本文へ進みます

JWキッズインタビュー:奈那さんとJW(Vol.1)

ヤマハJWX-1 PLUS+を装着した電動車椅子を利用されている濱田奈那さん。お母さまの知加さんにお話を伺いました。

JWを使用して変わったことは
自信と自立
自分でできる経験を重ねることが
いかに大切か実感しました

濱田 奈那さん(9歳)

濱田 奈那さん(9歳)

鳥肌がたちました
自力では動けない我が子が、こんな体験をできるようになるなんて

お話を伺った濱田知加さん

娘が初めて電動に乗ったのは1歳半の時。障がいのある子どもたちが“自力で動くこと”を重視している先生との出会いがきっかけでした。
最初はとても不思議そうでした。それまでは、他人の介助による抱っこやバギーに乗っての移動などの受動的(受け身)な経験ばかりだった娘が、自分一人の力でスイッチを押して動くんですから、当然ですよね。1周目はただただびっくりという感じで、2周目は操作ボタンを押すと進んで、手をぱっと離すと止まる仕組みに驚き、3周目で世界が変わったことに感激しているようでした。

私も本当に嬉しかった。鳥肌がたちました。たった1歳半でこんなことができるのかと。筋ジストロフィーで自力では動けない我が子が、こんな体験をできるようになるなんて、全く想像していませんでしたから。その電動走行機でジョイスティックの操作にも慣れていたので、手動車椅子に乗ることなく電動車椅子に移行したんです。

限られた体力を移動に費やすより
教えたいこと、経験させたいことは、ほかに山ほどある

校内をすいすい自在に移動する奈那さん。教室入口にぴったり乗り付けたり、狭いエレベーター内で向きを変えたり、見事なジョイスティックさばきを披露してくれた

リハビリに行くとできないことを突きつけられます。「お母さん、ここ、固まってきていますね」とか、「こういう動作できませんね」とか。そういう視点が多く、「この子、これもあれもできないんだ」と親子共々、自信喪失することがあります。

娘が小さいころに通っていたリハビリは、なんとなく健常者に近づくために努力をしているような気持ちになってしまうことがありました。日本で主流なリハビリって、例えば目の前にあるおもちゃに手を伸ばして「もうちょっと頑張ろう」って可動域をあげる努力をし続けるイメージです。
しかし、リハビリの目的には本来「機能を補うことで最大限の能力を引き出すこと」や「自分自身でできるように環境を整えること」も含まれています。電動の機械を使うことで、子どもは「自分でできた!」という嬉しい気持ちをもち、それが次の行動への意欲につながると思います。つまり自己肯定感がすごくあがるんです。そういったことが知的な面や社会性の向上につながっていきます。それは、奈那さんの目の輝きを見ていて、私は実感しています。
体を動かすことを目的とするならトレーニングして鍛えたほうがいいけれど、移動した先でできることも大切。限られた体力を移動に費やすより、彼女に教えてあげたいこと、経験させたいことは、ほかに山ほどあるんです。

とは言え、小さい子どもが電動に乗ることに対して、「ぶつかったらどうするの?転倒したらどうするの?」という反応をするお医者さんも多いと思います。お世話になった先生が記事に書いていましたが、小児の電動車椅子に関して、知識だけでなく知見のあるお医者さんは少ないそうです。やっぱり医療と生活って、乖離していると感じました。 ですので、電動車椅子を使うことでどう変わったのか、ホームページなどで当事者から発信していく方が、共感されて理解が広まるのではないでしょうか。お医者さんやリハビリの先生方は、何かあった時のリスクを回避しなければならないので、「万が一の時は親が責任を取る!」くらいの勢いがないと、小児の電動利用は進まないでしょうね。

スティック一本で、楽チンに移動できるから
「あの光景見て、私と共有して」という意思疎通が生まれる

ジョイントアテンションってご存知ですか? 子どもが何かを指差して、その直後に近くにいる親とかに向かって「あれ見て!」と共有する行動です。これはコミュニケーションの根っこと言われています。奈那さんも電動走行機に乗り出して、ジョイントアテンションが出るようになったんですよ。
世界が動くことで、伝えたいものが出てくるんでしょうね。バギーのような乗り物だと、介助者の意思で動かされているので、何か注意を引くものがあってもその時に止まらないですよね。でも、電動車椅子だと自分の意思で動かしているので、ビューって行ってピタッと止まって、「あれ!」って指差すんです。


エレベーター内は狭いが、上手に操作して向きを変える

奈那さんは聴覚障がいがあって言葉は出ないんです。でも、止まりたいところで止まって視線を送ったり指差すことで、「お母さん、あの光景見て。私と共有して」という意思疎通が生まれるんです。これってスティック一本で、楽チンで移動できるからですよね。「ジョイントアテンションが出るって、すごい!」って電動に乗ってまず思いました。筋ジストロフィーは筋力が弱いので、車椅子を漕いで移動すると、「ああ!もう疲れた」っていう状態になってしまい、コミュニケーションを図る余力が残らないんですよね。
JWは並走していけるのも、とてもいいんです。バギーだとジョイントアテンションは出ないんですよ。JWは視線を交わすことができるから出るんですよね、「お母さん、見て!」って。

JWを使うようになって変わったことは、自己肯定感の高揚とそれに伴う自立でしょうか。奈那さん、自信に満ち溢れているんです、「私、自分でできるよ」って。バイバイという手を振る動作も、電動に乗るまではなかった。自力でトイレもするんですけど、バイバイって意思表示してドアを閉めたらするんですよ。
健常児って親が知らない間に自立していくけれど、障がい児っていつまでも依存しがちです。でも自分でできたとか、できる経験を重ねることで自立の心が培われていくと感じています。電動に乗るようになって自分でやることがいかに大切かを実感しました。

プロフィール
濱田 奈那(はまだ なな)さん
高知県立高知ろう学校小学部3年生(9歳)
福山型筋ジストロフィーと重度の聴覚障がいの重複障がい。自力で座位姿勢を保持できず、寝返り介助も必要。
学校では健康調べカードを集める係に抜擢され、時折ふざけながらも、毎朝任務を全うする。先生の背後からそっと近づいておしりを触り、驚く様子を得意そうに見上げるお茶目な一面も。とにかくやんちゃでいたずら好き。先生によると、奈那さんがいると周りが明るくなるんだとか。
ページ
先頭へ