ソルティライフ
イラスト・Tadami
いつでも潮気のある生活を過ごしたい。
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MONTHLY COLUMN  運河クルージングを楽しむために
キャビンの棚  ロックと船の粋な関係「パイレーツ・ロック」
船厨  おつまみに「烏賊団子」
海の博物誌  貝塚からわかる古代の生活様式
Salty One Day Boating  微笑みの国のシースタイル
YAMAHA NEWS  ラグビー「ヤマハ発動機ジュビロ」日本選手権優勝!!!/インターナショナルボートショー2015開幕!/「マリン塾」操船、離着岸、ボートフィッシングなど
3月の壁紙  『Salty Life』読者限定壁紙カレンダー

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MONTHLY COLUMN
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 ロシアの第2の都市、サンクト・ペテルブルグには、街中を縦横無尽にゆき巡る運河がある。郊外にあるマリーナからボートを出し、美しい緑に囲まれた水路からネバ川へ出て、エルミタージュ美術館の中を縫うようにして掘られた狭い水路を抜け、サンクト・ペテルブルグの市街を縦横無尽に張り巡らされた運河に入り込む。街の中心部にあるストロガノフ宮殿はロシア・バロック様式の建築物として有数の観光スポットとなっているが、観光船の発着所にもなっていて運河クルーズのベースとなっている。いくつもの橋をくぐり抜け、新たな水路を発見しては走りゆく。次から次へと現れる建物の荘厳さには圧倒される。何の変哲もないアパートまでもが、サンクト・ペテルブルグの運河の水面から見上げていると重要な文化遺産に思えてくる。
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 クルージングの間は、多くの船と行き交い、橋を渡る多くの車、人々と交差する。ボートに乗っているとついつい平面的な移動の感覚に慣れてしまうが、ここでは三次元を強く意識してしまうのだ。
 17世紀から18世紀の初頭にかけて、ロシアをヨーロッパ列強の一国に押し上げたピョートル1世の経歴をあれこれ調べてみると、海との関わりが意外と多いことに興味を覚える。ピョートルは西ヨーロッパから軍事や科学技術の吸収を目的に使節団を結成し、自らも偽名を使ってそれに参加したが、オランダのアムステルダムでは造船技術を学び、東インド会社が所有していた造船所で船大工として働いた経験を持つ。また、ロンドンでも王立海軍造船所に通っていた。
 そして1703年、バルト海に注ぐネバ川・河口の低湿地帯にあった寒村を選び、ここに新たな都市建設を目指したのは、西ヨーロッパの文化を取り入れ、ロシアの近代化を目論んでいたからだという。
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 サンクト・ペテルブルグはレニングラードなどいくつか名を変えながら、ピョートルの目論み通り、素晴らしい文化・芸術の街へと成長した。ロシアではじめての博物館、科学アカデミーの設立、芸術アカデミー、音楽院の設立などが知られるが、実はロシアではじめての航海学校も、ここ、サンクト・ペテルブルグに設立されている。
 さて、調子に乗って、運河を走っているうちに、運河の様子が少し変わってきた。来るときには楽に通り抜けることのできた橋なのに、いざ帰ろうと思ったら通り抜けることができなくなっている。海から強い風が吹き込むと水かさが増し、このようなことが起こるのだとか。今さらながら、ここが海辺の運河なのだということを思い出す。
 サンクト・ペテルブルグの歴史についてあれこれ書き連ねたが、運河巡りをする際、こうした運河の背景を知っておくことは、クルージングの楽しさを間違いなく倍増させる。それは、世界のどこへ行っても同じ。もちろん東京でも。
 東京港のシースタイル(ヤマハの会員制マリン倶楽部)で、東京港内の運河クルーズが人気らしい。江戸時代、舟運が盛んだった隅田川とその支流(運河)をのんびりとクルージングする。海から眺めるのとは趣を異にする、その風景はなかなか楽しい。日本橋川から神田橋に抜けるコースはスリリングという楽しさもあるが、やはり、くぐり抜ける一つ一つの橋の歴史などを頭にたたき込んでおくと、クルージングはいい意味で変質する。まるでタイムトラベルのような時間が流れる。間もなく桜の季節。ルールやマナーを守って運河クルージングを楽しみたい。

田尻 鉄男●たじり てつお
外洋帆走部に所属しクルージングに明け暮れた大学生活、1年間の業界紙記者生活を経て、88年、プロダクションに入社。以来、日本のボーティングシーン、また沿岸漁業の現場を取材してきた。1963年、東京生まれ。



キャビンの棚
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「パイレーツ・ロック」(DVD)

出演:フィリップ・シーモア・ホフマン, ビル・ナイ, リス・エヴァンス
■監督:リチャード・カーティス
■販売元:ジェネオン・ユニバーサル
■参考価格:1,543円(税込み)
 イギリスのリバプールで活動していたビートルズが「ラヴ・ミー・ドゥ」でデビューしたのは1962年。その年、同じくイギリスのロンドンでは、ローリングストーンズが結成されている。英国のロック史上、まさに輝かしい時代であった1960年代だが、当時イギリスには民放のラジオ局がなく、国営放送は低俗な音楽としてロックを流すことはなかったのだという。ラジオにレコードを流すとレコードが売れなくなるといったミュージシャンの要望もあったらしいが、いずれにしろ意外な話である。だが、それならば、ということで、1963年頃から、イギリスでは海賊局というラジオ局が表れた。イギリスの法が及ばない北海の船の上から24時間、ロックを流し続けたのである。
 「パイレーツ・ロック」はそんな海賊ラジオ曲とそれを取り締まろうとする政府との攻防をコミカルに描いた映画で、公開は2009年。はちゃめちゃなDJたち、劇中にかかる35曲の音楽も楽しいが、ボートファンならラストシーンにきっと胸を熱くするはず。



船厨
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 烏賊、蛸が取り上げられるたびに言及するので、またかと思われる読者もいるだろうが、日本人はおしなべて「烏賊好き」である。たとえば海外のレストランでも、メニューに「Squid」「Calamari」の文字を目にするとほっとして、ついついオーダーしてしまったりする。そんな安定感というか、安心感がある。
 そんな烏賊を愛する日本人のために、烏賊の呼び方について記してみる。
 「Squid」は英語。もうひとつ「Cattlefish」という単語があるが、これは甲烏賊を指す。イタリア語で烏賊の複数形「Calamari」もほぼ英語化しているようで一般的。単数では「Calamalo」。甲烏賊は「Seppia」フランス語では「Calamar」。中国語はなかなかわかりやすくほぼ日本語と同じ「烏賊」「墨魚」。実際には中国以外は「カラマリ」で通じそう。
 さて、ビールのつまみに「Sfere di Calamari」(なんてイタリアンがあるのかどうか知らないが)をつくってみた。要するに烏賊団子。これはおもいっきり「和」の味です。


「烏賊団子」のつくり方
■材料
スルメイカ1杯、卵1コ、片栗粉大さじ1、醤油小さじ1、生姜すりおろし適宜、サラダ油…適宜

■作り方
1)イカははらわたを取り、皮を剥いて一口大に切る。キッチンペーパーで水気を取っておく。足も同様に水気を取り、切っておく。
2)フードプロセッサーに1のイカと醤油、片栗粉、卵、生姜すりおろしを入れ、軽くミンチにする。
3)中温のサラダ油に2をスプーンで掬い入れて揚げる。



海の博物誌
 貝塚とは縄文時代のゴミ捨て場の後である。狩猟道具、土器の破片や獣や人間の骨まで、様々なモノが捨てられた。もちろん、貝塚という名が示すように貝殻が多い。貝塚の分布から、呪文時代の海岸線を推測することができる、というわけだ。また、貝塚の土をふるいにかけて調べると鰯などの小魚の骨が大漁に含まれていることから、当時の住民が釣りだけでなく、細かい目の網を漁具として使っていたことが推測できる。
 漁に出る男だけでなく、女性や子供でも比較的安全に、容易に採取できる貝は、縄文人にとって貴重な栄養源だったのだろう。貝塚が多いのはそのためだ。



Salty One Day Boating
ハワイに続く2カ所目の海外ホームマリーナとして、4月から微笑みの国・タイのパタヤでシースタイルが始まる。昨年、運良くテストボーティングの機会を得ることが出来た。タイのバンコクから車で約3時間、スワンナプーム国際空港からだと約2時間。東南アジアの中でもポピュラーなビーチとして知られるパタヤビーチのシースタイルを楽しんだ。

 ビーチリゾートといっても、パタヤの海は特筆するほど、美しいわけではない。透明度を求めるのなら、インド洋に面したプーケットや同じタイランド湾の中でも南部に位置するサムイ島など、世界に名を馳せるリゾートが、タイ国内にはいくつも点在している。それでもここには世界中から人が集まってくる。そんな光景が端的に見られるのが、パタヤの中心部のほど近くにあるバリハイ桟橋だ。ここの桟橋には、離島へ行く観光船やレストランボートなどで一日中賑わっている。目立つのはタイの観光客よりも、海外のツーリストたち。彼らは海が綺麗なラン島などの離島で朝から1日を過ごして、夕方の便で戻ってくる。そして、夕食やバーへと繰り出すのだ。そんな異国情緒溢れる場所でシースタイルが利用できる。シースタイルのホームマリーナとなるオーシャンマリーナは、このパタヤの1ブロック南側に位置しており、その距離は車で10分から15分ほど。わずかな距離だが、マリーナは至って平穏で、まるで欧米のリゾートに来たかのような錯覚すら覚える。
 受付でスタッフと合流してクラブ艇で簡単な説明を受ける。利用できるボートはSR-X。ドライバーズシートに座るとなんとも落ち着く。海外で日本人の板前がいる小料理屋を見つけたときのような安心感だ。主なクルージングスポットはマリーナから1時間弱の距離にあるラン島やパタヤビーチ沖、バリハイ桟橋など。季節によっては風が強く吹くこともあり、ラン島までたどり着けない場合でも、マリーナに近い南側の海面がゲレンデになるそうで、モンキーアイランド周辺の代替スポットでも十分に楽しめるだろう。ボートがSR-Xというのも安心できる。帰る途中で多少ラフなコンディションになっても、しっかりと走れる実力がある。
 キャプテンが同行するプランなので安心感もある。加えて離島やパタヤ周辺のクルージングはスピードボートや遊覧船では味わえない情緒がある。自らが操船するので、そこにある自然や現地の人との距離はぐっと短くなる。だからマリーナに帰港すれば、みんなの表情は満足感で一杯だ。理由はそれぞれだが、海が微笑みをくれるのは間違いないようだ。パタヤを訪れる機会があればぜひオススメしたいプランだ。


タイでのシースタイルに関するお問い合わせ

ヤマハマリンホットライン
フリーダイヤル0120-730-344
(時間9:30~17:30 年中無休 ※年末年始を除く)
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マリーナの中はパタヤの喧噪とは異なり、静寂な時間が流れている
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マリーナのレストラン。帰港後にはゆっくりと寛ぎたい
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キャプテンとは片言の英語だが、コミュニケーション自体がおもしろい。笑顔が絶えなかった
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パクチーとピリ辛のタイフードはどこでも美味しく食べられる
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マリーナ南側のモンキーアイランド。その名の通り猿が住む島
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オーシャンマリーナはメガヨットクラスも係留されているエリア随一のマリーナ
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ラン島ではビーチの混雑を離れて、ボートの上でランチタイム
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パタヤビーチの沖を快走



ヤマハニュース
ラグビー「ヤマハ発動機ジュビロ」日本選手権優勝!!!
こんなうれしいことはない。海好きの愛すべきラガーマン達がやってくれました!
http://rugby.yamaha-motor.co.jp/

インターナショナルボートショー2015開幕!
ヤマハブースの見どころとお得情報満載
https://www.yamaha-motor.co.jp/boatshow2015/

「マリン塾」操船、離着岸、ボートフィッシングなど
ボートで遊ぶための技術を基礎からしっかり学べるレッスンのご案内です。
http://sea-style.yamaha-motor.co.jp/marinejyuku/



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【編集航記】
今日(3月5日)からジャパンインターナショナルボートショーが始まります。高級サロンクルーザーEXULT36の屋内展示、ニューモデルや参考出品艇も展示されるなど、ヤマハのブースは開幕前から注目されています。また、ヤマハブースにお越しいただきたいのはもちろんですが、係留展示が中心の横浜ベイサイドマリーナ(第2会場)にはヤマハのEXULTシリーズの他、海外からのボートやヨットも展示され、それらを見学するのも楽しみのひとつ。この週末は、ぜひ横浜へ。
(編集部・ま)

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