工期の遅れ、火事による川の汚染を乗り越え、モーリタニアで設置完了 社会貢献活動事例
西アフリカのモーリタニアにヤマハクリーンウォーターシステムを設置しました。
2013年8月 アフリカ
ヤマハ発動機株式会社は海外における社会貢献活動の一環で、途上国支援としてアフリカ、アジアなどの「安全な水」へのアクセスが難しい村落に向け、小型浄水装置「ヤマハクリーンウォーターシステム」の導入により、衛生的な飲用水・生活用水の供給を支援しています。
012年~2013年には、西アフリカのモーリタニアにヤマハクリーンウォーターシステムを設置しました。ODA(政府開発援助)「草の根・人間の安全保障無償資金協力」を通じて実現したものです。
モーリタニアの国土は日本の約2.7倍、国土の大半が砂漠地帯です。総人口およそ300万人(2012年当時)の1/3が首都ヌアクショットに住んでいます。浄水装置を設置したのは、ヌアクショットから南に約300km、セネガルとの国境近くにあるジャウリン国立公園近くの村です。住民はセネガル川の水を飲用するか、車で30分ほどのセネガルとの国境近くの街まで水を汲みに行くという厳しい環境でした。このエリアは無電化地区であるため、浄水装置とともに太陽光発電装置も設置しました。
設置完了まではアクシデントの連続でした。現地の村民、政府職員らの協力で浄水器を取り付ける基礎工事は順調に進んだものの、太陽光発電装置を積んだ船の寄港が大幅に遅れ、工事の中断を余儀なくされました。ようやく工事が再開できる状況になると、今度は違法漁業による失火で、セネガル川周辺において大規模な火災が発生。ジャウリン国立公園のセネガル川に群生する葦の湿地帯が広範囲に焼けてしまい、焼け野原となってしまったのです。幸いにも民家、浄水システムの取水配管やポンプは被災を免れましたが、火災の影響で川の水は炭色に変色してしまいました。少しずつでも川の水質がよくなることを祈りながら、残りの組み立てと通水作業を終え、浄水システムは完成をみましたが、川の水質が回復したのは、火災から数カ月後のことでした。
そして、着工からおよそ1年が経過した2013年8月。ヤマハクリーンウォーターシステムの引き渡し式典が盛大に行われました。式典には、在モーリタニア日本大使、モーリタニア環境省次官、地元市長など要人が出席。担当者が浄水装置の仕組みを詳しく説明しました。
式典の前から住民らはヤマハクリーンウォーターシステムから得られる浄水を使用していました。これまでは川の水を飲み、食事にも使っていたことを考えると、とても大きな変化です。子どもたちの輝く笑顔が印象的でした。
SDGs「目標6」では、2030年までに全ての人が安全な水にアクセスできることをゴールに掲げています。一人でも多くの人々に安全な水を通じて豊かな生活を提供するために、担当者たちは最前線に立ち続けます。
その他 事例
- 2023年10月6日ヤマハクリーンウォーターシステム導入によるインパクト加重会計で評価
- 安全な水へのアクセスは、SDGsにも掲げられた重要な課題の一つ(目標6)です。
- 2023年7月10日 インドネシア日本国政府との協業で、インドネシア・パプア州の2つの島へ寄贈
- ヤマハ発動機株式会社は、2023年7月に日本国政府との協業により、日・ASEAN統合基金(JAIF)※を用いて、インドネシア共和国パプア州にヤマハクリーンウォーターシステムを寄贈しました。
- 2023年4月1日SDGs(持続可能な開発目標)に関連した取り組み
- SDGsに関連した取り組みの一つが、安全な水へのアクセスが難しい新興国・途上国の村落に向けた小型浄水装置「ヤマハクリーンウォーターシステム」の導入です。