本文へ進みます

レースレポート

2017年 全日本カート選手権 OK部門 第5戦・第6戦のレースレポート

2017年 全日本カート選手権 OK部門 第5戦・第6戦

■開催日:8月19~20日 ■開催場所:岐阜県・フェスティカサーキット瑞浪 ■天候:晴れ 路面状況:ドライ ■参加台数:27台

小川颯太が2戦とも上位入賞でランキング2位に浮上

 国内カートレースの最高峰、全日本カート選手権OKクラスは2017シリーズ(全10戦)の中盤戦を迎えた。第5戦/第6戦の舞台となるフェスティカサーキット瑞浪は日本を代表する高速カートコースで、スリップストリームが効く上にオーバーテイクポイントも多く、ポジションチェンジが起こりやすい。
 大会は2デイ制でスケジュールが組まれていたのだが、金曜日にサーキット一帯が豪雨に見舞われた影響で1日目の公式セッションはすべてキャンセルされた。初日に予定されていたタイムトライアルも2日目に変更され、大会は実質1デイで行なわれることとなった。
 大会2日目の最初のセッションとなる公式練習では、ここ瑞浪をホームコースとする三宅淳詞(8号車)がトップと0.1秒差の2番手のタイムをマーク、小川颯太(30号車)は15番手となった。続くタイムトライアルは全車をふたつのグループに分けて行われたのだが、走行すればするほどタイヤのゴムが路面に乗り過ぎてタイムをロスするため、第1グループの方が第2グループよりタイムが出やすい傾向が見られた。第1グループに出走した小川は、最後の2周に照準を合わせて走り、狙いどおり好タイムを叩き出して2番手になった。一方、第2グループに出走した三宅はグループ分けの不利もあり、前と僅差のタイムながら9番手に留まった。ふたりはこのポジションから第5戦と第6戦の予選をスタートする。

第5戦三宅淳詞:予選9位・決勝11位 / 小川颯太:予選2位・決勝4位

予選ヒート(14周)

 スターティンググリッド最前列からスタートした小川は、スタートと同時に先頭に立ち、そのままレースをリードしていった。4周目、小川はポールポジションの選手に再逆転を許したが、その後はセカンドグループの中で3番手以下に下がることなくバトルを展開していく。そして最終ラップにはチャンピオン経験者の佐々木大樹選手を抜き返し、2位でゴールした。
 三宅はグリッドどおりのポジションでレースを開始すると、じわじわと順位を上げ、最後はセカンドグループを目の前に捕らえて6位でゴールした。しかしレース後、三宅にはプッシング/ブロッキングのペナルティが下って3ポジション降格され、リザルトは9位となった。

決勝ヒート(22周)

 小川はグリッドどおりの2番手でレースをスタートすると、2周目にはトップに浮上した。3周目に2番手となったが、真後ろにマシンを引き連れた状態で周回を重ねていく。しかし、レースが中盤に入ると小川はタイヤの摩耗に苦しむようになり、一時は6番手まで順位を下げた。それでも小川は大集団のバトルの中でチャンスを見つけては順位を取り戻し、4位でチェッカーを受けた。
 三宅はスタートでふたつ順位を下げて11番手になったが、ここから着実に順位を上げていき、レース中盤には8番手まで浮上してセカンドグループに加わった。しかし、レース終盤になると後続に追い上げられ、最後の4周で順位を下げて11位でフィニッシュした。

第5戦リザルト

Pos.No.DriverTeamLap
1 85 佐藤 蓮 Drago Corse 22
2 2 朝日 ターボ MASUDA RACING PROJECT 22
3 3 名取 鉄平 TEAM BirelART 22
4 30 小川 颯太 TOYOTA YAMAHA RT 22
11 8 三宅 淳詞 TOYOTA YAMAHA RT 22

第6戦三宅淳詞:予選4位・決勝15位 / 小川颯太:予選6位・決勝5位

予選ヒート(14周)

 スターティンググリッドの最前列からレースに臨んだ小川は、スタートを決めてトップに立つと、3周にわたってレースをリードした。その後はペースに勝る後続の先行を許してレース中盤には5番手に後退、果敢にバトルを繰り広げたが終盤にも2台に抜かれて7位でゴールした。
 三宅はスタート直後に順位を下げて12番手あたりの中段グループに加わった。ここから本来のペースを取り戻した三宅は、5周目に10番手へ浮上すると、このヒートの最速ラップを叩き出しながら追い上げを続けていく。そして三宅はラスト2周で小川もかわし、セカンドグループの先頭に出て5位でゴールした。
 レース後、4位でゴールした選手にペナルティが下り、このヒートのリザルトは三宅が4位、小川が6位となった。

決勝ヒート(22周)

 この日最後のレースは、全車がスターティンググリッドに整列したところで一旦ディレイとなり、午後5時30分という遅い時間のレース開始となった。
 小川はスタートで10番手に下がったが、激しい攻防が繰り広げられる上位集団の中でバトルに応じながら順位を上げていった。トップグループに加わった小川の順位は着々と上がっていき、17周目には目の前のバトルに乗じて3番手へと浮上した。しかし、小川は19周目に2台の先行を許すと、21周目にも1台に抜かれ6位でゴールとなった。
 三宅はオープニングラップを5番手の好位置で終えたが、2周目のアクシデントにより16番手まで後退してしまった。ここから懸命に挽回を続けた三宅は、レース中盤には大きく引き離されていた上位集団に追い付き、12番手でチェッカーを受けた。
 レース後、トップでゴールした選手を含む11台にマシンの不備やプッシング/ブロッキングに対するペナルティが下り、三宅もプッシング/ブロッキングで5ポジション降格のペナルティを受けた。これにより、レースの正式結果は小川が5位、三宅が15位となった。第5戦/第6戦の結果、小川はシリーズポイントを合計113点に伸ばしてポイントランキング2位に浮上、三宅は合計74点で同10位につけている。

第6戦リザルト

Pos.No.DriverTeamLap
1 3 名取 鉄平 TEAM BirelART 22
2 17 野中 誠太 CREST RICCIARDO 22
4 18 太田 格之進 SUCCEED SPORTS Jr. 22
5 30 小川 颯太 TOYOTA YAMAHA RT 22
15 8 三宅 淳詞 TOYOTA YAMAHA RT 22

ポイントランキング

Pos.No.DriverTeamPoint
1 85 佐藤 蓮 Drago Corse 181p
2 30 小川 颯太 TOYOTA YAMAHA RT 113p
3 23 環 優光 EXPRIT RACING TEAM JAPAN 111p
4 3 名取 鉄平 TEAM BirelART 106p
5 20 澤田 真治 EXPRIT RACING TEAM JAPAN 105p
10 8 三宅 淳詞 TOYOTA YAMAHA RT 74p

北條 裕 監督

 今回のタイムトライアルはふたつのグループに分けて行われたのですが、小川選手はタイムが出やすかったグループの中でうまく走りをまとめました。レースでは、もう少しうまく戦いを展開できれば優勝の可能性もあったと思います。これは、上位で戦った経験の少なさが出た面もあったのでしょう。
 三宅選手はタイヤテストからレースウィークまで何の問題もなく、非常に好調でした。しかし、タイムトライアルでうまくタイムを出せなかったことが、その後のレースに影響してしまいました。落ち着いてレースができるはずの選手なのに、序盤で接触するなど、もったいないレースだったと思います。
 今回、ふたりともマシンのポテンシャルは高かったと思いますし、選手自身のポテンシャルも表彰台に上がった選手に劣っていないはずです。それなのに結果が伴わなかったのは、やはりレース展開の部分に原因があったのでしょう。チームの雰囲気は今回もレースウィークを通して良かったですし、次はふたりとも表彰台ではなく優勝を目指すしかないと思っています。

8 三宅 淳詞/Atsushi MIYAKEAGE:18

 タイヤテストからすごく好調な状態で大会を迎えることができたのですが、タイムトライアルが9番手に留まったことでレースの流れを悪くしてしまいました。第5戦の予選ペナルティを受けて順位を下げてしまったことも、その流れの悪さの表れだったと思います。第6戦は調子が良くて予選で4番手まで上がれたのですが、決勝の序盤で接触してしまい、反省点のあるレースになりました。
 今回の大会は、もっと頭を使って走れば優勝を狙えただけに、応援してくださる方々に本当に申し訳ないことをしたと思います。次のもてぎは、去年のデビュー戦で表彰台に立ったゲンの良いサーキットなので、自分で良い流れをつかんで優勝したいと思います。

30 小川颯太/Sota OGAWAAGE:17

 タイムトライアルはタイヤを冷やさないことを意識して走った結果、うまくまとめることができました。第5戦の決勝ではタイヤが厳しくなり、ポジションキープすらできない展開になったのですが、運にも助けられてなんとか4位になれました。第6戦では一時トップ争いも見えたのですが、ミスが多くて5位に終わり、課題の残るレースになりました。
 今回は反省点も多かったのですが、抜くべき時にきっちり抜いて順位を上げるレースができたと思います。ここまで決勝はすべて完走してポイントを取れているので、この先ももっと上位でゴールすることを目指していきます。次のもてぎは得意なコースなので、優勝できるように頑張ります。

ページ
先頭へ