JWキッズユーザーインタビュー:翔人さんとJW(Vol.1)
ヤマハジョイユニットX PLUS+を装着した電動車椅子を利用されている関 翔人さん。お母さまの由佳さんにお話を伺いました。
小学校入学の時には電動車椅子を
導入したいと考えていた
スムーズに導入できたのは
周りのみなさんの協力があったから
関 翔人さん(9歳)
初対面ではシャイ、だけど慣れるとひょうきんもの
翔人は初対面ではシャイですが、慣れるとすごくひょうきんで面白い子です。学校でも面白いことを言って、担任の先生と何度も大笑いしているそう。ただ、その話の内容は私には内緒だそうで教えてくれません。(笑)また、仲良しの先生とは校内ですれ違うたびにハイタッチしたり、鬼ごっこのように 追いかけて行っているそうです。
学校では先生と1対1で授業を受けていて同じクラスに同級生はいないのですが、上級生たちと休み時間に爆弾ゲームといってドッチボールのような遊びをしているみたいです。地域の小学校との交流では、同じ3年生の子たちが電動車椅子に興味を持ってくれました。みんなから「かっこいい!」「すげー!」「どうやって動かしてると?」と質問攻めにあうくらい大人気で、小学生たちのハートを鷲掴みにしたそうです。
家でもよく学校の話をしてくれます。学校からの伝言をきちんと話してくれるしっかりものなんです。
また、テレビや動画投稿サイトが好きでよく観ていますね。学校の宿題もしっかり出るので、終わるまでテレビのリモコンを渡さないようにしています。宿題をやったら自由時間になるので、いつも必死に取り組んでいます。
絶対電動車椅子に乗せてあげたいという気持ちで
なんとしても役所を説得する心づもりだった
翔人は、身体は不自由ながらも身振り手振りで自己主張をしっかりする子だったので、自分の意志で何かできることはないかとずっと考えていました。そこでリハビリの時に試しに練習用の電動車椅子に乗せてみたら、すごく上手に乗れたんです。その時の目の輝きを見て、自分で行きたいところに行けることがこの子に適している、絶対電動車椅子に乗せてあげたいという気持ちになりました。
療育センターのリハビリの先生とも相談し、4歳くらいから電動車椅子に乗る練習をスタート。筋が良く、本人も運転が好きで、どんどん上達していったんです。なので、小学校入学の時には電動車椅子を導入したいと考えていました。
ただ、周りのママ友達から、低年齢の子どもは「補装具費支給制度」の支給決定がなかなか下りないと聞いていたので、それが気がかりでした。私としては制度上難しくても、なんとしても役所を説得する心づもりでした。
結果的には、上手に操作できるようになってきたタイミングで、ちょうど補装具費支給制度の一部改訂があってすんなりと給付の許可が下りたんです。
タイミングが良かったこともありますが、スムーズに電動車椅子を導入できたのは、積極的に動いてくれたリハビリの先生をはじめとする周りのみなさんの協力のおかげです。
- プロフィール
- 関 翔人(せき しょうと)さん
小学3年生(9歳) ※2021年取材当時
脊髄性筋萎縮症の類似疾患。呼吸器機能が弱く人工呼吸器を使用。小学校入学のタイミングでの電動車椅子利用開始を目指し、早い時期から走行練習を開始。
仲良しの先生とは、校内ですれ違うたびにコミュニケーションを図ったり、時々変顔を披露したりと、ひょうきんな面があるそう。「家でもよくふざけるし、とても面白い子なんです」とお母さん。一方、学校からの連絡はきちんと伝えるしっかりもの。
Professional eye's
「チーム翔人」
作業療法士:日高先生 言語聴覚士:山下先生 理学療法士:小島先生
関 翔人さんの電動車椅子走行訓練をサポートしていた宮崎県立こども療育センター・作業療法士の日高先生に伺いました。
リハビリを続ける中で見えてきた電動車椅子使用の可能性
翔人さんが私たちのところでリハビリを開始したのは3歳のときです。最初から電動車椅子に乗ることを目指していたわけではありませんでした。様々な可能性を探りつつリハビリを進めるなかで、将来的に電動車椅子の導入が可能なのではないかという考えに至ったのです。
電動車椅子に乗るための訓練は4歳のときから本格的にスタートしました。
最初はバギーを荷台に乗せてジョイスティックで操作する電動移動具から訓練を始めました。徐々に乗り慣れて電動車椅子にステップアップ。走行スピードも上げていきながら1年ほどかけてしっかり練習し、5歳になってから申請手続きを見据えて取り組み出しました。
電動車椅子に乗るには、操作する能力、周りを見て判断する能力、危険を回避する能力など、色々な能力が必要です。翔人さんは、小学校入学のタイミングで使い始めたいと考えていたので、就学前から電動車椅子購入申請を考えていく必要があり、理学療法士と言語聴覚士のサポートを得てチームで申請までの取り組みを進めていきました。