ソルティライフ ソルティライフ
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イラスト・Tadami
いつでも潮気のある生活を過ごしたい。
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MONTHLY COLUMN 桜を愛でる、日本だけのボート遊び。
キャビンの棚 オフショアの世界を知る貴重な一冊「回航2万マイル-太平洋の記憶、ベンガルの航跡」
船厨 そのまま食べてもパスタにかけてもよし「牡蠣のトマトスープ」
海の博物誌 方角を知るのに欠かせないコンパス
Salty One Day Boating 天橋立へ。日本三景クルージング。
YAMAHA NEWS 明日開幕!「インターナショナル横浜ボートショー」9日まで/外洋型フィッシングボート「DFR」新発売/「マイアミボートショー2014」フォトギャラリー/「シースタイルマリン塾」操船、離着岸、ボートフィッシングなど
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MONTHLY COLUMN
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 そろそろ桜の開花予想が気になる季節が近づいてきた。サイトでチェックしながら自分の休日の予定と重ね合わせる。この作業はけっこう重要で、外すと、がっかりする。
 日本人にとって桜は古くから特別な花だ。中世の随想家や戦国武将も桜を愛でてきた。江戸時代には江戸や大坂、京都で、庶民も桜の木の下にござを敷き、宴を設けた。そして、僕たちはボートに乗って桜を見に行く。こんなにも風流な遊びは、世界のどこにも見当たらない。
 さて、いよいよ花見ボーティングの当日、うきうきとしながら女房はいつもより少し頑張って豪勢な弁当を作る。マリーナに着くと、飲み物と釣り道具を積み込んでボートで出かける。
 高層住宅や工場がひしめく東京の水辺だが、桜を眺めることのできるエリアは意外と多い。隅田川はもちろん、岸辺に人が多いのが気になるなら、支流に入ってもいいし、浜離宮のような公園や、目黒川などの小河川をボートで行くのも楽しい。水鳥が桜の花びらとともに舞うシーンに出会ったりすると、「日本人に生まれてよかった」などとつくづく思ったりする。
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 まだ、幾分かの寒さが残ると思うが、うららかな日差しの中を花びらがデッキに舞い落ちてきたりすると、思いきり春を感じることができる。
 僕のホームは東京港といえるが、以前に、琵琶湖で花見を楽しんだこともあった。
 大津にあるヤマハマリーナ琵琶湖から、湖北の海津大崎を目指した。琵琶湖大橋をくぐり抜け、北へ針路をとった。比良山地の山々にはまだ雪が残っており、湖上の冷たい風がとても心地よかったことが思い出される。
 目的地に到着すると、桜の存在感に息を飲み込んだ。
 海津大崎の桜は1936年に海津トンネルが完成したのを記念して、当時の海津村が植樹したことに由来する。およそ80年が経とういう現在は「日本のさくら名所百選」にも選ばれるほどの規模となった。桜の木にも人間と同じく年齢による衰えがある。海津大崎の桜は最盛期ほどには花の付け方に勢いがないと言われている。とはいえ、地元の人々が丹精を込めて手入れをしているだけに美しさは折り紙付き。
 ここも隅田川と同様、桜のシーズンになると陸地には多くの人々が集まってくる。満開の周辺の休日は交通規制も行われるが、ボートでアプローチする分にはその影響は全くないのだ。桜の花は水の上から眺めてこそ美しいと、少しばかり優越感に浸ることができる。
 2014年の開花予想をチェックしたら、九州や四国では平年よりもやや早め。関東地方はいまのところ少しばかり遅めの予報。そして海津大崎は毎年4月の中旬が満開となる。京都市内に比べると1週間程度遅れて満開になるそうだ。


田尻 鉄男●たじり てつお
外洋帆走部に所属しクルージングに明け暮れた大学生活、1年間の業界紙記者生活を経て、88年、プロダクションに入社。以来、日本のボーティングシーン、また沿岸漁業の現場を取材してきた。1963年、東京生まれ。



キャビンの棚
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回航2万マイル-
太平洋の記憶、ベンガルの航跡
発行:舵社刊
著者:原 健
定価:1200円+税
 普通の人々は海を地球規模で考えられない。いや正確に言うと地球儀に描かれている海を道として見ることは難しい。日本からシドニーへ。そしてシドニー・ホバートに参戦し、続けてトランスパックレース(ロスアンゼルスからハワイ)へと向かうチームベンガルはまさにその地球儀に示されている海を道として捉えられる、日本でも数少ないオフショアレースのチームだ。
 本著「回航2万マイル-太平洋の記録、ベンガル7の航跡」は、この航程を記録したノンフィクションストーリーであり、チームカラーが伝わるクルーのプロフィールや、オーナーであり、キャプテンを務める邨瀬(むらせ)愛彦氏のレースにかける想いが凝縮された一冊だ。
 この航海記の良さは、航海の経験の有無にかかわらず、オフショアセーリングの醍醐味が感じられることだ。それはアメリカズカップやホイットブレッド世界一周レースや本書にも出てくるトランスパックなど、数々のヨットレースの経験を持つ著者の視点と、チームベンガルの自らの手でフネを運び、レースを行う姿勢に依るところが大きい。
 読み終えた時には地球儀の海にうっすらと道が浮かび上がるかも知れない。そんな未だ見ぬオフショアの世界を知る貴重な一冊である。



船厨
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 何度もここで書かれてきたので、読者の皆さまには「またかよ」とおしかりを受けるかもしれないが、牡蠣の旬は「Rのつく月」である。というわけで、3月あたりになると「そろそろ牡蠣シーズンも終盤だな」などと思い起こし、「食いだめしておこう」などと、ちょっとばかり、はしたない思いに駆られたりする。
 5月から8月にかけて、牡蠣が食べられなくなるのは、その時期が産卵期にあたり、精巣と卵巣が大きくなりすぎて一般的には食用とはならないからだ。ところが、これは真牡蠣の話。牡蠣好きはもちろん知っていることだが、夏になると「岩牡蠣」のシーズンを迎えるのだ。結局、牡蠣好きは一年中、旬の牡蠣を求め続けるのである。
 栄養豊富でそれが元で、というわけではないだろうか、牡蠣好きとして知られる歴史上の英雄もいる。ナポレオン、カエサル、日本では武田信玄が牡蠣好きとして語り継がれている。我々も本格的なマリンシーズンを迎えるにあたり、牡蠣で栄気を養いたい。
 さて、今回の牡蠣メニューはトマトスープ。牡蠣のおかげで独特のコクが出てる。それでいて、牡蠣の苦手な人でも、食べやすい、という不思議な立ち位置。パスタソースとしてもそのまま使えると思う。作り方はカンタン。ぜひお試しあれ。

「牡蠣のトマトスープ」のつくり方
■材料
牡蠣2パック、ダイスカットトマト缶2缶、白ワイン 100cc、玉ねぎ1個、ニンニク 2片、オリーブオイル大さじ3、塩、コショウ適宜、ローリエ、オレガノなど
■作り方
1)牡蠣は水洗いし、キッチンペーパーで水気を取り小麦粉大さじ1をまぶす
2)玉ねぎはみじん切り、ニンニクは縦半分に切る
3)鍋にオリーブオイルと、ニンニクを入れ、中火にかけ香りがたってきたら玉ねぎを入れ、透き通るまで炒める
4)3に牡蠣を加え、軽く炒めあわせる
5)トマト缶と白ワインを加え、一煮立ちさせてアクをとる
6)ローリエ、オレガノなど好みのハーブを入れ弱火で10分ほど煮て、最後に塩コショウで味を整える




海の博物誌
 さまざまな航海計器が最新式の電子機器に取って代わっているが、古くから航海に欠かせない誰もが頼りにしている航海計器類の一つが「コンパス」だ。
 もともと、1100年頃、中国の宋の時代に「羅針盤」として発明されたのがその始まりである。活版印刷や火薬と並んで、世界三大発明品の一品として名高い。しかし、中国では航海よりも主に風水に活用されることの方が多かったようだ。実際に航海用として本格的に進化を遂げたのは15世紀になって、ヨーロッパに伝わってからだと言われる。
 いまやGPSが万能の航海計器と思われがちだが、例えバッテリーが切れようと、コンパスはしっかりと方角を示してくれる。いつの時代にもチャートとコンパスは頼れる存在だし、使いこなせないなんて海の男(女)として恥ずかしい。クルージングのときにも思い通りのコースをなるべく正確に走るにはコンパスが必要だ。



Salty One Day Boating
冬も終わりに近づき、所々に春の訪れを感じさせる京都・宮津の海。湾に跨ぐように存在する天橋立は日本三景のひとつとして知られる。前回の塩釜・松島に続いての日本三景でのクルージング。宮津の海は、天橋立以外にもたくさんの魅力であふれている。

船屋をボートで巡る小クルージング

 宮津の中心街とは湾のちょうど対岸に当たる、マリントピアマリーナからシースタイルのボートを出した。冬場は荒れている日が多いと聞いたが、この日は珍しく風も波も穏やかだ。けっこうラッキーだったらしい。
 ただし、ハードトップではないAS-21を選んだたため、ボートのスピードを上げると、顔に当たる風がかなり冷たい。立ったままで操船していると、涙がぼろぼろ出てくるのだ。少し無謀な気もしたが、それでもオープンタイプのボートはいい。帽子を被り、ネックウォーマーを鼻の上、目の下まで引き上げると、かなり冷たさも和らぐ。「夏でも冬支度」と言われるように、防寒は場所が日本海だろうがどこだろうが、また季節に限らず、海で遊ぶ時の基本である。実際に、顔が冷たかったこと以外は海上で受ける風の冷たさは気持ちがいいほどだった。
 宮津周辺は町のあちこちに鮮魚をメインとした土産物屋がある。新鮮な魚介はこの町の大きな「売り物」の一つになっているわけだ。周辺に魚が多いことは容易に想像できる。釣りがこの海の大きな魅力のひとつであることは間違いないのだが、今回は初めての海域と言うこともあって、散策クルージングの計画を立てたのだ。目的地は2カ所。船屋で有名な「伊根」と日本三景の一つとして数えられる「天橋立」である。
 マリーナから15分ほど走ると伊根の周囲5kmほどの小湾にたどり着く。湾を取り囲むようにして船屋が建ち並んでいる。船屋とは船のガレージ付きの家のこと。1階部分に船をそのまま入れられる施設と作業場があり、多くの船屋は2階部分が住居となっている。
 実際には船屋として使われていない建物も多くなりつつあるが、その風情はとても美しい。風景は見ていて1分で飽きるとある有名な作家氏が書いていたのを読んで同意したことがあるが、ここは違う。船屋の一軒一軒に生活感があることが飽きさせない理由なのではないかと思う。住民の迷惑にならないよう引き波も極力立てないようにぐるりと湾を一周してみたが、かなり楽しい洋上での滞在となった。


天橋立に心躍る

 大いに気に入った伊根を後に、次に目指したのは天橋立だ。天橋立は幅が20メートルから最長で170メートルの幅で、長さが3.6kmほどの砂州である。宮津湾を内海と隔てているが、内海は阿蘇海と呼ばれている。日本三景の一つ。長い年月にわたる自然の営みによって出来上がったのだが、その過程には諸説があるらしい。
 さて、伊根からは元のコースを逆戻りして、南下していくと天橋立に近づく。こちらもあっという間だ。ただし、天橋立のいわゆる「風景」はボートからではいまひとつ、というのが実情だ。平坦な白砂青松の海岸しか見えないのだ。ただ、それでも、浅瀬に気をつけながら砂浜に近づいて眺めた、松越しに雪のうっすらと残る丹後半島の山々にはつい見とれてしまった。
 対岸の砂州の付け根付近が途切れていて、そこから運河のようになった水路をつたって阿蘇湾に入ることができる。ぐんぐん進んでいくと有名な廻旋橋に行き当たる。この周囲はカフェやレストラン、土産物屋などで賑わい、観光船の船着き場があったりして、デイクルージングの目的地としてはかなり楽しそうなのだが、残念ながらプレジャーボートが係留できる余地はないという。
 ここに海の駅のように気軽にプレジャーボートを一時係留することができたらもっと楽しくなるのに。そう思わせるところは、この宮津にかぎらず日本のあちこちにある。
 もっともっと多くの人が海に出て、みんながその必要性を感じれば感じるほど、そうした施設は今後、増えていくのではないか。そんな夢を見ながら、観光客で賑わう回旋橋を悠々とくぐり抜けた。


取材協力
マリントピアマリーナ
〒626-0225 京都府宮津市日置3784
TEL:0772-27-0700
ホームページ: http://sea-style.yamaha-motor.co.jp/marina/area09/80311054/


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伊根の船屋を見物。大満足!
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顔に当たる風は冷たいが防寒対策を取れば寒いとは感じない
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天橋立の向こうに丹後の山々。この景色はボートならでは
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天橋立のビューポイントは2個所ある。宮津市街地側より
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マリーナ近くにも鮮魚センターは多い。見ていて飽きない
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もちろん海鮮料理店も豊富。季節によってさまざまな魚介を楽しむことができる
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クルージングの後、若狭湾の西の端、経ヶ岬まで足を伸ばした
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マリントピアマリーナの事務所に掲示された写真を見ると「次は釣りを」との思いが強くなる。スタッフはもちろん釣り場情報にも詳しい



ヤマハニュース

明日開幕!「インターナショナル横浜ボートショー」9日まで
スペシャルサイトで見所とお得情報をチェック!
https://www.yamaha-motor.co.jp/boatshow2014/

外洋型フィッシングボート「DFR」新発売
https://www.yamaha-motor.co.jp/marine/lineup/boat/fishingboat/dfr/

「マイアミボートショー2014」フォトギャラリー
US・マイアミで開催された世界最大のマリン製品の展示会の模様をお伝えします
http://global.yamaha-motor.com/jp/showroom/event/2014_miami-boatshow/

「シースタイルマリン塾」操船、離着岸、ボートフィッシングなど
ボートで遊ぶための技術を基礎からしっかり学べるレッスンのご案内です。
http://sea-style.yamaha-motor.co.jp/marinejyuku/index.html


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【編集航記】
前号で行ったチケットプレゼントには多数のご応募、まことにありがとうございました。明日から、いよいよ「ジャパンインターナショナルボートショー2014」が開催されます。第1会場のパシフィコ横浜では、ヤマハ発動機ブースはもちろんのこと、さまざまなマリン情報が集結。第2会場の横浜ベイサイドマリーナでは大型艇を中心にボートやヨットがずらりと並びます。両会場のアクセスはシャトルバスの他、今年初の試みとなるシャトルボートも運航。ぜひ週末はボートショーへお出かけください。
(編集部・ま)
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