ソルティライフ
イラスト・Tadami
いつでも潮気のある生活を過ごしたい。
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MONTHLY COLUMN  子どもたちが海で手に入れるもの
キャビンの棚  偉大な小説、珠玉のアニメ「老人と海」
船厨  身体にやさしい「シジミの赤だし汁」
海の博物誌  生命を育む「藻場」
Salty Who's Who  いい釣りを、いつまでも
YAMAHA NEWS  「マリン塾」操船、離着岸、ボートフィッシングなど/「イベント情報」試乗会や展示会などのご案内 /ボート免許受講とマリンクラブ入会が同時申込みでお得!
5月の壁紙  『Salty Life』読者限定壁紙カレンダー

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MONTHLY COLUMN
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 春休みの終わりに、恒例の「YMFSセーリング・チャレンジカップIN 浜名湖」(主催:ヤマハ発動機スポーツ振興財団)が開催され、全国36クラブから集まった102隻、147人のジュニア&ユースセーラーが浜名湖で熱戦を繰り広げた。技術の差こそあっても、どのセーラーも波や風を読み、1隻の「船」を操るその姿に、たくましさを感じる。
 様々なスポーツにおいて、幼い頃からスポーツに取り組ませるというケースが増えている。6年後に東京オリンピックが開催されることもあって、未来の五輪選手を目指してというような「英才教育」的な側面が強調されがちではあるが、彼らの親の多くが期待しているのは、単なる競技力向上よりも、スポーツを通じた豊かな人間形成だろう。
 ラグビーや野球のようなチームスポーツでは、協調性や自己犠牲の精神を学ぶことを期待するだろうし、柔道や剣道のような武道なら、人に対する強さや武士道精神に根ざした規律正しさを身につけることを期待するように、それぞれのスポーツの特性によって期待される教育的効果は異なるだろう。
 では、ヨットなどのセーリングスポーツの教育的特性はどこにあるのだろうか? それはずばり「自立」だ。親やコーチであっても自由にならない「海」という大自然の中で、幼いながらも「船長」として1艇のフネを操っていくことは、大人であろうと子どもであろうと、一人の自立した人間であることが要求されるからだ。
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 ヨットというスポーツは、どんなに疲れ果てて休みたいと思っても、ハーバーに帰港するまではセーリングを続けなければならない。ふて腐れて途中で投げ出すことは「遭難」を意味する。一旦海に出たのなら、ハーバーに戻ってくるまでは一人の自立した人間であることが要求され続けるのだ。これは、山登りなど、大自然の中で行うスポーツの特徴で、グランドや体育館など人工的な環境下で行う他のスポーツと大きく異なる点だ。
 そして、海という大自然は、それまで幼児的万能感の中で生きてきた子どもたちに、世の中には自分の思い通りにならないことが存在するという事実を厳然と突きつける。せっかく海に出たのに一日中風が吹かないこともあれば、自分の技量を超えた強風で怖い思いをすることもある。

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 そんな気まぐれな海と、ヨットという道具を介して付き合っていくうちに、子どもたちには様々な気象の兆候を感じ取れるアンテナが備わってくる。そして、海という大自然に対して自分が合わせていくという謙虚さをもって接することで、安全にセーリングできたり、人より速くヨットを走らせることができるようになったりするということを、子どもたちは自然に学び取っていく。
 当の本人たちは、必死でメインシートを引いたり、ハイクアウトしたりしているだけのつもりかもしれないが、知らないうちに海とのつきあい方を学び、少しずつ自立した一人の人間としての土台を築いている。
 それが幼少期からスポーツに取り組むことの良さであり、自然を相手にするセーリングという競技が持つアドバンテージでもある。

松本和久●まつもとかずひさ
1963年生まれ。愛知県出身。ヨット専門誌「ヨッティング」編集部を経て、1995年にフリーランスの写真記者として独立。現在「舵」誌でヨットレースを中心に取材。ヨットレースの他にも、漁業や農業など第一次産業の取材も得意とする。



キャビンの棚
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「老人と海」(DVD)
■監督:アレクサンドル・ペトロフ
■発売:ジェネオン・ユニバーサル
■参考価格:¥3,990(税込)
 「老人と海」といえば、主人公・サンチャゴの発するその言葉一つ一つが最大の魅力といえるかもしれない。そしてヘミングウェイ独特の写実的な文章は、まるで絵画のように読者の記憶にシーンを刻みつける。
 ここにご紹介するのは「老人と海」を題材に1999年に制作された短編アニメーション。作者はロシアのアニメーション作家、アレクサンドル・ペトロフ。ガラス板に指を使って油絵を描いていく「ガラスペインティング」という手法で、この「老人と海」では2万9千枚ものガラス板に絵を描きつけていった。そして第72回アカデミー賞の短編アニメ賞を受賞した。
 名作のアニメーション化というと、愛読者としては不安視してしまいそうだが、この作品はヘミングウェイの文章を見事に映像化している。初めて見たにも関わらず、既視感を得る。これまで小説を読んで頭に描いていたそれぞれシーンをそのまま再現してくれている。何より、美しいのだ。
 台詞の一つ一つも大切にされていて、日本語版では三國連太郎がサンチャゴの声を担当。これも見事にはまった感がある。ヘミングウェイの生涯を紹介する特典映像「ヘミングウェイ・ポートレート」付き。



船厨
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 筆者の個人的な体験談だが、かつてシジミを嫌いになりそうな出来事があった。
 シジミの産地として有名な某所を取材に訪れたときだった。現地でお世話になった方が、筆者の妻が出産間近であることを知ると、これでもかというほどシジミ料理を振る舞ってくれたのである。料理だけでなくシジミエキスも頂戴した。ここまでシジミ攻めに遭うと少しげんなりする。だいたい出産するのは妻であって、筆者ではないのに。
 鉄分が多く含まれるため「貧血気味の妊婦や授乳中の女性にいい」ということだったが本当なのだろうか。肝臓に作用するため「シジミの味噌汁は二日酔いに効く」と言われているけれども、そのあたりも俗説かもしれない。ただ、オルニチンが多く含まれていることは事実で、シジミを利用したサプリなども世にはある。
 健康のことはともかく、シジミの味噌汁は好物のひとつ。それを決定づけたのは、子供の頃、名古屋出身の祖母の家で、おそらく関東地方の庶民にはなじみのなかった赤だしのシジミの味噌汁を食したこと。まるで、旅館で食事するような高級な味に感じたのだった。


「シジミの赤だし汁」のつくり方
■材料
しじみ(砂抜き)1パック、赤だし八丁味噌80g、水800cc、だし昆布5cmほど、長ねぎ6~7cm

■作り方
1)鍋にだし昆布としじみを入れ火にかける
2)沸騰する直前にだし昆布を取り出し灰汁をきれいに取る
3)味噌を入れる
4)お椀によそい水にさらした白髪ねぎを入れる



海の博物誌
 海岸に行くと「藻場」の造成エリアをよくみかける。
 「藻場」とはその字面からも察せられるが、海岸域に形成される様々な海洋植物の群落のこと。こうした海藻類はアワビやウニサザエなど、藻食生物の餌場となり、さらに、海藻には小さな海老などの甲殻類が住み着く。そしてこれらは多くの魚類の稚魚にとって重要な餌ともなる。ここを隠れ場としたり、産卵場とする魚も多い。つまり、水産資源の増殖の場としてなくてはならない場所であるのだ。
 日本の海、特に都市部では、埋め立てや藻場が大幅に減ってしまった。そして、その価値が今見直され、生命の豊富な海を取り戻そうと、多くの地域や団体が藻場の造成事業に取り組んでいる。



Salty One Day Boating
タレント/JGFAアンバサダー
石崎理絵(みっちぃ)さん


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 18歳の時に、生まれ育った大阪で、今宮戎神社の「福娘」に選ばれたことが、石崎理絵さんにとってタレントという仕事をはじめる契機となった。
 「福娘に選ばれた後、挨拶回りでテレビ局を訪問していたら“バラエティ番組のレポーターをやってみないか”と誘われて。それまで人前で話すのがどちらかというと苦手だったんですが、実際にやってみると楽しくて。注目されるのも予想外に嬉しかったんです」
 釣りをはじめたのは、ある釣り番組のオーディションに受かったのがきっかけだった。最初の仕事は淡路島でエギング(烏賊釣り)、そして香川の野池でのブラックバスフィッシング。1日に遠く離れた2カ所でのロケというハードなものだったが、どちらでも見事に釣果をあげ、「ロッドとラインを通して感じられる生命感、生物との関わり」に釣りの喜びを見いだし、そしてはまった。それから9年間、気づけば約9割が釣りの仕事。雑誌やテレビ、ラジオ、自身のブログやフェイスブックを駆使して人々に釣りの魅力を伝えている。
 巷には数多くの女性アングラーがメディアに登場している。石崎さんが他の多くのいわゆる“釣りドル”と少し異なるのは、結婚を機に、夫君とともにマイボートでボートフィッシングを楽しんでいるところ。経験されている方も多いだろうが、マイボートでの釣りは、乗り合い遊漁船に比べると、慣れるまでに相当の苦労を強いられる。これまでプロの船頭が行っていたポイントの選定、操船、それらに関わる様々な状況判断や作業を自分たちで行わなくてはならない。その難しさと引き替えに、大きな喜びも得ることができる。そして石崎さんは、マイボートフィッシングでしか得ることのできない楽しさと喜びを日常的に体感している。
 「自分たちのボートで釣りをするようになって、今まで以上に潮と風を気にするようになりました。ボートで出かける前は、釣り番組の情報サイトで釣果のあった大まかなポイントと水深などの情報を得ています。自分たちで船を走らせポイントを探しますが、広い海の中で、それが当たったときの喜びは何ともいえないですね」
 ボートの上であれやこれや、自由にテーマを決めて挑戦できる魅力も、マイボートフィッシングならでは。今は、東京湾の中で(ホームポートは横浜)タイラバを使って何目の魚が釣れるかに挑戦中なのだとか。
 「タイラバひとつでいろいろな魚が釣れることがわかりました。色を変えたり、スカートを変えてみたり。これがおもしろいんですよ」
 さて、仕事にプライベートに釣りを満喫している石崎さんが、このほどJGFA(ジャパンゲームフィッシュ協会)のアンバサダーに任命された。メディアなどで活躍する釣り人に対して、JGFAがその理念、活動を広く日本の釣り界に伝える役目を依頼するもので、村田基氏、村越正海氏、北村秀行氏といった、そうそうたる16名(女性は石崎さんを含む4名)のアンバサダーのなかに名を連ねる。
 「実はプレッシャーも感じているんですよね。たとえば、“タグ&リリース”の意義すら、今回初めて知ったんです。“魚を釣る”ということに関して、今まで深く考えなかったようなことを、考えることが増えました」
 それでもJGFAの理念である「いい釣りを、いつまでも」は、初めて釣りの喜びを知ってから9年間、石崎さんが実践してきたことであり、そして一人でも多くの人に伝えたいと本気で取り組んできたテーマだ。
 「これを機に自分自身もJGFAの一員になったので、記録に残る魚をぜひ釣ってみたいですね」
 ますますの活躍に期待したい。



ヤマハニュース
「マリン塾」操船、離着岸、ボートフィッシングなど
ボートで遊ぶための技術を基礎からしっかり学べるレッスンのご案内です。
http://sea-style.yamaha-motor.co.jp/marinejyuku/

「イベント情報」試乗会や展示会などのご案内
https://www.yamaha-motor.co.jp/marine/event/schedule/

ボート免許受講とマリンクラブ入会が同時申込みでお得!
https://www.yamaha-motor.co.jp/marine/license/seastyle-course/



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【編集航記】
ゴールデンウィーク直前が締め切りのソルティライフ。スタッフは気もそぞろです。先程、仕事の手を休めてレンタルボートの予約をしました。連休前半は意外にも空いていて、むしろ普段の週末より楽に予約することができました。「いつ仕事をするのか」としかられそうですが、後で仕事の手を休めてタックルボックスに加えたいルアーを物色しに行こうと思っています。
(編集部・ま)

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