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レースレポート

2020年 全日本カート選手権 FS-125部門 東地域 第1戦のレースレポート

2020年 全日本カート選手権 FS-125部門 東地域 第1戦

■開催日:7月25〜26日 ■開催場所:ツインリンクもてぎ北ショートコース ■天候:雨時々曇り ■路面状況:ウェット〜ドライ〜ウェット ■参加台数:23台

13歳の山越ヒユウが鮮烈な全日本デビューウィンを飾る!

 コロナウイルス感染症の影響により、当初のスケジュールから約3か月遅れで全日本カート選手権東地域第1戦が、7月25〜26日の2日間、栃木県・ツインリンクもてぎ北ショートコースにて行われた。3年目を迎えた「Formula Blue」スカラシッププログラムでは、過去2年間は東西両地域に2名ずつ参戦していたが、今シーズンは4名ともに東地域シリーズに参戦することとなった。2年目となる小田優が残留。新加入の野澤勇翔、小林利徠斗、山越ヒユウの3名も、全国のSLシリーズチャンピオン、SL全国大会チャンピオン、ジュニアカート選手権チャンピオンなど、これまでの戦歴に加え、今後の更なる成長が期待できるドライバーであり、シーズンを通じて支援を行っていく。
 尚、レースウィークは土日ともに雨予報となっていたものの、両日とも雨が降ったり止んだりの不安定な天候となり、マシンセッティング等に悩まされる週末となった。

タイムトライアル

 今回は日曜日にすべての公式走行スケジュールが組まれ、タイムトライアルも日曜朝に行われた。雨は上がったものの、ウェットコンディションで迎えたタイムトライアルでは、小林がトップタイムをマークし、予選のポールポジションを獲得する。公式練習で好調だった山越が5位、野澤が7位と好位置につけるものの、本来もてぎを得意としている小田は、タイヤのエア圧が路面とマッチしなかったこともあり、タイムが伸び悩み、23位に終わる。

予選ヒート(16周)

 予選ヒートを前に、路面コンディションが回復し、全車がスリックタイヤを装着して出走する。まずは小林がホールショットからレースをリードするが、3周目に2番手に後退する。その小林をかわして2番手に上がったのが山越で、小林を引き離しながらトップの選手に接近していく。3番手小林の後方では4番手グループが形成され、この集団に野澤が徐々に接近していった。また、小田も順調に順位を挽回していった。
 山越はトップの直後につけたまま終盤を迎えるが、残り3周を切った14周目にトップ選手がマシントラブルによりリタイアとなる。これでトップとなった山越は、追いついてきた小林とともに残りの周回を走り切りトップチェッカーを受ける。2位には小林が入り、Formula Blue勢がワンツーで決勝フロントローに並ぶこととなった。
 野澤は6位、小田は9位まで挽回し、決勝での更なる上位進出が期待された。

決勝ヒート(30周)

 昨年までより4周多く、決勝は30周の長丁場となる。直前のクラスの決勝中に強めの雨が降ったため、再びウェットコンディションでのレースとなった。
 好スタートを見せたのは山越。小林も2番手をキープ、野澤、小田もスタートポジションを維持したままオープニングラップを終える。山越、小林を含めた3台で構成されたトップグループは4番手以降を引き離しながら周回を重ねていく。10周目を迎えるころには、3台が完全に抜け出す形となる。その中でも、山越のペースがよく、15周目の時点で小林に対しコンマ7秒のリードとなる。小林の後方には3番手、4番手の選手が接近し、中盤には3台での2番手争いが始まる。
 2番手争いの間にリードを広げた山越は、25周目には1秒のマージンを確保し完全な独走体制を築き上げる。一方、小林は27周目のS字出口で行き場を失い一気に4番手まで順位を落としてしまう。
 以降、トップグループに大きな動きはなく 山越が独走でチェッカーを受け、全日本選手権デビューウィンを飾った。また4位となった小林は、予選と決勝のベストラップを合算し、最もタイムが良かった選手に贈られる賞典を獲得した。野澤は7位、小田は12位で開幕戦を終えた。

第1戦リザルト

Pos. No. Driver Team タイムトライアル 予選ヒート
1位 66 山越ヒユウ Formula BlueガレージC 5位(44.774) 1位
2位 32 渡部智仁 SPS川口 2位(44.703) 3位
3位 27 洞地遼大 K.SPEED WIN 3位(44.733) 4位
4位 71 小林利徠斗 Formula Blue Super Racing Junkie! 1位(44.587) 2位
7位 16 野澤勇翔 Formula Blueエッフェガーラ 7位(44.853) 6位
12位 14 小田 優 Formula Blue BEMAX 23位(45.504) 9位

Formula Blue ガレージC

#66 山越 ヒユウ(東京都 13歳)

 雨の公式練習ではマシンの状態が良く、タイムトライアルは自信を持って臨みましたが遅い車に引っかかってしまい、5位で終わってしまいました。
 とても悔しい思いをしましたが、予選に向けては気持ちを切り替えて、攻める気持ちを持って戦うことが出来ました。また落ち着いて全体が見えていました。決勝はポールスタートということで緊張しましたが、レースまでを過ごす時間の精神面のコントロールがうまく出来たこともあり、スタートに集中することが出来ました。それが上手くいった後は、ミスをしないように心掛けて走り、ほぼノーミスで勝利することが出来ました。

チーム代表:伊勢田 尚輝(ガレージC)

 はっきりしない天候が続く中、木曜日から色々なセッティングを試しながら出来るだけ多くのデータ収集をしてきました。その成果もあってか良いセッティングも見つかり、想定通りに進めていくことが出来ました。ドライバーは、予選、決勝とコンディションが変化する難しい状況の中でもタイムも安定し、一度もトップを譲ることなく、出場資格最年少となる13歳での全日本初優勝という結果をもたらしてくれました。次戦以降もこの調子で戦っていきたいと思います。

Formula Blue Super Racing Junkie!

#71 小林 利徠斗(山形県 15歳)

 事前の練習から調子は良かったのですが、雨は走ったことはありませんでした。
 目まぐるしく変化する天候の中、タイムトライアルでは1位を獲得することが出来ました。
 ただ、決勝ではコンスタントにタイムを出すことが厳しく、余裕がありませんでした。
 振り返ってみると、雨の練習量が足りていませんでした。
 次戦の本庄大会は、高速での抜きつ抜かれつのバトルが激しいサーキットなので、そこで負けないように頑張ります。

チーム代表:田中 亮(Super Racing Junkie!)

 公式練習では、ほぼ初めてのBSレインタイヤでの走行ながら、ドライビング、セッティングともに良好で、タイムトライアルではトップタイムをマーク出来ました。しかし、コンディションが変化する中、少しペースが足りない我慢のレースを強いられ、惜しくも表彰台を逃したレースになりました。いくつかの反省点はあるものの、ドライバーからのフィードバックは的確になってきており、マシンへの理解力は向上しています。次戦は最低でも表彰台は確実に登れるように取り組みたいと思います。

Formula Blue エッフェガーラ

#16 野澤 勇翔(栃木県 15歳)

 ヤマハのスカラシップを獲得して初めてのレースで、楽しみでもありましたが不安もありました。ただ、参戦2年目ということもあり、自信を持って落ち着いてレースが出来たことは良かったと思います。しかし、結果にこだわりすぎて、勢いのある走りやバトルが出来ませんでした。次戦に向けては、練習の時から課題を据えて、目標が達成できるようにチームと協力して頑張りたいと思います。

チーム代表:加藤 真(レーシングサービス エッフェガーラ)

 コロナの影響で思うように身動きが取れない状況下でしたが、その間でもチームもドライバーも出来る限りのことを準備してきました。待望の開幕戦でしたが、不安定な天候の中での難しいコンディションのレースウィークとなりました。公式練習では上位3台に入るなど上々の手応えを感じ、ドライバーを信じてレースに送り出しました。レース内容もさることながら、ここぞという所での思い切りのよさ、元気のよさが発揮出来るようにメンタルの部分の更なる成長が必要と感じました。何が必要なのかを考え、次戦までの限られた時間の中で取り組んでいきたいと思います。

Formula Blue BEMAX

#14 小田 優(千葉県 15歳)

 今回のレースの反省点は、チームに対する的確なフィードバックが出来ていなかったことです。公式練習時にマシントラブルがあり、あまり走行出来なかったとは言え、もう少し情報を伝えることがあったと思います。そうすればタイムトライアルの順位も変わり、結果も変わっていたはずです。1週間後に本番の事前練習が迫っています。今回の反省点を踏まえてレースウィークに入っていけるように頑張ります。

チーム代表:小野尾 司(BEMAX RACING)

 コロナの自粛期間があったものの、昨年に引き続き、こうしてレースが出来ることになりました。開幕戦に照準を合わせ、テストを重ねて来ましたが、不安定な天候の影響もあり、思うようにテストも進まず、一発の速さ、ロングランともにタイムが伸びてこない苦しい状況でした。迎えたレースでは、チームとドライバー双方の様々な要因が重なり、本来持っているアグレッシブな走りが出来ませんでした。2週間後に迫った第2戦までタイトなスケジュールですが、今回の結果をしっかり分析し、足りない部分を補って、優勝争いが出来るようにチームとドライバーが一丸となって努力していきます。
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