低速を観光の強みに。回遊性向上で集客増を実現(岡山県高梁市)
グリーンスローモビリティ(電動カート公道仕様)岡山県高梁市の導入事例をご紹介します。
行政、運行者、 そして店主会や地域の人びと。
グリスロでつながる・ひろがる 「おもてなしのコミュニティ」。
岡山県 高梁市
POINT
歴史的な細街路でも安心の低速走行
低速・静音で歩行者と共存。景観を守りながら安心な移動を実現。スマホで車両状況をリアルタイム確認
車両位置や乗車人数を確認でき、待ち時間のストレスを軽減。景観と調和するベンガラ色デザイン
歴史的情緒を損なわないラッピングで、景観を守りながら車両を導入。
背景・課題
当初、高梁市では交通弱者の支援を目的とした導入を検討していましたが、グリーンスローモビリティ特有の「低速走行」が一般車両の通行を妨げるのではないかという懸念がありました。 一方で、歴史的な街並みが残る吹屋地区には景観保護のためのマイカー規制エリアがあり、訪れる観光客の移動手段の確保が急務となっていました。街の情緒ある雰囲気を壊すことなく、いかにして回遊性を向上させるかという、景観保護と利便性確保の両立が大きな課題でした。
解決策
市は、低速であることを「ゆっくり景色を楽しめる」という観光の利点として捉え直し、吹屋地区への導入を決定しました。環境省の補助金を活用して車両を購入し、地元の「株式会社 備中屋」に運行を委託。さらに、繁忙期の混雑による待ち時間のストレスを解消するため、スマートフォンでリアルタイムの乗車人数や車両位置を確認できるデジタルシステムを導入しました。これにより、アナログな街並みの魅力を活かしつつ、最新技術で利便性を補完する運行体制を構築しました。
効果
2023年度のシーズン中(4月~11月)には、約6,000人という予想を大幅に上回る利用実績を記録しました。多い日には1日100人以上が乗車する人気コンテンツとなり、マイカー規制エリアにおける不可欠な移動手段として定着しています。また、電気自動車である特性を活かし、年間約0.4tのCO2削減を実現するなど環境負荷の低減にも大きく貢献しました。現在は、この成功を背景にデジタルサイネージの活用や運行の有償化も視野に入れ、持続可能な観光交通モデルとしての進化を続けています。
その他
- グリスロに付けられた鈴が「カラン、コロン♪」と鳴ると、あちらこちらの軒先から染物屋のご主人や飲食店の従業員が顔を出します。グリスロで散策を楽しむ観光客を、地域の方々が笑顔で迎える——。そんな温かな「おもてなし」が実現されています。移住者やブドウ農園のご主人、元校長先生に市役所OBなど、グリスロを支える約10名のドライバーも個性豊かです。
- 赤褐色の瓦屋根に、格子や外壁までもが鮮やかな赤に彩られた家々。日本遺産の美しい町並みを、グリスロはゆっくりと、静かに走ります。景観に合わせ、車両に伝統的な「ベンガラ色」のラッピングデザインを施しました。あたたかく小さな乗り物として、町と人を繋ぎます。
利用者の声
お店の方が手を振ってくださり、街全体に歓迎されている温かさを感じました
静かにゆっくり進むので、鳥のさえずりまで聞こえてきて非常に心地よいです
徒歩では少し距離がある場所への移動に、最適な手段だと感じました
概要情報
| 導入地域 | 岡山県高梁市 吹屋地区 |
|---|---|
| 詳細課題 | 観光エリアの回遊手段の確保 |
| 上位の地域課題 | マイカー規制エリアの集客力・滞在時間向上 |
| ルート特徴 | マイカー規制エリア内の歴史的な町並みをゆっくり周遊 |
| 購入者 | 高梁市 |
| 運用主体 | 株式会社 備中屋(市より委託) 協力:株式会社 天満屋 |
| ドライバー | 地域に暮らす方々がドライバーを担う体制(移住者、ブドウ農園のご主人、元校長先生、市役所OBなど 約10名)。株式会社 備中屋が短期契約で雇用・管理。 |
| 財源調達(導入時) | 市の予算+「二酸化炭素排出抑制対策事業費等補助金」活用(環境省) |
| 財源調達(運用時) | 市の予算(実運用は備中屋へ委託) |
| 運行形態 | 土、日、祝(季節限定)/ 無料 ・定ルート |
| 導入・運用のハードル克服 |
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運行マップ
