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レースレポート

2023年全日本カート選手権FS-125CIK部門 第1戦・第2戦のレースレポート

2023年 全日本カート選手権 FS-125CIK部門 第1戦・第2戦

■開催日:4月29〜30日 ■開催場所:モビリティリゾートもてぎ北ショートコース(栃木県) ■天候:雨 ■路面状況:ウェット ■参加台数:17台

鈴木恵武がデビューウィン!
第2戦では表彰台に二人が登壇!!

 全日本カート選手権FS-125CIK部門の第1戦・第2戦が、4月29〜30日に栃木県・モビリティリゾートもてぎ北ショートコースで開催された。
 先に開幕したFS-125JAF部門に対し使用するエンジンは同一ながら、JAF部門が排気リストリクターで出力を制限しているのに対し、今回のCIK部門はそういった抑制事項は一切なく、エンジンのフルパワーを活かせるのが最大の相違点。また使用できるタイヤも、JAF部門が1大会2レースで1セットだったのに対し、こちらのCIK部門は1大会2レースで2セットが使用できる。
 今大会にはJAFシリーズから引き続き春日龍之介(Formula Blue SPS川口)、伊藤聖七(Formula Blue Ash)の二人と、CIKシリーズに専念となる鈴木恵武(Formula Blue MASUDA SPEED)の3人が参加した。春日と伊藤にとっても、今季メインのシリーズはこのCIKシリーズとなる。
 朝から強弱を変えながらも振り続ける雨。タイムトライアルでは鈴木が全体のトップタイムをマークし、予選のPPを獲得する。公式練習でトップタイムを出していた伊藤は8位、春日は17位でQPを終えた。
 予選ヒートでは鈴木が好スタートでトップをキープすると、そのまま走り続けトップチェカー。伊藤もスタート順位からポジションを挽回し4位、なかなかペースアップができず苦戦した春日も最後まで走り抜き、15位でフィニッシュとなった。
 OK部門と同様にFS-125CIK部門もスーパーヒートを実施。ここでも鈴木が好スタートしレースを引っ張っていく。中盤以降は、2番手以下を完全に突き放し独走へと持ち込んだ鈴木が決勝PPを獲得。伊藤は後半に順位を下げ11位、春日は9位でチェッカーを受けた。この結果、総合では鈴木が1位、伊藤8位、春日13位で予選を通過した。
 22周の決勝、ここでも鈴木は好スタートを決めトップをキープする。後方の接近を許さないまま周回を続ける鈴木は、最後までポジションを脅かされることもなくそのままチェッカーを受け、全日本デビューで優勝を飾った。伊藤は7位、春日は途中コースアウトを喫しリタイアとなった。
 続いて行われた第2戦の予選ヒート。ここでは今大会初めて鈴木が先行を許し2番手でチェッカー。午前中の改善点を生かした伊藤が6位、春日は9周でリタイアとなった。スーパーヒートでは、上位を走っていた鈴木が単独スピンを喫するアクシデントもあったが、予選総合結果では伊藤が4位となり2列目スタート。鈴木は8位、春日は17位からの追い上げを期すこととなる。
 第2戦決勝、ほぼ雨はやみ路面上の水は少ない。スタートよく飛び出したトップの選手が独走する中、2番手には伊藤がつけ、単独で周回を重ねていく。その伊藤に迫ったのが鈴木。中盤に追いつくとテールtoノーズで周回を重ねていく。終盤にはさらに一人が追いつき激しい順位争いが勃発。最終ラップの最終セクションまで全く予断を許さない展開となったものの、伊藤が2位、鈴木が3位でチェッカーを受け、表彰台を獲得した。
 また、今大会にヤマハサポートドライバーとして出場した高田陽大が初めての雨に苦戦しながらも第1戦8位、第2戦8位と両レースでポイントを獲得した。

第1戦リザルト

Pos. No. Driver Team タイムトライアル 予選ヒート
1位 15 鈴木 恵武 Formula Blue MASUDA SPEED 1位(47.334) 1位
2位 16 塩田 惣一朗 HRS JAPAN 12位(47.986) 3位
3位 55 箕浦 稜己 BirelART West 5位(47.492) 14位
8位 36 高田 陽大 Super Racing Junkie! 15位(48.138) 11位
10位 50 伊藤 聖七 Formula Blue Ash 8位(47.604) 8位
失格 30 春日 龍之介 Formula Blue SPS 17位(48.369) 13位

第2戦リザルト

Pos. No. Driver Team タイムトライアル 予選ヒート
1位 55 箕浦 稜己 BirelART West 5位(47.492) 2位
2位 50 伊藤 聖七 Formula Blue Ash 8位(47.604) 4位
3位 15 鈴木 恵武 Formula Blue MASUDA SPEED 1位(47.334) 8位
8位 36 高田 陽大 Super Racing Junkie! 15位(48.138) 15位
12位 30 春日 龍之介 Formula Blue SPS川口 17位(48.369) 17位

Formula Blue MASUDA SPEED

#15 鈴木 恵武(埼玉県14 歳)

 前日はドライで、KTでは走ったことがあったのですが、X30ではレインを走ったことがなくて、でも朝から調子よくいけて、安定して走れて良かったと思います。去年一年間、1回も勝てていなかったので嬉しかったです。SUGOは2年くらい行っていないので、どれくらい走れるかわからないですけど、基本は変わらないと思うので、ちゃんと基礎を徹底して体も作って挑んでいけたらと思います。

チーム代表 増田(増田スピード)

 いままで教わってこなかったことがあるので知らないことが多いようです。その中ではよく走ったと思います。混戦になると、まだうまく抜けなかったり、あとメンタルが少し弱いのか混乱することが多いですね。自分のドライビングの悪い部分を理解せずに、混乱して考えてしまうので、セッティングが進められないといったこともありました。ただ、これらは十分に成長できるところなので、伸びしろは十分感じさせてくれるドライバーです。いろいろな経験をしてまだまだ伸びていってくれると思いますし、そう期待して良いドライバーだと感じています。

Formula Blue SPS川口

#30 春日 龍之介(東京都 14歳)

 晴れのときはストレートのスピード以外は他の人と近くて、雨になれば同じくらいになるのではと思っていたのですが、雨になったらリアの滑りがひどくて、フロントの車高を変えたりして試したのですが、良くならないまま終わってしまい悔しいです。2桁台のフィニッシュがカートのキャリアの中でほぼなかったので、びっくりというかこんなこともあるんだと思いました。本庄やSUGOも得意ではあるので、不安は感じませんし、SUGOはコースレコードも持っていたので、SUGOこそは勝てるようにがんばります。

チーム代表 中島 高広(SPS川口)

 1回、カデットの頃に1年ほどスランプに入ったんですけど、その時を思い出させるようなスランプ具合が神戸から続いていて、もてぎに来れば治るかなと思ったのですが、またさらにスランプに入ってしまった印象です。セッティングも全部やったのですが何も変わらずで、レインになった途端にクルマを信じきれない、自分の力を信じきれないというのが続いているなと感じています。あとは本人が気づいて、崖下から登ってくるまで、僕らチームもメカニックもお父さんも待つしかないと感じています。一度カートを休ませる、本人が心底カートに乗りたいと思うまで休ませるというのもありかな、と。一番怖い療法ではあるのですが、休ませて乗りたいというモチベーションが出てくるまで待つかな、と。苦しいですね。ただ、チームの先輩である綿谷選手の優勝を見て、自分も勝てると思ってくれればいいと思います。スポーツ選手なので、自分でなんとかするしかないと思います。

Formula Blue Ash

#50 伊藤 聖七(岐阜県13歳)

 第1戦はもてぎで初めての雨で、他のコースと同じように走ったらタイムトライアルからほとんど滑ってしまって、なんでだろうとセットも工夫しましたが、タイヤが持たずに滑りを抑えられませんでした。タイヤを残すことを考えずに走っていたので、きつかったです。その反省を生かして第2戦に臨み、タイヤを残すように走りました。決勝までは持って、決勝は最初の5周は良かったですが、その後は元々の走りをしてしまい滑るようになってしまいました。ラインもばらばらになって、難しかったです。SUGOは、しっかりと考えてセットも出して走りたいですし、走り方も改善していきたいです。

チーム代表 築山 敬(かあと小僧)

 今回はいままでKTでも使っていたW2というレインタイヤだったので、今まで通り行けるかなと思っていたのですが、KTとX30のパワーの違いによってタイヤの使い方が重要だと見て取れました。1戦目はデータ不足、もてぎでの雨が初めてだったので、それが出てしまいました。2戦目にアジャストできた部分があったのですが、まだまだ改善点はあります。これを次回につなげていきたいです。レインタイヤに関しては皆が未知数で、普段からいかに丁寧に乗れるか、というところが出たレースだと思います。本人が自覚すると思うので、次までにいかに修正できるかが鍵だと思います。

YAMAHAサポート Super Racing Junkie!

#36 高田 陽大(福島県15歳)

 前日のドライでは調子が良くて、今日も自信は持っていたのですが、雨になってセッティングとか自分のドライビングがうまくいかなくて苦しみました。最後の決勝では田中代表が走りを見ていてギアとか変えていなかったところを変えてくれて走りやすくなりました。SUGOは地元で自信もあるので、2連勝目指してがんばります。

チーム代表 田中 亮 (Super Racing Junkie!)

 雨が一番の心配事でした。ドライは問題なくトップ争いできる手応えはあったのですが、雨は初めてでした。結果として、チームのレインセットと高田の好みのレインセットにずれがあったのが判明して、今年からSLW2のレインタイヤになったことで、その部分が顕著になりました。ただ、最後はそれに気づき、タイムもトップと遜色ないところまで持っていけたので、それは収穫かなと。これが開幕戦で良かったです。SUGOは問題無くいけると思います。
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