車輌専用開発される吸気システム
モーターサイクルの性能維持に必要な消耗部品の定期交換をお勧めいたします。純正部品の交換及び車両の整備はヤマハ販売店にご依頼ください。
ヤマハ発動機は、車輌ごとに最適な空気量をエンジンに供給するために、エアフィルターを含む吸気システム全体として専用設計開発しています。最適な空気量を供給することで“車輌に適したエンジン性能”を発揮しています。ヤマハ車にとって、純正エアフィルターが最も信頼あるエアフィルターです。
吸気システムを車輌専用設計するにあたり、設計出力、排気量、吸気量、燃料噴射方式や吸気経路などを考慮し、また、世界各国・各地域の湿度、温度、ダストの質など使用環境データを集積・解析し、車輌ごとに徹底したテストを行っています。
専用設計であるから吸気の流れ解析や音響解析なども行い最適化を図っています。
高いろ過性能と耐久性の両立
エアフィルターの役目は空気清浄です。純正エアフィルターには、空気中に含まれるゴミ・ちり・埃などがエンジン内部に入らないようにするために、高いろ過性能とシール性を求められます。さらに、エアフィルターが目詰まりせず、長期間安定した空気量をエンジンに供給できることを必要とします。 純正エアフィルターは、これらの高いろ過性能と耐久性を両立しています。
純正エアフィルターの加工技術
1:ろ紙
ゴミ・ちり・埃などを清浄する。プリーツ加工で広いろ過面積を確保。最適なプリーツピッチを実現。
2:塗布オイル
均等に塗布。揮発しにくい。水分の進入を防ぐ働きもある。
3:ゴム材
高いシール性により、ろ過性能を維持する。
4:樹脂フレーム
歪みにくい樹脂フレーム。エアフィルターケースとエアフィルターの高いシール性。
5:
ろ紙の変形防止。適正ピッチの維持。
6:ろ紙とフレームの接着
成形加工でろ紙とフレームの隙間を無くし、耐圧性がある。
車輌専用開発される吸気システムの例
同じエンジンで異なるコンセプトのYZF-R1とFZ-1を比較すると、スーパースポーツモデルのYZF-R1は、エンジン高回転時に十分な空気量を供給できるよう設計されており、エアフィルターボックスとエアフィルターが大きく作られています。
対してツアラーモデルのFZ-1はYZF-R1に比べ、エンジン出力を下げ、中低速域の走行を主とする公道において、快適な走行ができるように開発されたモデルで、FZ-1のエアフィルターボックス、エアフィルターはYZF-R1よりも小さく設計されています。
実走行試験による確認
車輌コンセプトに吸気システムとエアフィルターがマッチしているかを実走行で確認します。
例えば、急な加速をしたい際に、アクセルの開きに伴ってエンジンは多くの空気を必要とします。その時、吸気システムとエアフィルターは最適な空気をエンジンに供給し、車輌コンセプトに合った加速走行が実現されるかをライダーのフィーリングとして確認します。この様な感覚的な要素を車輌毎に確認し、改善調整をしています。
実走行後には、エアフィルターのどこの箇所でろ過しているのかを確認し、エアフィルターを最適な位置に調整します。フィルター全体でまんべんなくろ過することにより、高いろ過性能を長く維持することができます。