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ヤマハ発動機株式会社 Revs Your Heart

モビリティサービスビジネス(MSB)

MSB部 社員インタビュー Haji Rehani Omaryさん

エンジニアからの180度転身。求めていた仕事がそこにあった。

MSB部 社員インタビュー Haji Rehani Omaryさん MSB部 社員インタビュー Haji Rehani Omaryさん

“Africa”と“Challenge”
私とヤマハ発動機をつないだ二つの言葉

私はエンジニアになるという未来を描いて、タンザニアの大学で生産工学を学びました。エンジニアという職業は、子どものころに抱いた夢の一つでしたから。生産工学を志す者は、誰もが一度は日本の優れた生産システムに触れることになります。私もトヨタ生産方式などを学びながら、日本という国に対して関心を高めていきました。
卒業後は、タンザニアの水関係の会社でキャリアを重ねました。アフリカには膨大な数の人びとが暮らしていますが、そのうち安全性の高い水を飲んでいる人はごくわずかです。皆がきれいな水にアクセスできるようになれば、アフリカの国々にどれだけ大きなインパクトを与えるだろう? そうした思いから、学んできた生産システムの知識をそのために活かしたいと考えたのです。

JICAの奨学金を受け立命館アジア太平洋大学に留学。在学中のインターンシップがヤマハ発動機との出会いとなった
zoom

ある飲料メーカーで働いていた時のことです。私のスキルを高く評価してくれたドイツ出身の上司から、「君が(技術者としてスキルの上に)ビジネスの知識を身につけたら、もっと優れたプロフェッショナルになれるはずだ。MBAの取得にチャレンジしてみたらどうか」とアドバイスを受けました。
それまでのキャリアでは機械ばかりを相手にしていましたから、変化の少ない日々に少し疲れも感じ始めていました。私はその助言に従って、JICA※1の奨学金に申し込むことにしました。モチベーションは非常に高かったですし、生産工学を通じてすでに日本人や日本企業の基本的なアプローチも理解していたので、申請は無事に採択され、立命館アジア太平洋大学(日本)に留学することになりました。
私は学費の面で、両親に負担をかけたことがありません。タンザニアでも日本でも、すべて奨学金を受けることができたからです。

産業人材の育成を目的とするABEイニシアティブ※2では、日本の会社でインターンシップを受けることが義務づけられていました。当時の私は、「水」こそ自分のミッションと捉えていましたから、まず飲料業界で日本のリーダー的な立場にある会社にアプローチしました。しかし残念ながら、日本語のスキルが足りないことを理由に実現はしませんでした。
そこで私は思考を切り替えてみることにしました。「アフリカへの関心が高い会社」、そして「新しいことにチャレンジしている会社」という指標をもってインターンシップを探し始めたのです。それが、ヤマハ発動機との出会いでした。

※1
JICA(Japan International Cooperation Agency) = 独立行政法人国際協力機構は、日本の政府開発援助(ODA)を一元的に行う実施機関として、開発途上国への国際協力を行っている。
※2
ABEイニシアティブ =アフリカの若者のための産業人材育成イニシアティブ:African Business Education Initiative for Youth

インターンシップで実感した
オープンでフラットな企業文化

留学先の大学は、別府という静かで小さな温泉まちにありました。そこからスーツを着込んで、インターンシップのためにヤマハ発動機のある静岡県に向かいました。私のイメージでは、ヤマハ発動機のような大きな会社では、皆がスーツで働いているのだろうと思い込んでいたからです。ですが実際には、若い人も年配者も、思い思いのカジュアルな服装で働いていました。恥ずかしくなった私はあわててジャケットを脱ぎましたが、それも忘れられない思い出の一つです(笑)
驚いたことは他にもあります。アフリカでは、会社の幹部は大きな個人の執務室で仕事をしています。しかしヤマハ発動機のオフィスは非常にオープンで、部門のボスでさえ私たちと机を並べて働いていました。そればかりか、ゴミの片付けにも参加するし、朝はみんなと一緒に音楽に合わせてストレッチもする。そこには、信じられないくらいオープンでフラットな文化がありました。

私が加わったプロジェクトは、とても興味深いものでした。「アフリカにおけるラストマイルデリバリーを構築しよう!」というもので、当時はまだ議論のフェーズでしたが、まさに私が求めた“Africa”と“Challenge”という二つのキーワードに当てはまる事業企画でした。
インターンシップは当初3か月の予定でしたが、ちょうど1か月が過ぎたころに採用のオファーを受けました。「入社したら、どこで働きたいか?」と尋ねられたので、「家族がいるアフリカで働きたい」と希望を伝え、それが認められました。その後タンザニアに帰国し、1か月後にはリモートワークを開始しました。

最初のプロジェクトの舞台はケニアでした。タンザニアで家族と暮らしながらケニアに足を運び、そこで新たな人びとと出会い、互いに理解を深め合いながらディスカッションを行う。私が求めていたものは「これだ!」と実感しました。機械に向かうエンジニアの仕事から180度転換し、新たな仕事へのチャレンジ精神が高まるとともに、疲れていた精神がゆっくりリセットされていくのを感じました。

タンザニアオフィスでの従業員研修。倫理規範や行動規則、遵守すべき行動基準を指導
ドライバーおよびバイクごとの燃料消費データを分析し、その結果を共有
クライアントへの支払い前に、注文数や手数料を確認。GA、オペレーション、在庫管理の間で調整を行う

母国における新分野のリーダーに
この会社を育てていきたい

日本の企業は伝統的なスタイルをとても大切にします。ある意味それは間違いではありませんが、MSB部は違います。MSBの思考、判断、取り組み、行動力は、まるで日本の企業ではないように感じます。 たとえばナイジェリア展開するMBSN※3のビジネス――。MSBが管理・保有する各種のモビリティをアセット運用し、個人での所有が難しい人びとに、バイクタクシーなどの仕事で活用してもらおうという取り組みです。ここでは、ヤマハブランドの製品ばかりでなく、他メーカーの二輪車や三輪車も積極的に運用されています。こうした判断は、一般的な日本企業にはないものだと感じています。

このほか、ケニアやタンザニア、ナイジェリアといった国々のパートナー企業とPoC※4などを進めながら、現在はCourieMateタンザニア※5のGA※6マネージャーとしてバックオフィスのサポートを行っています。ヤマハ発動機グループの一員として、そのブランド価値を深く理解・共有しながら、人事管理や各種リスクアセスメントなど幅広い業務にあたっています。
これらの実務を通して得られるアドミニストレーションなどの経験、そしてビジネスに関わるさまざまな技術は、自分のスキルを高めるために非常に重要です。こうした実務を重ねていくことで、自分の力で、一つの会社を率いることのできるようなスキルを身につけたいと考えています。
いままでチャレンジできなかったこと、知らなかったこと、そうしたことに取り組める毎日に、私はいま大きなやりがいを感じています。

経験とは何か? 私はそれを「失敗の蓄積」と解釈しています。MSBはミスに対して寛容です。もちろんどんなミスも許されるという意味ではありません。ただ、失敗はビジネスにとって大切な学びとなり、会社や個人の成長にもつながるということが認識されていると感じているのです。
タンザニアにおいて、ラストマイルデリバリーという分野はまだ若く、突出したプレーヤーは存在していません。そうした可能性をもった環境の中で、私はCourieMateをタンザニアにおけるこの業界のリーダーに育てたいと思っています。それは私にとってチャレンジであり、変わることのないビジョンでもあります。

※3
MBSN(Moto Business Service Nigeria) = MSB海外子会社ナイジェリア拠点
※4
PoC (Proof of Concept)= 概念実証
※5
CourieMate= MSB海外子会社ウガンダ・タンザニア拠点
※6
GA=General Administration, 総務

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