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ヤマハ発動機株式会社 Revs Your Heart

クリーンウォーターシステム(CW)

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事業概要

取組みの背景や歴史

事業概要イメージ

小型浄水装置ヤマハクリーンウォーターシステムによる
村落の保健・衛生の改善

なぜヤマハ発動機が取り組むのか

ヤマハ発動機の企業目的は「感動創造企業:世界の人々に新たな感動と豊かな生活を提供する」です。バイクや船外機を作っている会社がなぜ浄水プロジェクトなのかと問われると、「単に水をきれいにする技術を持っていたから、だけではなく、私たちの主力商品を使われている途上国の市場において、日々の暮らしすらままならず、特に安全な水へのアクセスが難しい現状を目の当たりにしたから。きれいな水を届けることによって、暮らしの改善に貢献したい、と思ったから」です。

活動を継続するために公的資金活用

社会課題を解決しながら、ビジネスとして継続して販売していくために、図のように日本の政府開発援助Official Development Assistance(ODA)や国連機関などからの公的資金を活用しています。浄水装置の使用者となる、現地の村落、病院や学校などは、装置を購入するための資金がありません。また、彼ら自身が公的資金を直接活用する手段がないため、現地の政府やNGOなどが購入者として公的資金の実際の活用者となります。

公的資金活用の図

世界中にはきれいな水が飲めない人がまだまだ多い

2020年時点、世界では20億人が安全に管理された飲み水を使用できず、このうち1億2,200万人は湖や河川、用水路などの未処理の地表水を使用しています。
出典: UNICEF/WHO “Progress on household drinking water and sanitation and hygiene 2000–2020”

世界の人々の、飲み水へのアクセス状況(2020年時点)円グラフ
世界の人々の、飲み水へのアクセス状況(2020年時点)
基本的な飲み水を利用している人口の割合(%)(2020年時点)図
基本的な飲み水を利用している人口の割合(%)(2020年時点)

持続可能な開発目標(SDGs)達成に向けて

2015年9月に目標が設定される前から活動していますが、SDGs達成のための活動にもなっています。途上国での飲み水へのアクセス改善(目標6)により、健康を改善(目標3)できます。子どもや女性の水汲み作業の軽減により、学習機会の増大(目標4)、女性の社会活動機会の増大(目標5)につながります。水の販売や配達などのビジネスを創出する(目標8)ケースもあります。これまで煮沸した水を飲むのに使っていた薪の消費を減らすことにつながります(目標15)。

持続可能な開発目標(SDGs)
イラスト
イラスト

開発の歴史

1974年
PT. Yamaha Indonesia Motor Manufacturing(YIMM)設立
1980年代
インドネシア駐在員の「水道の水が茶色くて困る」との話がきっかけ。井戸・水道の水をきれいにする家庭用浄水器の開発
1991年
家庭用浄水器の販売開始
2000年
「水道のない地域の人のために何かできないか」との考えのもと、河川水等を利用した浄水装置の開発を開始。アジア6カ国・8カ所にパイロットプラントを設置し、実証実験実施
2010年
村落向け小型浄水装置をインドネシア限定で販売開始
2012年
グローバルに展開
家庭用浄水器写真
家庭用浄水器
村落向け小型浄水装置写真
村落向け小型浄水装置

設置実績

50基(2023年9月時点)
アジア・アフリカ合算

日本政府のODAや国連機関などの公的資金を活用して、この小型浄水装置の導入を進めており、下の図のように2023年9月時点でアフリカ、アジア合わせて50基を設置しています。ただし、過去にパイロットプラントとして実証実験用に設置した8基のうち3基は、廃棄処分済みなので、ここには、含みません。

設置状況(2021年4月末日現在)図

裨益効果

水資源に乏しい国においては、水汲みは大変な労働です。しかも、それは女性や子どもの仕事とされてきたため、彼らは多くの時間を奪われています。「ヤマハクリーンウォーターシステム」を導入した村落では、水汲みに費やしてきた時間を生産や学習の活動へ充てられるようになり、水配達や洗浄・製氷など、新たなビジネスのチャンスを生み出すきっかけにもなっています。きれいな水は、衛生概念の向上や疫病予防など直接的なベネフィットだけでなく、村落の活性化にも繋がっています。

学習時間の増加イメージ
学習時間の増加
水の宅配ビジネスイメージ
水の宅配ビジネス
女性の社会進出促進イメージ
女性の社会進出促進
水汲み労働からの解放イメージ
水汲み労働からの解放

2018年、セネガルで2011年に設置したサンルイ郊外の村を訪れ、紙芝居を用いて生活実態調査を行いました。調査の結果、集会に集まった35人の住民のうち、「YCW」の導入後に、「下痢が改善した」という人が100%、「腹痛が改善した」人が94%、また「皮膚病が改善した」人も23%いることがわかりました。さらに、「水がおいしい」「食器がきれいに見えてうれしい」「ダルさが消えて身体が軽くなった」といった感想も得ることができました。

紙芝居の様子1
YCW設置による病気改善聞き取り結果グラフ

啓発活動

「設置集落へ安全な水の重要性を紙芝居で啓発」

YCW設置後には、長い間、河川等から汲み上げた水をそのまま生活水としてきた集落の子どもたちに対して、安全な水の重要性をより深く理解してもらう啓発活動を行っています。具体的には、「電気を使わない」「言語に頼らない」など現地環境に即した啓発活動のパッケージとして、「紙芝居」を「寸劇」で補足するという手法を選択しています。2019年6月、セネガル共和国ダガナ近郊のデゲンベレ村、バハオ村、ウロケレ村の広場や学校で子どもたちに向け実施した、啓発活動「紙芝居による安全な水の利用啓発プロジェクト」は、環境省が主催する「第8回 グッドライフアワード」の「実行委員会特別賞 子どもと親子のエコ未来賞」を受賞しています。
環境省が主催する「グッドライフアワード」は、環境に優しい社会の実現を目指し、日本各地で実践されている「環境と社会によい暮らし」に関わる活動や取り組みを募集して、社会をよくするSDGsを体現する取り組み(ボランティア活動、サービス・技術など)を紹介・表彰し、活動や社会を活性化するための情報交換などを支援していくプロジェクトです。

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