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レースレポート

2021年全日本カート選手権FS-125部門 東地域第1戦のレースレポート

2021年全日本カート選手権FS-125部門 東地域第1戦

■開催日:4月10〜11日■開催場所:ツインリンクもてぎ北ショートコース■天候:晴れ■路面状況:ドライ■参加台数:22台

4台体制で臨む2021シーズンが開幕!
中村仁がデビュー戦で2位獲得も幻に。野澤勇翔が繰り上がりで2位を獲得!

 全日本カート選手権東地域第1戦が、4月10〜11日の2日間、栃木県・ツインリンクもてぎ北ショートコースで行われた。西地域の約1か月後に開幕した東地域シリーズには、ヤマハ「Formula Blue」スカラシップドライバーとして4名が参戦する。昨年から継続参戦となるのが、もてぎを地元とする野澤勇翔、そして小林利徠斗の二人。そして新たに昨年のFP-3部門チャンピオンの中村仁が加わり、さらにアンダー14としてFP-Jr部門からステップアップした五十嵐文太郎を加えた4台体制で東地域シリーズを戦うこととなる。
 3月28日に開催された全日本の前哨戦とも言えるもてぎシリーズ開幕戦では、中村が優勝、野澤が2位に入り今大会への期待を抱かせた。レース当日は澄み渡った青空が広がる快晴となり、時折吹く風は冷たいものの、レース日和の中でスケジュールは進行した。

タイムトライアル

 グループ分けなしで22台によって行われたタイムトライアルは、上位9位までが従来のコースレコードを更新するハイレベルなアタック合戦となり、中村2位、野澤4位、小林6位、五十嵐8位と4人共レコードを更新し上位につけた。

予選ヒート(16周)

 午前中最後のプログラムとなる予選ヒートでは、中村が順当に2番手をキープして周回を重ねていく。野澤は3番手争いを演じながら周回し、13周目に3番手に浮上する。小林、五十嵐もスタートポジションを守り、6番手、7番手を走行し、そのままの順位でチェッカーを迎える。デビュー戦ながら、中村は決勝のフロントローを獲得、野澤3位、小林6位、五十嵐7位で決勝へと進んだ。

決勝ヒート(30周)

 30周と長丁場の決勝ヒート。序盤に勝負を仕掛けたい中村と野澤は、オープニングラップの3コーナーで中村、野澤が相次いで先行車のインに飛び込み、野澤がトップに浮上、中村が2番手で続く。さらに小林も4番手に浮上する。一方、五十嵐はアクシデントでコースアウトし、最後尾までドロップしてしまう。野澤は4周目までトップを守るも、4周目に中村が逆転、トップに立つ。しかし、翌周に伊藤祐にトップを奪われ、その後中村は単独で2番手を走行する。3番手野澤の後方には小林が続くが、バトル中にコースオフすると、その動揺からかミスを犯し遅れていく。これで野澤が単独3番手となり、小林は4番手争いの先頭を走ることとなる。
 レースは中村が2番手でチェッカーを受けるが、スタート直前にピットクルーが退去時間のレギュレーションに抵触したことで失格裁定が下されてしまう。中村にとってはコース上の争いとは無関係なペナルティで無念の結果となったが、デビュー戦で速さを証明した。これで野澤が繰り上がり2位、小林は4位を獲得した。

第1戦リザルト

Pos. No. Driver Team タイムトライアル 予選ヒート
1位 52 伊藤 祐 ガレージC 1位(37.740) 1位
2位 14 野澤 勇翔 Formula Blueエッフェガーラ 4位(38.025) 3位
3位 22 堂園 鷲 Energy JAPAN 3位(37.998) 4位
4位 71 小林 利徠斗 Formula Blue Super Racing Junkie! 6位(38.069) 6位
20位 28 五十嵐 文太郎 Formula Blueエッフェガーラ 8位(38.101) 7位
失格 12 中村 仁 Formula Blue TKC 2位(37.932) 2位

Formula Blue Super Racing Junkie!

#71 小林 利徠斗(山形県 15歳)

 スカラシップ2年目の勝負の年なので、シーズンを通じて良い流れを作れるように意識して開幕戦に臨みました。レースウィークを通じて気持ちは落ち着いていました。タイムトライアル/予選ヒートから決勝に向けてはセットを変更し、追い上げを図っていくつもりでしたが、パッシング時の対応とその後の気持ちの焦りで順位を落としてしまうことになりました。望んでいたリザルトではありませんでしたが、大きく順位を落としても不思議では無かった状況から車をしっかりゴールに持っていくことが出来たことは良かったと思います。

チーム代表:田中 亮(Super Racing Junkie!代表)

 練習中からフレッシュタイヤでの一発タイムが今ひとつでしたが、ロングランのペースは悪くありませんでした。レース当日もその状況は変わらず、タイムトライアルでは少し沈んでしまいました。決勝では追い上げるペースがあると思っていましたが、オーバーテイクの失敗から焦りが出て、その後の走りにミスが出るという結果でした。3年目の全日本ということを考えると、もっと精神的に余裕を持ったレースが出来なければなりません。次戦以降の課題となりました。

Formula Blue エッフェガーラ

#14 野澤 勇翔(栃木県 15歳)

 練習走行の本数が少ない中で、一日の中でやるべきことを予め計画出来ていたので、効率よく準備が出来、振り返る時間も作ることが出来ました。レースでは、タイムトライアルと予選ではタイヤに気を使いましたが、決勝の最後まで持たせることが出来ませんでした。攻めることが目標でしたので、守ることしか出来ず、悔しい思いをしました。ただ、大きなポイントを獲得出来たので、この勢いを絶やさずに攻めることを意識して取り組んでいきたいと思います。

#28 五十嵐 文太郎(山形県 13歳)

 今回のレースは、集団から早めに抜け出して優勝することをイメージしていました。タイムトライアルではタイヤの使い方に課題が残ったので、今後はコンディション変化への対応力やセットアップ能力を更に意識していきます。序盤の展開次第では予選の結果も変わっていたかもしれません。決勝はスタートで出遅れ、第2集団に飲み込まれてしまい、その後スピンをしてしまいましたが、その後はペースが上がり、第2集団まで追い着くことが出来ました。次戦こそは、レース序盤のペースを早めることを意識し、積極的なレースをしていくつもりです。

チーム代表:加藤 真(レーシングサービス エッフェガーラ代表)

 野澤選手とは、昨シーズンの様々な経験を踏まえ、チームもドライバーもシーズンオフ中は出来る限りの準備を行ってきました。そして自信を持って「勝ちしかない」という気持ちでレースウィークに臨みました。実際に一つでも順位を上げられるよう、チーム一丸となって戦いましたが、守りの姿勢が垣間見えたドライバーの判断については課題が残りました。とは言え、常に上位で戦えた事に自信を持ち、更に速く走らせる技術、極限時のメンタル向上を意識して、次戦に向けて更に準備をしていきたいと思います。
 五十嵐選手は当カテゴリー最少年齢でのチャレンジとなりますが、十分に上位を争うことが出来るスピードを持つドライバーです。ただ、今回は彼の持つポテンシャルを発揮出来ずに終わってしまいました。今後はコンディション変化への対応、体力、レースでの駆け引きなど色んな部分で成長し、レースを引っ張る存在になっていってくれることを期待しています。

Formula Blue TKC

#12 中村 仁(千葉県 15歳)

 レース前のルーティーンをしっかりと行い、落ち着きと適度な緊張感を持ちつつ、自信を持ってスタートを迎えることができました。予選、決勝共にタイヤにあまり負荷をかけずに走れた反面、決勝ではタイヤを使い切れなかったので、次回に向けての気づきがありました。最終結果はスタート進行に関するピット要員の違反で失格となってしまいましたが、コントロールタワーではしっかりと自分の意見を伝えました。応援して下さった方々、本当に申し訳ありません。失格となってしまい非常に悔しいですが、むしろ勝ちたいという気持ちが強くなりました。また、全日本FS-125部門でトップ争いが出来たことは大きな自信となりました。次戦に向けては更に速さを引き出せるよう準備をしていきますので、宜しくお願いします。

チーム代表:徳江 信泰(レーシングカートサービスTKC)

 受験のため3月に入ってからの活動開始となり不安がありましたが、前哨戦で優勝するなど可能性を感じていました。今回のレースでもトップは僅かに速く、2位でのゴールとなりましたが、心配していたタイヤの摩耗もコントロール出来ていて最後までペースを落とすこと無く走り切れたと思います。レース後にスタート進行に関するペナルティを受け、結果の残らないレースになってしまいましたが、希望を持って戦っていきたいと思います。
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