エンジンオイルのトラブルと対策
モーターサイクルの性能維持に必要な消耗部品の定期交換をお勧めいたします。純正部品の交換及び車両の整備はヤマハ販売店にご依頼ください。
エンジンオイル漏れ
事故や転倒などでエンジンを損傷した場合や、ガスケットが劣化した場合にエンジンオイルが漏れ出すことがあります。物理的な損傷の場合はオイルが漏れている箇所もわかりやすい上、破損した部品を交換すれば直すことができます。ガスケットの劣化によるエンジンオイル漏れは、オイルポンプ周辺、オイルフィルターカバー、オイルクーラーのホース根元、クランクケースの合せ目など、部品の接続部分で発生します。エンジンオイル漏れを発見したら、その箇所のガスケットを交換するしかありません。エンジンオイルが無くなってしまうとエンジン内の潤滑が出来なくなり、エンジンの焼付きを起こしてしまいます。
エンジンオイル乳化
エンジン内に水分が多量に混入すると、エンジンオイルの機能が損なわれます。エンジンが密封されていても、エアフィルターケースから取り入れる空気に含まれる湿気が、混合気として燃焼した際に化学反応で生成される水だけは避けられません。水分量が少なければエンジンオイルに含まれる防錆剤や清浄剤によって、エンジンオイルの性能を損ねることはありません。しかし、浸水などで大量に水分がエンジンに入り込むと、添加剤で対処できる許容量を超えてしまいエンジンオイルが乳白色に変質して機能を失ってしまいます。機能を失ったオイルではエンジンの潤滑ができず、エンジンの焼付きを起こしてしまいます。
一度変質してしまったエンジンオイルは元には戻らないため、乳化してしまった際は交換サイクルに関わらず直ちに交換してください。エンジンオイルの色もオイルレベルゲージでチェックすることが可能なので、モーターサイクルが雨ざらしなら日ごろからチェックした方がよいでしょう。