステレオタイプな「国」のイメージにとらわれることなく、「海の文化」を体験してきた。
 「人は海とどう接してきたのか」「海は人の暮らしをどう変えてきたか」「海を行き交う人、また行き交った人たちは誰であり、何を夢見ていたのか」―。そんなテーマを抱えて、著者は海を旅した。そしてそれらの答えはいつも人から得られたと、著者は言う。
 アメリカ、ヨーロッパ、オーストラリア、ニュージーランド。これらの素晴らしボーティング文化を育んできた世界の洗練さとは対照的かもしれない「アジアの海」だが、そこに生きる人びとが築いてきた海洋文化は、同じアジア人として誇りでもある。



船厨
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 「青い珊瑚礁」と聞いて何を思い出すか。まずは1980年に公開されたブルック・シールズが主演した映画(小欄はまずこれを思い浮かべた)。それとも同年、いろいろな意味で衝撃を与えた松田聖子ちゃんのデビュー曲を思い出すか。これらをけなすわけではないけれど、「青い珊瑚礁」というカクテルを真っ先に思い浮かべた方がいたとしたら、なんだかカッコイイ。
 このカクテルは1950年に東京で開催された第2回オール・ジャパン・ドリンクス・コンクールで最高賞を得た作品として名高い。生まれてからすでに60年以上たっているが、その魅力は色あせず、相変わらずの人気を保っている。
 エメラルド・グリーンの海の底に赤い珊瑚が息づいているさまを表現した色合いは、海を愛する者にとって、たまらない郷愁を呼び起こさせる。ペパーミントの甘さと香りがドライジンと程よくマッチして、濃厚な味わいながら飲みやすい。アルコール度はかなり高いけど。
 間もなくクリスマス。シャンパンやワインもいいけれど、海の近くで、こんなカクテルを傍らに過ごす聖夜も素敵だ。
「青い珊瑚礁」の作り方
■材料
ドライジン40ml、ペパーミント・グリーン20ml、砂糖少々、マラスキーノチェリー1個
■作り方
ジン、ペパーミントグリーン、砂糖をシェークして、縁をレモンでリンスしたカクテル・グラスに注ぎ、カクテル・ピンに刺したマラスキーノ・チェリーを底に沈める。ミントの葉をグラスの縁に飾る。



海の博物誌
 日本海育ちの人は、潮の干満がピンとこないはずである。たとえば、貝は潜って採るもので、潮干狩りのように掘るものだとは思っていない人が多い。
 大潮の干満差が、太平洋側ではだいたい1~1.5mあるのに対し、日本海側では0.25~0.5mしかないのである。大きな潮汐は、潮干狩りだけでなく、海の養殖も盛んにしている。潮汐の大きなところは潮流も大きいため、海水がよく入れ替わる。そのおかげで、瀬戸内海のように、高密度の養殖が可能になるのである。
 そのほか、藻の類は潮の干満によって育つし、海苔、ふのり、ひじきなどは、干潮で頭を出す磯でないと繁殖できないといわれている。
 さらに、潮流は岩に当たったり、渦を巻いたりして海水を空気にさらすことで、汚れた海水を浄化する働きも持っている。
 潮の干満は豊富な海の幸を生みだしている、というわけだ。



Salty One Day Boating
銘苅宗和さん
沖縄・恩納村でサンゴの増殖に取り組む
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 大工をやめて漁師になったのは1985年頃。以来、モズクや海ブドウなど、「つくり育てる漁業」にこだわってきた。自宅に水槽を設け、研究に研究を重ねて、高品質の海ブドウの安定生産を確立。沖縄県・恩納村漁協の海ブドウ生産部会は2011年度の「農林水産天皇杯」を授賞した。
 現在、同漁協のサンゴ部会の会長を務めている銘苅宗和さん(56歳)の、そのこだわりと情熱は、沖縄の海の再生にも向けられている。
 沖縄本島で海水温の上昇、オニヒトデの食害による著しいサンゴの白化現象が確認されたのは1989年ごろ。危機感を抱いた銘苅さんは恩納村にサンゴのある豊かな海を取り戻そうと、サンゴの増殖に取り組んだ。
 「サンゴは海の生態系を守る上でも重要です。恩納村の組合では養殖や漁船漁業のほか、ダイビングなどの観光も主要事業なので、そのためにもサンゴのある、魚が豊富な海を守る必要があります。子どもたちにいつまでも綺麗な沖縄の海を見せてあげたいとも思っています」

 増殖作業は陸上の養殖場でプレートに植え付けたサンゴをある程度の大きさまで育て、それを海中に植え付けていくというもの。こうした地道な作業に、恩納村でリゾート事業を展開する全日空をはじめ、海や漁業と密接な関係にあるヤマハ発動機などが協賛企業としてバックアップ。一般ダイバーもこのサンゴの植え付け活動に参加できる体制が整えられた。この活動は“チーム美らサンゴ”として広く知られ、いまでは全国のダイバーが参加し“自分のサンゴ”を植え付けに沖縄にやってくる。
 もともと大工だっただけに、銘苅さんの発想や行動は常にクリエイティヴだ。そして、海に抱く愛情は人一倍大きい。都会からやってくるチームの関係者やダイバーたちも、そんな銘苅さんに寄せる信頼は厚い。
 「人が少し手を加えればサンゴの再生もそれだけ早くなります。いまでは植え付けしたサンゴが産卵し、増殖している場所も出てきました」
 多くの人に感動してもらい、触れてもらい、喜んでもらえる海を取り戻したいという“サンゴの父”銘苅さんの願いは着実に前進している。



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【編集航記】
 あっという間に師走ですね。みなさまにとって今年はどんな一年間だったでしょうか。さて、来年のボートショーでは「海コト宣言」というスローガンが掲げられ、着々と準備が進んでいるようです。2013年はとにかく海で何か「コト」をしましょうというキャンペーン。さて、自分は何をしようかと考え、それなりに答えが見つかり、計画を温めています。みなさんはいかがでしょう? とにもかくも、この1ヶ月、良い1年として締めくくり、そして新しい良い1年を迎えたいですね。
(編集部・ま)
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