ヤマハクリーンウォーターシステム設置におけるインパクト評価 社会貢献活動事例
ヤマハ発動機株式会社は途上国支援として、安全な水へのアクセスが困難な新興国・途上国の村落へ小型浄水装置「ヤマハクリーンウォーターシステム」の導入を推進しています。
2022年5月1日
ヤマハ発動機株式会社は途上国支援として、安全な水へのアクセスが困難な新興国・途上国の村落へ小型浄水装置「ヤマハクリーンウォーターシステム」の導入を推進しています。浄水装置を設置したアフリカやアジアなどの村落においては、不衛生な水源を原因とする疾病の予防と重症化の軽減を実現し、子どもや女性を水汲み労働から解放することで、人々の豊かな生活に寄与しています。
この社会貢献活動を「インパクト加重会計」によって定量化をはかり、創出価値の大きさは可視化しました。インパクト加重会計とは、その活動が環境や社会にどのような影響をもたらしたのか、そのインパクトを貨幣価値に換算するもので、今回は浄水装置の設置で、「どれだけ水汲み時間が削減されたか」、「どれだけ下痢等が減少したか」という2点にフォーカスしたフレームワークとしています。
その結果は、2011年~2020年に設置した37基の総計で、設置初年度からのインパクト総計は1,540万2000ドル。受益者は11カ国合わせて3万9,056人に及び、水汲み労働に割かれる時間や下痢などで仕事ができない時間が削減されたことで、期待される1人あたりの年間収入は5~8%改善すると算出されました。
内訳は、インドネシア(初期設置2011年)は10基で528万8,000ドル・同8,339人・同5%、アンゴラ(同2016年)は1基で同33万4,000ドル・同1,290人・同7%、エチオピア(同2020年)は1基で同6万6,000ドル・同245人・同6%、カメルーン(同2017年)は1基で81万6,000ドル・同1,050人・同8%、コートジボワール(同2016年)は1基で139万1,000ドル・同1,200人・同6%、コンゴ(同2016年)は2基で49万7,000ドル・同2,100人・同6%、ザンビア(同2018年)は1基で同140万9,000ドル・同5,685人・同6%、セネガル(同2011年)は11基で299万3,000ドル・同1万462人・同6%、ペナン(同2017年)は3基で同53万1,000ドル・同1,285人・同6%、マダガスカル(同2019年)5基で同177万1,000ドル・同6,650人・同7%、モーリタニア(同2012年)は1基で30万5,000ドル・同750人・同7%となっています。
初期設置年 | 設置基数 | 延べ稼働年数 | 設置地域の延べ裨益人数 | 2022年年間インパクト(単位:千$) | 年間期待収入に対する改善率 | 設置初年度からのインパクト総計(千$)※3 | ||
---|---|---|---|---|---|---|---|---|
水汲み短縮時間※1 | 疾病負担軽減※2 | |||||||
インドネシア | 2011 | 10 | 90 | 8,339 | 726 | 97 | 5% | 5,288 |
アンゴラ | 2016 | 1 | 7 | 1,290 | 30 | 18 | 7% | 334 |
エチオピア | 2020 | 1 | 3 | 245 | 15 | 7 | 6% | 66 |
カメルーン | 2017 | 1 | 6 | 1,050 | 75 | 61 | 8% | 816 |
コートジポワール | 2016 | 1 | 7 | 1,200 | 139 | 50 | 6% | 1,391 |
コンゴ | 2016 | 2 | 13 | 2,100 | 49 | 26 | 6% | 497 |
ザンビア | 2018 | 1 | 5 | 5,685 | 191 | 84 | 6% | 1,409 |
セネガル | 2011 | 11 | 62 | 10,462 | 376 | 166 | 6% | 2,993 |
ペナン | 2017 | 3 | 20 | 1,285 | 58 | 28 | 6% | 531 |
マダガスカル | 2019 | 5 | 20 | 6,650 | 243 | 188 | 7% | 1,771 |
モーリタニア | 2012 | 1 | 11 | 750 | 17 | 11 | 7% | 305 |
合計 | - | 37 | - | 39,056 | 1,919 | 736 | - | 15,402 |
- ※
- 米国ハーバード・ビジネス・スクールから提唱されたインパクト加重会計(IWA=Impact Weighted Accounting)の手法に基づき、「該当地域の年度ごとの平均年収」をベースに「時間短縮による経済的機会の推定値」「損失年数(YLL)による疾病負担軽減の推定とそれに伴う YLL 評価額」から算出しました。
<元記事>
https://global.yamaha-motor.com/jp/profile/csr/impact-assessment/03/
その他 事例
- 2023年10月6日ヤマハクリーンウォーターシステム導入によるインパクト加重会計で評価
- 安全な水へのアクセスは、SDGsにも掲げられた重要な課題の一つ(目標6)です。
- 2023年7月10日 インドネシア日本国政府との協業で、インドネシア・パプア州の2つの島へ寄贈
- ヤマハ発動機株式会社は、2023年7月に日本国政府との協業により、日・ASEAN統合基金(JAIF)※を用いて、インドネシア共和国パプア州にヤマハクリーンウォーターシステムを寄贈しました。
- 2023年4月1日SDGs(持続可能な開発目標)に関連した取り組み
- SDGsに関連した取り組みの一つが、安全な水へのアクセスが難しい新興国・途上国の村落に向けた小型浄水装置「ヤマハクリーンウォーターシステム」の導入です。