当社のクリーンウォーター事業が「STI for SDGsアワード」で優秀賞を受賞
受賞の背景や取り組みの意義について担当者にインタビューしました。
2026年5月20日
クリーンウォーター事業に関する取り組みが、科学技術・イノベーションを通じた社会課題解決の優れた取り組みを表彰する2025年度「STI for SDGsアワード」において、優秀賞を受賞しました。受賞の背景や評価されたポイント、そしてクリーンウォーター事業の意義について、担当者へのインタビューを通じてご紹介します。
PROFILE 担当者プロフィール

海外市場開拓事業部 企画推進部
クリーンウオーターグループ 明樂 知浩
青年海外協力隊での活動を経て2023年にヤマハ発動機へ入社。クリーンウォーターシステムの商品企画・技術開発に携わるほか、西アフリカを中心に現地へ直接赴き、設置指導や運用支援にも従事している。現地での経験を設計にフィードバックしながら、持続可能な水供給の仕組みづくりに取り組んでいる。
プロジェクトの背景

このたび、当社のクリーンウォーター事業に関する取り組みが、2025年度「STI for SDGsアワード」において、優秀賞を受賞しました。
「STI for SDGsアワード」は、科学技術・イノベーション(Science, Technology and Innovation)を活用して社会課題の解決に取り組む優れた活動を表彰する制度で主催が国立研究開発法人科学技術振興機構、後援が文部科学省になります。
受賞に当たっては、自然界の浄化メカニズムを応用した緩速ろ過方式を用いた浄水装置「ヤマハクリーンウォーターシステム」の開発や普及に加え、現地での衛生啓発活動などを含めた一連の取り組みが、SDGsの目標に貢献していると評価されました。
評価の対象となったSDGsの目標です。
・SDGs目標:6「安全な水とトイレを世界中に」
・SDGs目標:3「すべての人に健康と福祉を」
・SDGs目標:4「質の高い教育をみんなに」
・SDGs目標:5「ジェンダー平等を実現しよう」
・SDGs目標:8「働きがいも経済成長も」
SDGs目標︓6「安全な水とトイレを世界中に」以外の項目にも評価が及んだことを、大変嬉しく思います。
導入の経緯と本プロジェクトの特徴
今回の受賞は、特定のプロジェクトではなく、これまでのクリーンウォーター事業全体の取り組みが、包括的に評価された点に特徴があります。
当社ではこれまで、浄水装置の設置や運用支援にとどまらず、現地の生活環境に即した衛生啓発活動を通じて「自分たちの水を自分たちで守る」という意識を持ってもらう取り組みを続けてきました。きれいな水を届けることはもちろんですが、それを現地の人たちが“自分ごと”として捉え、クリーンウォーターシステムを自分たちの手で使い続けてもらうことが重要だと考えるからです。
そのため、装置の設置だけでなく、以下のような取り組みを重視してきました。
・村人と協働した設置作業
・現地での運用、メンテナンス教育
・紙芝居や寸劇による衛生啓発活動
川の水を利用している人たちにとっては、水は無料が当たり前ですが、先進国では水は有料、買うのが当たり前です。きれいな水がもたらす衛生面や健康面でメリット、社会に及ぼす影響を丁寧に伝えることで、きれいな水の価値を広める努力を続けています。
こうした技術だけでは解決できない課題に対し、啓発活動と組み合わせて取り組んでいる点も、クリーンウォーター事業の大きな特徴です。現地のみなさんに「衛生的な水の大切さ」を実感して、納得してもらうことに心を砕いてきた当事業全体の活動が評価されたと受け止めています。

今後の展開

ヤマハ発動機は、「感動創造企業」という企業理念を掲げています。バイクやマリン製品がもたらす「感動」とは種類は異なるかもしれませんが、クリーンウォーター事業も水を通じた「感動」を提供しています。そういった意味でもヤマハ発動機らしい取り組みとして、社内での認知や理解は得られていると思います。
売上規模としては大きくない事業ですが、そういった社内の後押しが15年以上にわたって継続してこられた原動力だと感じます。
全世界に広がる海外拠点や販売ネットワークも当社の強みのひとつ。現地ではユーザーと強い信頼関係が築かれているケースも多く、ヤマハ発動機というブランドの力がクリーンウォーターシステムの普及に貢献しているとも感じます。
クリーンウォーターシステムは、太陽光で駆動できる自立型のシステムであり、現地のメンテナンスで維持できるシンプルな構造を特徴としています。世界には、まだ衛生的な水の入手が困難な地域がたくさんありますので、今後も積極的かつ継続的な支援を通じて、ヤマハ発動機への信頼と「STI for SDGsアワード」優秀賞の名に恥じない活動を続けていきます。
MESSAGE 担当者メッセージ

「水が変われば暮らしが変わる」この感動をもっと多くの方へ
私が初めて現地に赴いたのは、西アフリカのトーゴの村落で、数週間にわたって現地に滞在しながらクリーンウォーターシステムの設置や運用支援に携わりました。そこでは、まだ人々はバケツを頭に乗せて、1km近く離れた川から水を運んでおり、その水も濁っていて、必ずしも衛生的とは言えない状態でした。
そうした環境の中で、現地の方々と一緒に装置を設置し、使い方やメンテナンス方法を伝えていくのですが、とにかく村人がやたらと協力的だったことが印象に残っています。お昼など作業時間外でも集まって来ていろいろと話しかけてくれて、コミュニケーションも自然と深まり、終始自分たちの設備として主体的に設置に関わってくれました。完成したクリーンウォーターシステムから出るきれいな水を飲んだ時のみんなの笑顔はこれまでの苦労も吹き飛ぶほどでした。「水が変われば暮らしが変わる」の前半部分だけではありますが、それを現地の人と一緒に成し遂げたことは思い出深い体験。この感動をこれからも広めていきたいと思います。
関連リンク
水の改善が必要な地域に安心な水を届けるクリーンウォーターシステム - 受賞取り組み紹介|「STI for SDGs」アワード
https://www.jst.go.jp/ristex/sdgs-award/result/2025/result202506.html


