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RCASS / 二重反転ローター式産業用無人ヘリ

RCASS / 二重反転ローター式産業用無人ヘリ

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1980年(昭和55年)頃、農林省の外郭団体である(社)農林水産航空協会では農薬散布方法の改善を目的として、RCASS(Remote Control Splay System)の委託研究を行っていました。研究者たちは、農薬散布に使う二重反転ローター式の無人ヘリコプターを開発していましたが、エンジンの製作が進まず、プロジェクトを促進するために、ヤマハ発動機へエンジンの提供を打診してきました。ヤマハ発動機にとっては、新事業につながる可能性もあったことから、機体全体の製作を受託、これが世界初の本格的な産業用無人ヘリコプターを開発することになったきっかけです。
1983年(昭和58年)、二重反転ローター式を踏襲し、その他のところは全点新設計として新たにプロジェクトをスタートさせました。
エンジンはスノーモービル用の水冷・2サイクル・単気筒・292cc・28psを搭載し、制御系はVG(Vertical Gyroscope)、DG(Directional Gyroscope)、高さセンサ(光または超音波)によって姿勢や高度を制御する方式で開発を進めました。 全体のまとまりとしては、テールローターが不要なので、前後がコンパクトにできたが、ピッチ(前後)、ロール(左右)、ヨー(方位)コントロールが一軸に集中するため、ローターヘッド回りの機構が複雑になるというデメリットが目立ちました。 RCASSの評価は、総重量が100kgを超え、構造が複雑で、操縦安定性も十分でなく、コストも相当高くなるというものであり、実用化には至らず、1987年11月に(社)農林水産航空協会により試作機が公表され、1988年3月、この委託研究は終了しました。

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