VERY BEST OF ORQUESTA DE LA LUZ〜25th Anniversary Collection
レーベル:SONY MUSIC ENTERTAINMENT
参考価格:¥3,500(税抜)
サルサは、スペイン語でソース、食欲をそそるものという意味合いをもつ。スペイン語圏のラテン音楽においてこの料理用語は古くから転用されていて、つまらない演奏へは「サルサを入れろ」といわれる。そしてそのサルサが、NYのヒスパニック達が演奏していた新しいラテン音楽の名称となったのは1960年代半ばだ。誕生から約半世紀でサルサは、今や世界中に熱狂的なファンをもつ情熱的で踊れる音楽となった。サルサ誕生のきかっけは1961年の米国とキューバの国交断絶と言われている。NYに来ることのできないキューバ人達に代わって、ラテンの音楽を演奏したヒスパニック達が、独自のスタイルを追求し、それがサルサとして確立された。その後ニューヨークのレコード会社であるファニア・レコードが中心となり、サルサは世界へ広がっていく。
「オルケスタ・デ・ラ・ルス」は全米ビルボード誌のラテンチャートで1991年に11週連続1位を獲得した日本のサルサバンドだ。紅白歌合戦にも紅組として出場し、「サルサに国境はない」を演奏。その後国連平和賞の受賞やグラミーにノミネートされた。1997年に一度活動を休止しているが、2002年の公演で復活し、現在まで、国内外のツアーや井上陽水や宮沢和史(THE BOOM)とも活動をしてきた。そんな彼らの25年の活動をまとめたベストアルバムが「VERY BEST OF ORQUESTA DE LA LUZ~25th Anniversary Collection」。
アルバムは、CITYとBEACH をテーマに分け、2枚構成で合計30曲を収録している。CITY SIDE には全米ラテンチャート11週連続で1位となったアルバムからのファーストシングルである「SALSA CALIENTE DEL JAPON」(6曲目)を収録。BEACH SIDEには、CMにタイアップされて耳馴染みのある方が多い「SALSA CON SABOR」(4曲目)に加えて、ボーナストラックとして松任谷由美が作曲した「SOY UNA ROSA」(16曲目)を最後の曲目としている。カバー曲も含め色々な曲が収録されているので、シーンに合わせて様ざまな楽しみかたができそうだ。
もっともこのアルバムを本当に楽しむためには、サルサを踊ってみることが必要かもしれない。サルサの基本は、「6/8クラーベ」といわれる8拍子のリズムに対して6回のステップだ。アクセントを2拍目にとる「On2」というNYスタイルのサルサは、世界的に人気があるそうだ。「シャイン」と呼ばれる1人で踊るステップもある。踊ることができれば、情熱的でエネルギーに満ちたこのラテン音楽をもっと理解できるはずだ。