部品の消耗と劣化
モーターサイクルの性能維持に必要な消耗部品の定期交換をお勧めいたします。純正部品の交換及び車両の整備はヤマハ販売店にご依頼ください。
消耗した部品や劣化した部品は充分な性能を果たすことができず、車輌性能へ悪影響を及ぼしてしまいます。ここではそれぞれの部品の消耗・劣化した状態とその影響を説明いたします。
エアフィルター
空気中の砂や塵が付着してフィルターは黒ずみ目詰まりを起こします。目詰まりを起こしたフィルターでは最適な混合気をエンジンに供給できません。
ライトバルブ
ライトバルブのフィラメントが焼切れます。
フィラメントが切れたライトバルブは発光できません。
タイヤ
走行によってタイヤの接地面(トレッド)が消耗し溝が浅くなります。溝が浅くなると排水性やグリップ力が低下します。また環境、時間経過によりゴムが硬化しヒビ割れが発生すると、同様にグリップ力が低下します。
スプロケット
スプロケットはドライブチェーンからの力が加わる歯の部分が磨耗します。 磨耗して歯が尖ったスプロケットはドライブチェーンとの噛み合いが悪くなります。
ドライブチェーン
走行によりピンとリンクプレートが磨耗しドライブチェーンは伸びます。シールチェーンではシールリングが1つ切れるとその部分が異常磨耗します。チェーンは日常メンテナンスを怠ると環境と時間経過にともないグリスと汚れの固着や錆びが発生します。
伸び限度を超えたドライブチェーンは破損の恐れがあり、グリスと汚れの固着やチェーンの錆びは、チェーンの破損やスプロケットの異常磨耗を引き起こします。
スパークプラグ
高温の火花を発するためプラグ電極が溶けて消耗し、混合気の濃さが適正でない場合は電極部分がススや混合気で覆われるプラグかぶりや、プラグの焼け過ぎになります。
プラグかぶりは火花を飛ばすことができなくなり、プラグの焼け過ぎは異常燃焼を引き起こします。
オイルフィルター
ろ過性能が限界に達するとフィルターが目詰まりを起こします。 オイルフィルターが目詰まりすると金属片やススを含んだエンジンオイルがそのまま循環しエンジンを痛める原因となります。
ブレーキディスク
ブレーキ作動の際、ブレーキパッドとの摩擦力により、ブレーキディスクが摩耗します。ブレーキパッドに錆がある場合、ブレーキディスクは偏摩耗します。
磨耗により薄くなったブレーキディスクは、摩擦で過熱しやすくなり制動力が低下します。
ブレーキパッド
ブレーキディスクと同様に摩擦力により、ブレーキパッドが摩耗します。ブレーキパッドの摩擦材には金属が含まれているため、錆びが発生することもあります。
磨耗により使用限度を超え薄くなったブレーキパッドは制動力が不足し危険なので使用しないで下さい。
ブレーキパッドの錆びによる凹凸はブレーキディスクの偏磨耗を引き起こします。また、薄くなった摩擦材ではブレーキパッドが異常過熱するため、フェードやベーパーロックを引き起こしやすくなります。
ブレーキシュー
ブレーキの際にブレーキドラムと摩擦するのでブレーキシューが磨耗します。ブレーキシューの摩擦材には金属が含まれているため、錆びが発生することもあります。
磨耗により使用限度を超えたブレーキシューは制動力が不足し危険なので使用しないで下さい。
ブレーキシューの錆びによる凹凸でブレーキドラムの偏磨耗を引き起こします。また、薄くなった摩擦材ではブレーキシューが異常過熱するため、制動力が低下します。
ウェイトローラー
変速のためにシーブと擦れて磨耗します。 消耗して軽くなったウェイトローラーは、シーブを押し広げる力が弱まり、エンジンが高回転まで回ってもVベルトがシーブ面を移動しきれず、変速性能が低下することもあります。
ドライブベルト
プーリーと接触する部分が摩擦で消耗し、ドライブベルトは伸びます。 ベルトが消耗すると駆動力を伝える力が低下し、ベルト滑りが起こります。消耗がさらに進むとベルトが切れます。伸びた状態でベルトテンションが緩いと外れることもあります。