純正アクセサリーのシゴト
何を想って企画したか、どのように創ったのか、アクセサリー開発の裏側を覗き見
何を想って企画したか、どのように創ったのか、アクセサリー開発の裏側を覗き見
本記事はKEYLESSシステム開発チームの回顧および主観を含んでおり、機能・性能に関する表現の正確性を保証するものではありません。
また、製品の機能・性能は予告なく変更される場合があります。
KEYLESSシステム企画者

カスタマーエクスペリエンス事業部
企画戦略部 アクセサリー商品企画
かわらさん
おっさん社員
モータースポーツ十数年、アクセサリー商品企画十数年
本当はエアラインのパイロットになりたくて航空大学校を目指して勉強したのですが、苦手な数学を勉強すればするほど下がる視力・・・断念、と いうことでヤマハ入社。
全日本ロードレースや8耐のチーム立ち上げしたり、何とかスタンといった普通行かないような国でバイクの普及活動した後、アクセサリーの企画をやっています。
趣味は登山とバイクです。
残念ながら、4輪の当たり前装備は2輪でも当たり前・・・ではない。
一方、TRACERやTMAXなどの大型モデルのお客様の多くは4輪も所有している。
「なんで“軽4輪”でも装備されているものが〇〇〇には装備されてないの?」「2輪だから仕方ない?」
・・・という風に思う人も多いハズ、と201*年頃にある車両開発プロジェクト(TMAX)の中で考えてみた。
イチバン最初にヒットしたのは当時車両側でも装備が進みだしたスマートキー。「アクセサリーのケースをスマートキーで施錠、開錠出来ないか???」
余談だが、純正ケースのセールスポイントとして車両のキーで施錠・開錠出来る“ワンキーシステムは、先輩方が導入済。キーレスはその次に来るハズと確信。
早速車両開発の電装担当者に相談してみる・・・。現在の仕様で出来る事、出来ない事を知るが、当プロジェクト内では出来ない事も判明。(そらそうや、思い付きやし…)
その後、次期TMAXの企画が動き出し、今度は前回の学習結果を活かして実現をと奮闘したが、本モデルでも敗退。
そうこうしているうちにCP3モデルの新型車の開発プロジェクトが始動。車両側のスマートキー=キーレス機構でラゲッジのロック操作できる可能性が出てきた為、この機会を逃さずキーレスケース開発プロジェクトを立ち上げ。ヤマハ純正品としてスケール感を出すため、トップケース+サイドケース双方でのキーレス化。適応車両も大型モデルを中心に複数 ※モデルで適応できるよう、企画骨子をまとめていく。
サイドケースはTRACER9専用品となる見通しで、本体開発とアクセサリー開発でガッツリ組んで、プロジェクト進捗。どうやって電気的にロックをコントロールするか・・・、は別途開発担当者の記事を見ていただくとして、トップケースはスクーター、モーターサイクルと幅広く使ってもらえるようにしたく、まったく別系統の機構で進める事になった。
トップケース内に電気的なロックを入れて車両側から給電する方法を考えたくなったが、雨天走行時の雨水や泥水を考えると接点の腐食が懸念。かといって防水カプラーにすると簡単脱着が出来ない。議論の結果、電気ロックはキャリア側に置くことにした。
そこからはなかなか外部からケース内のロックメカを動かすアイデアが出てこず、何度も開発担当者と合宿を繰りかえす・・・・。
あるとき自宅のキッチン家電(コーヒーを淹れる…アレ)を洗っているときに💡!すぐに開発担当に「コレどないや? 使えないか?」と提案。
結果的にその💡をベースにしたアイデアで製品化となった。
最初の「キーレス出来ないの?」との考え出しから2025年の販売開始まで、今から思えばあっという間の出来事でした。 最初に検討したプロジェクトがうまく行かなかった際にあきらめなくて良かった~
※TRACER9,MT-09,TMAX560,XMAX250/300 今後も増えていく予定
TRACER9(2025~),MT-09(2025~) :スマートキー接近時に操作可能
TMAX560(2025),XMAX300/250(2025) :メインスイッチONの時に操作可能
この記事のまとめ
- ヤマハアクセサリー開発者が、バイク用「KEYLESSシステム」開発の経緯や裏話を紹介。
- 4輪では一般的なスマートキー機能を、バイク用アクセサリーのケースにも導入したいという発想から企画が始まった。
- 初期のTMAX開発プロジェクトでは実現できなかったが、その後の車両開発と連携し企画が進展。
- TRACER9などの大型モデルを中心に、トップケースとサイドケースのキーレス化を目指して開発が進められた。
- 防水性や着脱性の問題から、電動ロック機構はケース側ではなくキャリア側に配置する設計を採用。
- キッチン家電から着想を得たアイデアをヒントに、ケース外部からロック機構を操作する仕組みを実現。
- KEYLESSアクセサリーはTRACER9、MT-09、TMAX560、XMAX、Tricity300など複数モデルに対応予定。
- 車両キーとケースキーを統一する「ワンキーシステム」の次の進化として、キーレス化を実現したアクセサリーとなっている。
