レースレポート
2017年 全日本カート選手権 OK部門 第1戦・第2戦のレースレポート
2017年 全日本カート選手権 OK部門 第1戦・第2戦
■開催日:4月22〜23日 ■開催場所:宮城県・スポーツランドSUGO西コース ■天候:晴れ ■路面状況:ドライ ■参加台数:25台
カートの最高峰 OKクラスが開幕!
三宅、小川両選手ともに苦境を乗り越えポイント獲得を果たす
国内カートレースの最高峰である全日本カート選手権 OKクラスが、宮城県・スポーツランドSUGOで開幕した。トヨタ・ヤマハレーシングチームは三宅淳詞(8号車)と小川颯太(30号車)の2名を擁してシリーズ戦を戦う。
三宅はこの選手権2年目を迎える18歳で、チーム加入初年度の昨年はシリーズランキング8位を獲得し、今年は更なる飛躍が期待されている。小川は新加入の17歳で、昨年は全日本FS-125クラス東地域シリーズランキング2位を獲得し、同クラス東西統一競技会では優勝を果たしている。
国内カートレースの最高峰は昨年までのKFクラスに替わり、今年からOKクラスで行われることとなった。昨年からの主な変更点としては、ダイレクトドライブエンジンへの変更、エンジン最高回転数16,000rpm(+1,000rpm)、最低重量145kg(-13kg)、フロントブレーキの禁止などマシンは大きく様変わりし、ラップタイムにして約1秒も短縮されている。ドライバーにとってはドライビングとフィジカルのスキルがより試されるクラスとなった。また、プッシング行為を可視化できるフロントスポイラーの正式採用(タイムペナルティ加算)も行われた。
レース方式は昨年と同じく1大会2レース制で、全5大会10戦(有効8戦)によって選手権が争われる。今回のSUGO大会では初日にタイムトライアルと第1戦の予選が、2日目に第1戦の決勝と第2戦の予選・決勝が行なわれた。
快晴に恵まれた大会初日、タイムトライアルでは小川がブリヂストン・ユーザーのトップに位置する8番手、三宅が14番手となった。両選手は第1戦と第2戦の予選を、このポジションからスタートする。
第1戦三宅淳詞:予選失格・決勝11位 / 小川颯太:予選DNS・決勝10位
予選ヒート(17周)
全車が隊列を組んでスタートに向かうローリングの最中、メインストレートで小川の前のマシンが失速し、加速状態にあった小川はこれを回避できず追突してしまう。このアクシデントでマシンに大きなダメージを負った小川は、スタートを切る前に予選を終えることとなった。
一方、三宅は1周目に11番手までポジションアップすると、その後も周囲のマシンとバトルを繰り広げながら徐々に順位を上げ、9番手でチェッカーを受けた。ところが三宅は、ローリングが長引いた影響もあってか、レース直後の重量計量で規定より僅かに重量が足らず、このヒートは失格という結果になった。
翌日に行なわれる第1戦決勝のスターティンググリッドは三宅が23番手、小川が25番手となった。
決勝ヒート(28周)
スターティンググリッド最後尾とそのふたつ前のポジションからレースを開始したふたりは、小川が前、三宅が後ろで2台連なったまま周回を重ね、順調に順位を上げていく。
レースが中盤戦に入ると、ふたりはマシンが密集する中段の順位に到達した。ここで一旦は三宅が小川をパスするが、その4周後には再び小川が三宅の前に出てタンデム走行を牽引していく。その後もふたりの挽回は続き、最終的には小川が15ポジションアップの10位、三宅が12ポジションアップの11位でフィニッシュし、両者そろってシリーズポイント獲得を果たした。
第1戦リザルト
Pos. | No. | Driver | Team | lap |
---|---|---|---|---|
1 | 85 | 佐藤 蓮 | Drago Corse | 28 |
2 | 2 | 朝日 ターボ | MASUDA RACING PROJECT | 28 |
3 | 5 | 高橋 悠之 | TONYKART R.T.J. | 28 |
10 | 30 | 小川 颯太 | TOYOTA YAMAHA RT | 28 |
11 | 8 | 三宅 淳詞 | TOYOTA YAMAHA RT | 28 |
第2戦三宅淳詞:予選21位(リタイア)・決勝22位 / 小川颯太:予選11位・決勝9位
予選ヒート(17周)
再び8番手から予選をスタートした小川は、スターティンググリッドどおりのポジションで序盤戦を終えると、やがて1台を抜き7番手に浮上した。だが、レースが折り返しを過ぎたあたりからタイヤの磨耗が進んでペースが鈍り、終盤戦に順位を下げて11位のゴールとなった。
一方、三宅はスタート直後の第5コーナー付近で他車のアクシデントの余波を受けコントロールを失ったマシンに追突されてスピン、ここで予選を終えることとなり、三宅の第2戦決勝のスターティンググリッドは21番手となった。
決勝ヒート(28周)
小川はセッティングを変更したマシンにスタート直後から良好な手応えを感じていたが、序盤戦はうまくレースを運べずポジションを下げ、8周目には17番手に後退した。ここで落ち着きを取り戻し挽回を開始、順調にポジションを上げて9位でフィニッシュし、2戦続けてシリーズポイント獲得を果たした。
三宅はスタートを決めて1周目に15番手まで浮上すると、小川の背後に続いてともにポジションアップを続けていく。レース中盤にはバトルの相手とラインが交錯して順位を下げる場面もあったが、再び挽回を開始して、8ポジションアップの13番手でチェッカーフラッグを受けた。さらに三宅は、このヒートの最速ラップも記録した。しかし、レース後にフロントフェアリングが規定の位置からずれていたとして10秒加算のペナルティを受け、最終結果は22位となった。
第2戦リザルト
Pos. | No. | Driver | Team | lap |
---|---|---|---|---|
1 | 85 | 佐藤 蓮 | Drago Corse | 28 |
2 | 2 | 朝日ターボ | MASUDA RACING PROJECT | 28 |
3 | 17 | 野中 誠太 | CREST RICCIARDO | 28 |
9 | 30 | 小川颯太 | TOYOTA YAMAHA RT | 28 |
22 | 8 | 三宅淳詞 | TOYOTA YAMAHA RT | 28 |
北條 裕 監督
小川選手はこのレースウィーク中、常にトップ近辺のタイムをマークして、周囲に速さを認められたと思います。ただし、彼もレース運びの面ではまだまだ合格点とはいえません。これから巧さを身に着けていけば、将来が期待できる選手だと思います。
シーズンオフのテストから大会直前まで、チームは極めて順調でした。ところがレースウィークの金曜日に本番用タイヤを投入した辺りから雲行きが怪しくなり、第1戦でも第2戦でも期待していたような結果を残すことができませんでした。
ふたりの速さを見ても、私たちと同じメーカーのタイヤを使用する選手たちの結果を見ても、マシンやタイヤの戦闘力が他に劣っていたわけではないはずです。なぜこのような結果に終わったのか、現時点では明確な理由が見つからず戸惑っています。もしかしたらレースウィークの前までが順調だったことで、油断が生まれていたのかもしれません。今回の不振の原因をしっかり究明して、気を引き締め直して次の大会に臨みたいと思います。
8 三宅 淳詞/Atsushi MIYAKEAGE:18
去年に比べてタイヤのバランスなどを把握できるようになって、かなりタイヤをもたせることができるようになりました。去年は2位が最上位だったので、今年は優勝して、チャンピオン争いにも加わりたいと思っています。