不快な鳴きと振動を抑えた高い快適性
モーターサイクルの性能維持に必要な消耗部品の定期交換をお勧めいたします。純正部品の交換及び車両の整備はヤマハ販売店にご依頼ください。
制動時にブレーキから「キィー」と周波数の高い音が発せられることがあります。それがブレーキの鳴きと呼ばれる現象で、ブレーキパッドとブレーキディスクの摩擦振動によって発生します。鳴くかどうかは構成部品の振動の相性で決まるため、ブレーキパッドやブレーキディスクを非純正部品に変えてしまうと部品同士の振動のバランスが崩れ、鳴きが発生しやすくなり快適性が大きく損なわれることもあります。さらに、低周波の振動で発生するグロー音は快適性を損ねるだけでなく、ホイールに亀裂が入る程の強い力を持っています。グロー音はホイールからの振動の影響が大きく、ブレーキパッドの溝加工や制振シムだけで発生を抑制することはできません。そのため車体の振動を加味して素材の配合がされた純正ブレーキパッド以外では、グロー音対策は難しいと言えます。
純正ブレーキパッドは、ブレーキディスクと共振しにくい素材配合と、振動の発生を抑えるための溝加工が施されています。
摩擦材の溝加工
鳴きの原因である摩擦振動を防ぐため、ブレーキパッド摩擦材は溝加工や接触面を分割し、ブレーキディスクと共振を起こさないように調整しています。この溝には、ウェット時にブレーキディスクにできた水膜を掻きだす役目もあります。レジンタイプのブレーキパッドでは、熱分解によりフェノールレジン樹脂から発生するガスを排出しフェードを防ぐ役目もあります。
ブレーキディスクでは、振動抑制の条件を満たすために、ディスク(パッド)上の溝の本数や位置はさまざまに変えています。