特長紹介:YZF-R1M/YZF-R1
人機官能
人機官能
スポーツライディングの真髄とは何か。
それは、究極のマン-マシンインターフェイスを構築することだ。
メカニズムは、どこまで人の意志に忠実になれるのか。
スーパースポーツの開発は、そのチャレンジの最前線にある。ヤマハYZF-R1が追い求めたのは、運動性能の高さだけではない。
このマシンを走らせながらライダーが感じるのは、メカニズムと密接に意思疎通できるという、喜びと楽しさ。
ライディングの愉悦を、よりダイナミックに、より上質に進化させた。右手のアクセルワークに対して、ダイレクトに呼応するエンジン。ボディムーブメントに対して、確実にリアクションするシャシー。ナチュラルなフィーリングでライダーをサポートする電子制御。
すべてのテクノロジーは、優れたコントロール性のために。
信頼できるマシンとともに、ライダーの意志が爽快に走る。
「響く。」
R-Power
01真のコントローラブル。水冷・DOHC・4バルブ・直列4気筒・997cm³・クロスプレーンエンジン
高性能エンジンであることは、もはや必然だ。その性能を、いかにして扱いやすく仕立て上げるか ─。圧倒的なるパフォーマンスを維持したまま最新の環境規制※に適合し、さらなる高みに到達したYZF-R1のエンジン。開発の粋を集めた、動弁系、燃焼系、制御系により、「コントローラブル」という言葉の定義を変えた。アクセルを回し、戻す時に、まったく過不足なく、ライダーが期待している通りのリアクションをする。それが YZF-R1のエンジンである。当然のことのようだが、その実現は極めて困難だ。10% 開けた時に10%の、50%開けた時に50%の、そして100%開けた時に100%のパワーを得たとライダーが感じ取れること。アクセルを戻した時に、望むだけのエンジンブレーキが得られること。これは単にメカニズムの正確さによって実現できるものではない。ライダーの感性に寄り添ったフィーリングの作り込みが求められる。数値化できない感覚的な部分にこだわり抜く。これはヤマハが伝統的に貫いてきた、ライダー重視の姿勢そのものである。YZF-R1のエンジンは、その集大成と言える。安心して、アクセルを操作できる。その先に待っているのは、爽快で心地よいマシンコントロールの極致である。
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- 平成32年排出ガス規制に適合
- 燃焼効率を追求しドライバビリティを高めるシリンダーヘッド&10孔斜流インジェクター
02燃焼効率を追求しドライバビリティを高めるシリンダーヘッド&10孔斜流インジェクター
ドライバビリティを向上させつつ最新の環境規制※に適合したシリンダーヘッドを使用。スロットルバルブと燃焼室を接近させてショートな吸気ポートとし、スロットルバルブ下流の吸気容積を減少することにより高い吸気効率をもたらす。インジェクターとスロットルモーターの位置に合わせ、10 孔斜流インジェクターにより噴射方向を変更。最適な燃料噴射位置としている。燃料噴射は吸気バルブ傘裏方向に集中。ポート壁面への燃料粒子の付着量を低減し、より良好な燃焼に貢献している。またツインインジェクターにより、高回転域ではファンネル上層のセカンダリーインジェクターからも噴射。必要な燃料の供給を行うとともに、吸気温度の上昇を抑え充填効率を高めている。
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- 平成32年排出ガス規制に適合
03最適な形状のフィンガーロッカーアームとカムプロフィールにより高回転域での信頼性を確保
カムプロフィールとフィンガーロッカーアームのプロフィールの合計によってバルブの最大リフト量が決まり、リフト量を確保しやすいフィンガーロッカーアーム式バルブシステム。各プロフィールの最適化により、超高回転におけるバルブ開閉時の衝撃緩和が可能で、ハイパフォーマンスエンジンの礎となっている。さらに、フィンガーロッカーアームの形状を最適化することで、高回転域でのバルブ開閉時の挙動をより安定。また、IN、EXともにカムプロフィールを調整し、実績のあるバルブリフト量とオーバーラップを継承。高回転域でのバルブ追従性を高めている。
- 大端部のオイル孔を小径化して給油量の最適化を実現。
04パワーロスを徹底的に低減しながら潤滑性にも配慮したオイルポンプ
ロス馬力の低減を徹底すべく、オイルポンプのローター幅は20mmとしている。さらにオイルポンプの吐出量に合わせて、各部の油圧とオイル供給を最適化している。クランクシャフトのオイル孔は大端部を小径とし、幅広いプレーンベアリングを使用。プレーンベアリングのオイル孔は1孔で、ピストンクーラーの吐出孔およびクランクケース油路寸法も最適化している。これらの相乗効果が、ロス馬力を抑えながら優れた潤滑性をもたらす。
05より自然なスロットル操作感をもたらすAPSG採用のYCC-T(ヤマハ電子制御スロットル)
スロットルバルブの駆動には、YCC-T(ヤマハ電子制御スロットル=Yamaha Chip Controlled Throttle)を採用している。スロットルケーブルやプーリーを廃止し、APSG(Accelerator Position Sensor Grip)がセンサーとマグネットによりアクセル開度を検出。そのデータをダイレクトにスロットルバルブ駆動モーターに反映させるシステムとしている。APSGはスプリング、スライダー、ギアによって操作感を作り込み、軽量化と同時に優れたアクセル操作感を実現。アクセル開度が増すに従って可変的に摩擦感(抵抗感)が高まることにより、ライダーは自然なフィーリングでのスロットル操作が可能となっている。
06BCおよびEBMでブレーキ特性をより扱いやすく制御
スポーツライディングの醍醐味であり、難しさでもある、ブレーキング。ライダーの好みや技量に応じてよりきめ細やかにブレーキ特性を設定できるよう、2系統の制御システムを搭載している。BC(ブレーキコントロール)は、ブレーキ圧力を制御することで最適なブレーキングを実現。EBM(エンジンブレーキマネージメント)は走りに大きく影響するエンジンブレーキを的確に制御する。BCとEBMは相互に連動し、自然なフィーリングでブレーキングをサポートする。
「伝う。」
R-Chassis
07クイックかつ安定したハンドリングをもたらすアルミ製デルタボックスフレーム&リアアーム
ハードブレーキングによる強力なストッピングパワーを、難なく受け止める。倒し込みのフィーリングはあくまでもニュートラル。狙ったバンク角に、狙ったバンキングスピードで持ち込める。コーナリング中は高い自由度でラインを変更でき、立ち上がりでは不安なくフルパワーを堪能できる。高剛性でありながら、縦・横・ねじりの最適バランスに配慮したアルミ製デルタボックスフレームとリアアームの組み合わせが、俊敏でありながら安定感・安心感のあるハンドリングをもたらす。
- 倒立式フロントサスペンション[YZF-R1]
08最適セッティングの倒立式フロントサスペンションYZF-R1Mはガスシリンダーを搭載
高剛性な倒立式フロントサスペンションは、120mmのストローク量を確保。最適な減衰力およびばね特性を設定しており、路面をつかむ感触がダイレクトに伝わる豊かな接地感と、ハンドリングのニュートラルさ・軽快感に寄与している。また、YZF-R1Mは前後サスペンションを統合制御するオーリンズ製電子制御サスペンション・ERS(エレクトロニックレーシングサスペンション)を搭載。フロントアクスルブラケット部にガスシリンダーを装備し、0.6MPa加圧することでキャビテーションの発生を抑制。高負荷時でも安定した減衰力を発揮する。
- フロントブレーキ[YZF-R1]
09コントロール性に優れたフロントブレーキパッドブリヂストン製タイヤを装着
ライダーのレバー操作にリニアに反応するブレーキングを実現するために、コントロール性に優れた摩擦材のフロントブレーキパッドを装備している。また、YZF-R1のハンドリング特性に最適化したブリヂストン製タイヤを装着。高いトレッド剛性を発揮するパターンと、コンパウンドの調整により、YZF-R1の優れた操縦性をひときわ高めている。
- リンク式モノクロスリアサスペンション[(左)YZF-R1(右)YZF-R1M]
10豊かな接地感を発揮するリンク式モノクロスリアサスペンション
リンク式モノクロスリアサスペンションにも最適な減衰セッティングを施し、ブレーキング、コーナリング、加速と、さまざまな場面でリアタイヤが路面をつかむ接地感がより分かりやすいよう配慮。定評ある「R1ハンドリング」を維持しながら高い接地感を発揮。YZF-R1Mはオーリンズ製電子制御サスペンション・ERS(エレクトロニックレーシングサスペンション)を搭載している。
「纏う。」
R-Design
11人とマシンを美しく一体化し風をも味方につける流麗なデザイン
YZF-R1を構成するすべての要素には、意味と機能がある。デザインも同様だ。高出力エンジンを搭載するYZF-R1であればこそ、そのデザインはライダーとマシンの一体感を高め、自在なマシンコントロールを実現するために存在する。ライダーと接する部分はエルゴノミクスを考慮しながら入念に作り込み。前後左右にスムーズに体を動かせるシームレスな造形としている。さらにカウルは空気抵抗特性に配慮。アンダーカウルの形状と相まって、フロントからリアにかけてスムーズに走行風をいなしながら、水平基調によるスピード感も強調する。無駄なく引き締まったアスリートの筋肉を思わせる各部のデザインディテールが機能美を醸し出し、ヤマハデザインの頂点をアピールしている。
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- 画像はイメージです。
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- 写真はプロフェッショナルライダーによる海外のクローズドコースでの走行を撮影したものです。仕様が国内とは一部異なります。また、一部の部品を取り外しています。ウェア類は国内では販売しておりません。
12最高峰であることが命題のYZF-R1そのデザインはMotoGPマシン直系
ロードレースの最高峰、MotoGP。パフォーマンスとスピードを極めたヤマハMotoGPマシン・YZR-M1は、ダイナミックでありながら凜とした麗しい空気感を放つ。YZF-R1にもそのデザインスピリッツは余すことなく受け継がれている。M字センターエアダクトやインテグレートされたカウリングは、エンジンパワーや空力特性に直結した機能性をベースとしながら、レーシングマシンならではのソリッドな魅力を感じさせる。YZF-R1のボディカラーには、ヤマハレーシングのイメージを強調する、色域の異なるブルーのコンビネーションを採用。レースシーンを彷彿させパフォーマンスをダイレクトに感じさせるブルーと、メタリックとマットのコンビネーションで造形美を際立たせるデザインとなっており、ダークトーンでまとめスポーティでありながらカジュアルさも兼ね備えたブラックの2色を設定。YZF-R1Mはカウルのカーボンとタンクのアルミ素材を活かしたカラーリング。リアアームもアルミ・バフ仕上げとすることで、高い質感を表現している。
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- 写真は海外で撮影されたもので、仕様が国内とは一部異なります。また、一部の部品を取り外しています。
13照射特性を最適化した軽量コンパクトなLEDデュアルヘッドランプとポジションランプ※
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- ヘッドランプは撮影用に点灯したもので、実際の走行状態を示すものではありません。ロービーム時は左側が点灯、ハイビーム時は両側が点灯します。
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- 写真は海外仕様で一部国内仕様とは異なります。
14視認性に配慮した多機能なフルカラー4.2インチTFT液晶メーター※
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- メーターパネルは撮影用に点灯したもので、実際の走行状態を示すものではありません。
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- 写真は海外仕様で一部国内仕様とは異なります。
15優れた操縦安定性をもたらすマグネシウム製鋳造ホイール
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- 写真は海外仕様で一部国内仕様とは異なります。
16空力特性を高めつつリアビューに迫力を持たせるテールカウル&テールデザイン※
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- テールランプは撮影用に点灯したもので、実際の走行状態を示すものではありません。
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- 写真は海外仕様で一部国内仕様とは異なります。
YZF-R1M 専用装備
17軽量かつ高品質感を醸し出すドライカーボン製アッパーカウル/テールカウル
18所有感を満たすプレミアムなシリアルナンバー入りエンブレム
19走行状況に応じて伸側・圧側減衰力を統合制御するオーリンズ製電子制御サスペンションを前後に搭載。フロントサスペンションにはガスシリンダーを装備
BC[ブレーキコントロール]
前輪速度、後輪速度、6軸IMUの各情報をHU(ハイドロユニット。ABSユニットを含む)に集約して逐次演算し、前後輪のブレーキ圧力に反映させる。介入度は2パターンからセレクト可能。直進走行状態での緊急制動に対応する通常ABS※モードの「BC1」、さらにコーナリング中のやむを得ない緊急制動時など車両挙動が乱れやすい場面においてもブレーキ圧を制御する「BC2」を用意している。
EBM[エンジンブレーキマネージメント]
ギアポジション、エンジン回転数、アクセルポジション、スロットルポジションの情報に基づき、ECU(エレクトリックコントロールユニット)が①スロットル開度、②点火時期、③燃料供給量を制御。扱いやすいエンジンブレーキ特性を実現する。EBMは3段階から介入度合いをセレクト可能。好みや走行状況に応じた最適なエンジンブレーキを選択できる。
メーターパネルにBC/EBMを表示
全透過型TFT液晶4.2インチメーターパネルに、BCとEBMのパラメーターを表示する。
全てのシーンで意のままの走りをサポート
発進から加速、減速、旋回、そしてコーナーからの立ち上がり加速まで、あらゆる走行シーンにおいてLCS(ローンチコントロールシステム)、TCS(トラクションコントロールシステム)、SCS(スライドコントロールシステム)、LIF(リフトコントロールシステム)、QSS(クイックシフトシステム)、BC(ブレーキコントロール)、EBM(エンジンブレーキマネージメント)の各制御が連動して意のままのライディングをサポートする。