レースレポート
2020年全日本カート選手権FS-125部門 東西統一競技会のレースレポート
2020年全日本カート選手権FS-125部門 東西統一競技会
■開催日:12月12〜13日■開催場所:鈴鹿サーキット国際南コース■天候:晴れ■路面状況:ドライ■参加台数:41台
山越ヒユウが開幕以来の2度目となる優勝を東西統一戦で飾る!
全日本カート選手権東西統一競技会が12月12~13日の2日間、三重県・鈴鹿サーキット国際南コースで開催された。今季はコロナ禍による日程変更により、異例の師走開催となった最終戦だったが、天候に恵まれ懸念されたほどの寒さを感じさせない大会となった。
タイムトライアル
今回もOKクラスが併催のため、土曜日に行われたタイムトライアル。今回は東西両地域のドライバーが一堂に会するため41台の大量エントリーがあり、タイムトライアルは2グループに分かれて行われた。最初にアタックした1組では野澤勇翔が7位、山越ヒユウが8位を獲得する。続けてコースインした2組では小林利徠斗が3位、小田優が4位となる。総合では小林9位、野澤11位、山越12位、小田13位となった。
予選ヒート(12周)
予選ヒートもA、Bの2グループに分かれて戦う。Aグループでは野澤が3位でフィニッシュする活躍を見せる。同じグループだった小田も6位とまずまずの順位を得た。Bグループでは山越がヒートをトップチェッカーで制し、決勝のフロントローを確定させる。同じグループの小林も4位につけ、決勝は好位置からのスタートとなる。
決勝ヒート(22周)
22周と予選より10周多くなる決勝ヒートでは、まずは山越が好スタートでレースをリードする。一方、6番手スタートだった野澤は1コーナーでスピンを喫し、最後尾まで順位を下げてしまう。レースは山越が序盤にして独走態勢を固め、2番手争いに小林が加わる形で展開していく。終盤に向け、2番手争いのバトルは激しさを増していくが、小林は2番手チェッカーを受ける。しかし、その後の裁定により、小林は降格となった。トップの山越は大きなリードを保ったまま、全く危なげなく逃げきり、開幕戦以来の2勝目を獲得した。
Formula Blue ガレージC
#66 山越 ヒユウ(東京都 14歳)
鈴鹿は昨年のSL全国大会で日本一になったコースだったので、いつも以上に自信を持って臨みました。タイムトライアルは前のドライバーに詰まってしまったこともあり満足はできませんでしたが、日曜日の予選に気持ちを切り替えました。迎えた予選では確実に前車をパスしトップに立った後は、ペースをコントロールし、タイヤマネジメントを心掛けながらトップでチェッカーを受けました。決勝も後ろを振り向かずに集中し、最終的には後方との差を大幅に広げて勝つことができました。事前練習では調子が出ませんでしたが、ここまで速いマシンを作ってくれたチームに感謝の気持ちでいっぱいです。また、メンタルトレーニングで学んだことを活かし、常に前向きな思考で取り組んできました。一年間の集大成を走りで発揮することができたと思います。
チーム代表:伊勢田 尚輝(ガレージC)
開幕戦のデビューウィンから始まり、2戦目は3位、その後はなかなかリザルトに結びつかず最終戦を迎えました。事前練習では元ヤマハワークスの三宅選手にコーチをしてもらい、土曜日になってようやく戦える手応えを感じるところまできました。タイムトライアルは上手くアタックができませんでしたが、予選は調子良く順位を上げ、序盤でトップに立ちそのままゴール。決勝もスタートを上手く決め、そのまま逃げ切り優勝することができました。今年は全日本デビューイヤーでシリーズランキング2位(東地域1位)、ヤマハ「Formula Blue」の中でも1番の成績を残すことができました。しかし、この結果に満足することなく、来年の更なる飛躍に向けてしっかりと準備していきたいと思います。
Formula Blue Super Racing Junkie!
#71 小林 利徠斗(山形県 15歳)
今回は最終戦ということで、優勝を勝ち取るために、いつも以上に気持ちを入れて鈴鹿入りしました。予選で前に出られなかった分、決勝ではスタート直後の混戦の中でも生き残って一つ一つ前に行こうと心掛け、冷静に順位を上げることができました。慎重に、そして攻める強い気持ちで臨んだ結果、今シーズン一番のレース内容だったと思います。年初に目標に掲げていたシリーズチャンピオン獲得には程遠いシリーズランキングでしたが、振り返ってみると優勝の見えなかったレースはありませんでした。ただ、自分自身に必要な能力をもっと身につけていれば、結果も更に良い方向へ変わっていったのではないかと思います。サポートして頂いた皆さまに感謝し、今後も努力を続けていきます。一年間ありがとうございました。
チーム代表:田中 亮(Super Racing Junkie!)
今大会はシリーズランキング2位を目指して優勝を狙いにいったレースでした。レースペースに自信があった決勝では順位を上げ2位でゴールしましたが、走行中の動きにペナルティが課せられてしまい18位という結果になりました。裁定には十分な反省が必要ですが、レース全体の内容としては、最後まで諦めることなく、力強く走れた良いレースとして評価をしています。最終戦の鈴鹿で今年一番のレースができただけに残念です。結果としてシリーズチャンピオンは獲得できませんでしたが、一年を通してスピードという点では十分に勝てるレベルを維持できていたと思いますが、まだまだドライバーのメンタル面の向上の余地もあります。チーム全体で努力を続けていきたいと思います。
Formula Blue エッフェガーラ
#16 野澤 勇翔(栃木県 15歳)
今回のレースは成長した自分を証明するという気持ちで臨みました。しかし、結果はとても残念なものとなり悔しいです。練習から決勝に向けてマシンの調子や気持ちが上がってきていただけに、余計に悔しいです。しかし、結果に囚われて消極的になる場面はなかったので、今年学習してきたことを実践できていることを実感し、自信を持ってレースすることができました。それだけに、今年のレースはすべて終わったのでリベンジする大会がなく、良い締めくくりができず悔しさだけが残ってしまいました。今は、変わった自分を証明したいという気持ちが強いので、次の大会が待ち遠しいです。来年は、より成長できるように一戦一戦を大切にして結果を残せるドライバーになります。
チーム代表:加藤 真(レーシングサービス エッフェガーラ)
木曜日からサーキット入りし、ドライバーもマシンも順調に仕上がり、レースが始まるのが楽しみでした。土曜日のタイムトライアルは激戦となり、チーム一同、気を引き締め直して日曜日に備えました。予選はすべてを出し切れたとは言えませんでしたが、ポジションを上げて帰って来たことでチームの士気も上がってきました。そして迎えた決勝ヒートは僅か数十メートルで戦線離脱。悔いの残る最終戦となってしまいました。野澤選手にとって、スカラシップ生として戦ったこの一年はチャレンジの年でした。スピード面では成長できたと思います。そこは本人も自信を持ち始めていると思います。肝心なレースの駆け引き面では、まだまだ成長が必要だと感じます。このようなチャンスを頂いた関係者の皆様に、この場をお借りして御礼申し上げたいと思います、一年間、誠にありがとうございました。
Formula Blue BEMAX
#14 小田 優(千葉県 16歳)
今回は全体的にペースが良く、勝てる速さを持っていましたが、タイムトライアルでの自分の判断ミスが予選と決勝に大きく影響してしまったレースでした。決勝では4位まで上げることができましたが、タイムトライアルや予選でのミスが無ければ、もう少し上の順位でゴールできたと思います。来年どのカテゴリーで走っても、いつでもトップ集団にいられるように、これまでのレースで学んだことをもう一度振り返り、更に成長できるように取り組んでいきたいと思います。
チーム代表:小野尾 司(BEMAX RACING)
今年一年間の課題でもあった新品タイヤの状態のマシンバランスをまとめることができずレースを迎えることになりました。それでもドライバーは最後まで自分ができることを考え、タイムトライアルでレースウィークの自己ベストをマーク。決勝はドライバーの強みである諦めない気持ちとバトルの強さを見せてくれたと思います。2年間に渡りサポートを受けてきた中で学んだこと、感じたこと、様々なことを総括して、これまでの活動を今後に繋げていけるように努力を続けていきたいと思います。
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