ソルティライフ
イラスト・Tadami
いつでも潮気のある生活を過ごしたい。
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MONTHLY COLUMN 男だけの世界
キャビンの棚 解散が迫ったTHE BOOMの名曲を聴く「STAR BOX EXTRA THE BOOM」
船厨 お好みの海鮮で召し上がれ「麦とろ飯」
海の博物誌 長生きをする魚と短命の魚
Salty One Day Boating 島へ航ろう。
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MONTHLY COLUMN
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 国際都市として繁栄しているドバイのように、中近東の国々には華やかなイメージがある一方、イスラム法の堅持を基本とする国もあり、何かと謎めいている。数年前、そんなイスラム国のひとつ、サウジアラビアの海辺を訪れたことがある。
 同国の国土面積は215万平方キロメートルで日本の約5.7倍。アラビア半島の大部分を占め、西側は紅海、東側はペルシア湾に面している。このときはジェッダを拠点に、紅海に面したマリンレジャースポットを訪れた。
 ジェッダからクルマで2時間ほど車を走らせると、人造のクリークに建てられた、瀟洒なマリーナにたどり着いた。水際にはレストランやショップ、別荘、ホテルなどが建ち並んでおり、今、世界中で見受けられるリゾート系のマリーナとその風景は変わらない。やはり、世界中、どこに行っても、海は人を引きつける存在なのだなと、感慨を深くしたものだ。
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 そして、中近東のボーティングといえば、一般的には大金持ちの遊びだと認識されがちだが、マリーナの風景を見る限り、一概にはそうともいえないことに気づく。例えば、係留されているボートは欧米型のフィッシングボートなどよりも、日本の和船タイプのボートが目立つ。地元のボートディーラーに聞いたところによると、ダイビングボートにも共用できるということで人気があるそうだ。比較的若い個人オーナーの多くはこのタイプのボートを所有しており、釣りを楽しんでいるという。それも気分を楽しくさせたことのひとつだった。
 ただしこの国の場合、ほとんどの国民は公務員ということで、大金持ちではなさそうでもそれなりに裕福だ。自らドライビングするオーナーもいるが、こうした和船タイプのボートであってもフィリピン人やインド人など外国人労働者をキャプテンとして雇うケースが多いのだそうだ。
 さて、ジェッダのマリーナの際だった特徴をひとつ挙げろとわれたら、私的には「女性がいない」ということに尽きる。これはマリーナに限らず、サウジアラビアのどこでも、例えばレストランに行ってもホテルのカウンターに行っても、また商店街に水を買いに行ってもおなじことだ。夕刻、海辺の公園に家族連れがちらほらと集まってくるのを見かけたが、それ以外の場所で女性を見かけたのは皆無だった。それは同じイスラム国家のUAEのドバイなどとは大きく異なる様相だ。もちろん、ボート遊びにも女性はほとんど参加しない。男性同士で楽しむことがほとんどなのだ。
 ここで宗教や女性の人権問題を論じるつもりは毛頭無い。それでも、女性がいないそのシーンに、なんだかこの国の男たちの潔のよさ、清々しさを感じてしまったのである。
 近年、カタログなどを見てもボートに女性の存在は必須であるといってよい。釣り番組にも釣りドルと呼ばれる可愛らしい女性が頻繁に登場する。というより、彼女らの存在無くしては、番組がなり立たないのではないかと思われるほどだ。そしてボートにしても釣りにしても、女性が存分に楽しめるレジャーだし、そうあって欲しいと願っている。
 それでも、サウジアラビアの男たちのマリンライフを垣間見た時に頭をよぎったのは、かつて日本にも「女性を乗せると船が焼き餅を焼く」と本気で信じていた人々がいたことや、海賊の中に女性がまったく登場しない、という事実だ。かつて海は男だけの世界だった。
 ファミリレジャーとして、また、女性も楽しめるレジャーとしてボートやヨット、フィッシングが普及するのは喜ばしいことだけれど、いまでも海に「男だけの世界」を見いだし、憧れる輩がいても、それはそれでいい。


田尻 鉄男●たじり てつお
外洋帆走部に所属しクルージングに明け暮れた大学生活、1年間の業界紙記者生活を経て、88年、プロダクションに入社。以来、日本のボーティングシーン、また沿岸漁業の現場を取材してきた。1963年、東京生まれ。



キャビンの棚
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「STAR BOX EXTRA THE BOOM」
THE BOOM
レーベル:ソニーミュージック
価格:¥2571(税込み)
 1986年に結成された「THE BOOM」が、今年の5月21日にデビュー25周年を迎え、さらに12月に解散することとなった。
 スカやロック、フォーク、沖縄民謡やブラジル音楽などさまざまな要素を取り入れた音楽性、そこから生まれた「島唄」や「風になりたい」などのヒット曲は、今聴いても心が躍るし、ぐっとくる。海辺のBGMとしても抜群なのだ。
 「釣りに行こう」という曲がある。

 釣り竿にぎったまま 君はまた昼寝
 魚がひいているのに 今日も知らん顔


 この曲は1989年に発表されたアルバム「サイレンのおひさま」に収録されている。翌年には矢野顕子のプロデュースでリアレンジされ、シングルとして発売された。彼女とのデュエット版もいい。素朴で暖かみがあってどこか幻想的な歌詞。

 大人になってもう一度 あの川へもどれば
 まだたぶん 君は眠りの途中


 子どもの頃の記憶から歌いだしているけれど、「彼女」はいまどうしているのだろう。子どもの頃にはじめた釣りという遊びがさまざまな思い出を作ってきてくれたことに思い至ったりした。



船厨
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 先日、静岡県熱海市の外れで、「麦とろ」専門店を見つけて入ってみた。メニューを見るとバジルを混ぜたイタリア料理風や、ローストビーフを麦飯にのせてとろろをかけたものなどオリジナリティに富んでいて、なかなか楽しい。ローストビーフが載った「びーとろ」を頼んだところ、いちいち台詞に味のある店主からパルメザンチーズをかけてみろとすすめられた。言われるままに試したところ、これが妙に合う。とろろの可能性を大いに感じた体験であった。 
 さっそく数日後のある夜、編集子の家庭の食卓は麦とろ飯と相成った。とろろに合いそうな魚介を考えたが、とりあえずは無難なマグロのぶつ切り、そして先述の専門店のメニューを真似してシラス、もう一品、考え抜いた割りには無難に思えるタコを選んだ。
 結論を言うと、いずれも素晴らしく美味く、また簡単なのでおすすめである。麦飯、具材、とろろをそれぞれパックにしてボートに持ち込めば、なかなか手の込んだお弁当になりそうなところも気に入った。
 ところで、とろろにはなぜ麦飯なのか。いろいろと考えてみたが、これには深い理由はないと思われる。そのむかし米は高価なものだったはずで、山芋をほじくって食べる山里の食卓には、麦飯を米に混ぜたりそのまま食すケースが多かったのだろうと推測した。このぼそぼそした感のある麦に、滑らかなとろろが白米よりも絶妙に合ったのだろう。
 今回試してみてひとつ後悔したのは、山芋をおろし金ですってしまったことか。やはり、食感はすり鉢で直接すったものには適わない。
「麦とろ飯」のつくり方
■材料
山芋1本、米と麦各2カップ、シラス1パック、タコ4~5切れ、マグロぶつ切り1パック、刻み海苔、小葱小口切りは適宜、醤油、酒、みりん
■作り方
1)市販の麦飯用の麦と米を合わせてたく。割合、水の量はパッケージに表示されているとおり。30分程水につけて30分程水につけ炊く。
2)マグロは酒大さじ1、みりん大さじ1、醤油大さじ2、を合わせた漬け汁に漬けておく。
3)山芋をすり、少量のめんつゆを加えよく混ぜる。
4)麦飯が炊けたら丼に盛り、3のとろろを好きなだけかける。
5)しらすと葱、漬けマグロと刻み海苔、タコと刻み海苔など好みの具材をのせてできあがり。



海の博物誌
 一口に魚といってもその寿命はさまざま。400年も生きた鯉の伝説がある。もちろん、そんなはずはないが、鯉が長寿なのは確かなようだ。
 魚は一般的に大型なほど長寿だと言われている。その代表格が鮫の仲間。ホシザメ、ネズミザメ、アオザメなどは10年以上生きることがわかっている。またアブラツノザメは40年以上生き続けた例があり、キャビアで有名なチョウザメも30歳以上にもなる。またマダイでも体長を1mを超える個体を調べたところ30年という年齢だったという例が報告されている。
 逆に、カタクチイワシは2~4年、カレイは4~7年、マアジ、マサバなどの身近な魚は5~6年で一生を終えるようだ。また鮭をはじめとする鱒類も寿命は短い。
 大型の魚が釣れればそれは嬉しいものだが、彼らの寿命を考えると、少しばかり大切にしたい気持ちにもなってくる。



Salty One Day Boating
自分たちで船を操りながら島を目指す。これはかなり特別なことだ。瀬戸内海のような多島海では当たり前の存在かもしれないが、多くの人にとって「島」はロマンある存在だ。シースタイルを利用して島へのクルージングを計画した。神奈川県の真鶴から目指したのは静岡県に存在する唯一の有人島「初島」である。

30分間の冒険航海

 神奈川県の真鶴ベイマリーナを出港した。目指すのは伊豆半島の東方沖に浮かぶ初島。といっても、もっとも近い網代からは直線にして約8km。真鶴ベイマリーナからラムラインを引くと約10マイルとほど近い。同じくシースタイルのホームマリーナである伊東サンライズマリーナからもほぼ同じ距離に位置し、日帰りでアイランドクルーズを楽しむにはうってつけのスポットなのだ。
 真鶴半島の三石をかわして針路を南にとる。初島は最も高いところで標高51mと平坦なのだが、よほど視界が悪くない限り、真鶴からも伊東からも視認できる。出発地点を真鶴に選んだのに大きな理由はないが、あえてあげるとすれば、「南に針路をとる」というのは、なんだか気分がいい。また県をまたいで航海するという点も、「冒険」にふさわしい気がした。
 冒険といってもクルーズはスムーズだ。北からときおりブローがあるが、のんびりと湯河原の海岸、熱海の温泉街を遠く右手に眺めながら船を進めると30分ほどのクルーズで初島に着いた。そのまま島を左手に船を進めると初島第二漁港の入り口が見えてくる。ここが初島フィッシャリーナ。ビジター桟橋が用意されており、予約はできないが、港口から携帯電話で連絡すれば、スタッフが出迎えてくれて舫いも取ってくれる。初心者でも安心して利用できるだろう。


見る、知る、食べる、遊ぶ。何でもある。

 初島は周囲4kmほどの島なのだが、この小さな島には、1日を遊ぶのに充分な施設が揃っている。フィッシャリーナに船を泊めた後は、初島の中心地ともいえる第一漁港を徒歩で目指した。途中でバーベキューが楽しめる「初島ピクニックガーデン」や、「初島海洋資料館」なる展示施設を発見。バーベキューは次回のお楽しみにして、資料館に入ってみた。深海探索船「しんかい2000」のスケールモデルや相模湾の深海生物のパネル展示などを見学。大きな相模湾の海底地図があって、こちらにも興味津々。近年マグロが相模湾を回遊しているが、彼らの行動範囲と相模湾に複数存在する海丘の位置に何らかの関連があるのかなど、思いを巡らせたが、正直言ってよくわからなかった。
 第一漁港に着くと、熱海からの連絡船が到着したところだった。土曜日ということもあって、観光客たちが次々と上陸してくる。港の目の前には「漁師料理」をうたう食堂街がある。店の造りやメニューがどれも同じように見えるので選ぶのに苦労する。混でいる店とそうでもない店があるが、これはきっと味の差などではなく、どの店も小さいので、それなりの人数のグループ一組が入るとあっという間に混むことによるのだと判断。比較的空いている店に入った。 
 一番人気の「磯海苔丼」をオーダー。そして、イカのわた焼き、カサゴの唐揚げ。きっとどこで食べても美味いに違いないが、やはり島に渡ってとる食事は格別なのだ。
 満たされた腹をさすりながら初島の観光ガイドを改めてめくってみた。
 日本では珍しい登れる灯台「初島灯台」や初島の歴史、灯台のことがわかる「灯台資料展示館」など「Salty Life」的な見所はまだまだある。初島アイランドリゾートのアジアンガーデン「R-Asia」のなかには、海岸線ぎりぎりに作られた露天風呂もあって、これも有料だが利用できる。さて、この後何をしようか。時間はまだまだある。


取材協力
真鶴ベイマリーナ
〒259-0201 神奈川県足柄下郡真鶴町真鶴1117
TEL: 0465-68-1201
ホームページ: https://marine.yamaha-motor.jp/sea-style/Common/Marina_Common.asp?marina_cd=80393405


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真鶴半島をかわすとすぐに初島が視界に入る。針路は南へ
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初島フィッシャリーナの入り口。港口が狭いので入港時は十分に注意
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写真右側の桟橋がビジターバース(フィート32円/時間)。入港時には左手に位置する。クラブハウスにはイタリアンシーフードレストランも
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島内ではバーベキューも楽しめる。大人数で訪れたさいはこちらもオススメ
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初島海洋資料館。海洋研究開発機構(JAMSTEC)が運営している
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第一漁港の目の前にある食堂街。どの店にするかかなり悩むはず
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数ある食堂から選んだ「みやした」で頼んだ「磯海苔丼」。海苔と小海老の香ばしさと食感が何ともいえない。写真奥は「三鮮丼」
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初島の観光マップを改めて見ると、これまで見落としていたたくさんの魅力が詰まっていることがわかる
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もちろん熱海から連絡船で渡ってくることもできる。所要時間は約20分。



ヤマハニュース

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「シースタイルマリン塾」操船、離着岸、ボートフィッシングなど
ボートで遊ぶための技術を基礎からしっかり学べるレッスンのご案内です。
http://sea-style.yamaha-motor.co.jp/marinejyuku/

5人に1人入会金無料!「マリンクラブ・シースタイル」キャンペーン
https://online.yamaha-motor.jp/marine/rental/apply/


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【編集航記】
先日、静かな琵琶湖でスポーツボート(AR190)のステアリングをとって走る体験をしました。以前にペルシャ湾や沖縄でスポーツボートを操船したことがあったのですが、フラットな水面で走ったのは初めてでした。ヨット乗りからすると、水上でのこのスピード感はまったく異次元で、興奮しました。いまさらながら世の中には素晴らしい乗りものがあったものです。シースタイルでも利用可能ですので、みなさんもぜひ体験されてはいかがでしょう。
(編集部・ま)
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