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ヤマハ発動機株式会社 Revs Your Heart

グリーンスローモビリティ(電動カート公道仕様)

300km/hの隣で、移動を見つめ直す(Formula E 世界選手権・東京大会)

全国で活躍するグリーンスローモビリティ(電動カート公道仕様)の様子をお届けします。

描いた明日が、目的地。

300km/hの隣で、移動を見つめ直す

Formula E 世界選手権・東京大会

雨粒の舞う夜の会場を走るVIPシャトルのグリスロ、天竜杉を使ったコンセプト車両、コースを走るヤマハのフォーミュラEマシンを組み合わせたメインビジュアル

速さを競う場所で、「移動」をあらためて考える。

世界最高峰の電動レース、フォーミュラE世界選手権。300km/hのマシンが駆け抜ける東京大会の会場に、ヤマハ発動機のグリーンスローモビリティ(グリスロ)が登場しました。最高速度は19km/h。速さとは対極にあるモビリティが、なぜ「世界最高峰のEVレース会場」にいたのか。会場での様子と、そこで交わされた言葉をお届けします。

POINT

なぜ、「速さの祭典」にグリスロなのか

ヤマハ発動機は「移動を、体験に変える」をテーマに、グリスロを起点とした新しい移動体験づくりを各地で進めてきました。観光地の周遊、地域の交流、まちの賑わい――移動そのものを、つながりや体験へとひろげていく取り組みです。

今回の舞台となったフォーミュラE世界選手権・東京大会は、東京都が開催協定を結び、EV・次世代モビリティ普及の実証・発信の場として位置づけています。速さを競うレースの場に、あえてゆっくりのグリスロを走らせる。一見、対極にある二つを掛け合わせることで見えてくる価値があると考えました。

のぼり旗が並ぶ乗降場所に待機するグリスロと、奥の通路を走行する車両

フォーミュラE世界選手権・東京大会の会場を走行するグリスロ

速さの世界のなかを、ゆっくりと走る

大会当日。ナイトレースの熱気に包まれた会場で、グリスロはVIPを送迎するシャトルとして走りました。窓のない開放的な車体は、夜の風と会場のにぎわいをそのまま乗る人へ届けます。

そこにさらに、演出が加わります。乗降場所にはナイトレースならではの照明でVIPルームに向かう人々を照らすラグジュアリーな装飾を、走行中にはドラムビートとサプライズで吹き出すシャボン玉で気分を高揚させる演出を。復路では広島県福山市鞆の浦エリアで走行しているグリスロの様子を印象的に綴ったヤマハ発動機のブランドムービー「Field Born」を上映。移動している時間そのものを、少し特別なものに変える――そんな体験づくりを試みました。

一方で、レースチケットを持っていなくても誰でも入場可能なファンビレッジには、グリスロをベースとした世界に1台だけのコンセプトモデルを展示。明るい緑色と天竜杉を使用した親し気なムードの車両には、ファミリー層を中心に多くの関心が集まっていました。

大型モニターとグリーンの車両を展示したブースで、スタッフが来場者に説明する様子

来場者にグリスロの世界観を伝えるブース展示

並木道を走る白いグリスロを後方から見た様子。前方にもう1台が走る

会場内を走行するグリスロ

VIP SHUTTLEと記されたバナーと、Slow EMOTION CLUB 300/19 TOKYOののぼり旗が並ぶ乗降場所

のぼり旗とバナーで装飾した乗降場所

300km/hの隣で見えた、もうひとつのモビリティの価値

この日、ヤマハ発動機の設楽社長もグリスロに乗車しました。グリスロを体験した設楽社長からは、

「オープンエアで開放的。スロー走行でコミュニケーションが取りやすいので身近に感じるね。親近感がある。」

ヤマハ発動機株式会社 代表取締役社長 設楽 元文

との言葉がありました。人や地域をより身近に感じられるグリスロの魅力を、あらためて実感する機会となりました。

紫色のグリスロの座席から降りようとするスーツ姿の男性と、運転席に座るスタッフ

体験を終えた設楽社長

モビリティを届けて終わり、ではなく

ファンビレッジに設けられた、ヤマハ発動機の企業ブース。グリスロをベースとしたコンセプト車両の前には、わたしたちが目指す姿を一枚にまとめたボードが掲げられています。掲げられた言葉は、「人と人をつなげ、地域の課題解決・価値創造の好循環を生むモビリティサービス」。木下取締役からは、モビリティと体験を一体で考えることの重要性について、

「移動手段としてだけでなく、その先にある顧客体験価値をしっかり出して提供していく必要がありますね。」

ヤマハ発動機株式会社 取締役 木下 拓也

とのコメントがあり、新たな価値創出の可能性について議論が交わされました。

グリスロを中心に、ラストマイル・アクティビティ・地域とのつながり・個人のつながりの4方向へ活用シーンが広がることを示した図解パネル

ブース展示パネル(A1)|「人と人をつなげ、地域の課題解決・価値創造の好循環を生むモビリティサービス」

グリスロを起点に、移動を「つながり」と「体験」へひろげる

ボードの中心にあるのはグリスロ。そこから四つの方向へ、地域の暮らしと体験がひろがっていきます。

グリスロの4つの活用シーン。ラストマイル:通院やお買い物、通勤まで。毎日の移動をやさしく支える/アクティビティ:観光スポットの移動やエンタメ提供など、観光コンテンツをつなぐ/地域とのつながり:イベントや交流など、地域の身近な体験の場に/個人のつながり:観光・イベント・学び・交流を、人と人が出会う機会に

グリスロをお届けしたその先を変えていきたい。地域ごとに異なる課題や魅力に合わせて、移動している時間そのものの体験を設計していく。ボードが示すのは、そこから生まれる循環です。

つなぐ(移動・交流)から、めぐる(体験・滞在・交流)、うまれる(価値・にぎわい・関係)へと進む3ステップの循環図

人と人をつなぎ、地域の課題を解決し、新しい価値や体験を創る。そしてその先にあるのは、持続可能で魅力あふれるまちの未来です。

「移動を、体験に変えていく。これは、ヤマハ発動機だからこそできることだと思っています」

ブースのボードを指し示しながら、来場者に説明するヤマハ発動機の担当者

ブースのボードを前に語る木下取締役

「単なる移動ではなかった」91%

グリスロによるVIP送迎シャトルは、大会のホスピタリティプログラム「EMOTION CLUB」のサービスの一つとして提供されました。主催者が行ったアンケートでは、「単なる移動手段ではなく、EMOTION CLUBへの道のりそのものを豊かにしたか」という問いに、91%の方が「そう思う」と回答。「他のイベントや観光地でも、同じようなサービスを使ってみたいか」には、86%の方が「使ってみたい」と答えています。

アンケート結果のドーナツチャート2点。91% 単なる移動ではなかった(道のりそのものを豊かにしたか)、86% また使ってみたい(他のイベントや観光地でも使いたいか)

図:EMOTION CLUB来場者アンケート(主催者実施・有効回答85件)

*設問「電動シャトルは単なる移動手段以上のものとして、EMOTION CLUBへの道のりを豊かにしたか」「他のイベントや観光地でも同様のサービスを利用したいか」への回答結果。それぞれ肯定的な回答の割合を示す。

走行中の演出はヤマハ発動機のモビリテスチームによりプロデュースされました。最も印象に残った演出を尋ねた設問では、「車内で流れていた音楽」が31%、「シャボン玉の演出」が29%と上位に並びました。以下、「照明の演出」15%、「車内の映像」11%、「乗降場所の装飾」11%と続きます。

最も印象に残った要素の横棒グラフ。車内の音楽31%、シャボン玉の演出29%、照明の演出15%、車内の映像11%、乗降場所の装飾11%

図:最も印象に残った要素(同アンケート・有効回答85件)

上位を占めたのは、いずれも走っている最中に感じられるものでした。乗ってから降りるまでの数分間を、少し特別な時間にする。グリスロで過ごしたほんの数分間の体験は、単なる移動ではなく特別な体験として来場者の記憶に印象付けられていました。

「観光で乗ってみたい」98%

一方、ファンビレッジでは3日間で延べ350名以上の方にVRでグリスロの走行風景を体感いただきました。

アンケート結果のドーナツチャート3点。98% 乗ってみたい(観光地で乗ってみたいと思うか)、95% 魅力向上につながる(デザインは観光体験を魅力的にするか)、89% シェアしたくなる(写真を撮ったりシェアしたくなるか)

図:ブース来場者アンケート(有効回答182件)

*設問「観光で乗ってみたいと思うか」「コンセプトカーのデザインは観光体験を魅力的にするか」「写真を撮ったりシェアしたくなるか」への回答結果。それぞれ肯定的な回答の割合を示す。

最も多くの方が魅力として挙げたのは「オープンエアで観光地を五感で感じられること」。次いで「移動そのものがアトラクションになる非日常体験」でした。グリスロでの移動を目的地までの「手段」ではなく、移動自体を『楽しめる』ものとして受け止めていただけたことが、数字にも表れています。

観光地の回遊を促し、地域の魅力を見つけてもらう「観光モビリティ」としての可能性が、来場者の反応から見えてきました。

緑色のグリスロの座席でVRゴーグルを装着し、走行風景を体験する2名の来場者

3日間で延べ350名以上がVRでグリスロの走行を体感

速さの先にある、移動の豊かさ

速さを競うフォーミュラEの舞台で、グリスロが映し出したのは「移動の豊かさ」でした。ヤマハ発動機が描く世界観と、来場者が実感した反応。その二つが重なったとき、「移動を、体験に変える」という言葉は、確かな手応えを持ちはじめます。

フォーミュラE世界選手権・東京大会が掲げるコンセプトのひとつに、持続可能な未来に向けた環境対応があります。ヤマハ発動機はその想いに共感しながら、環境負荷を抑えるだけでなく、移動そのものを楽しく豊かな体験へと変えていくことで、新しいモビリティの価値を提案していきます。

19km/hの世界だからこそ見えてくる風景、人との出会い、地域とのつながり。わたしたちはこれからも地域とともに、移動のその先にある体験づくりに挑戦していきます。

取材:2026年7月時点

Green Slow Mobility travelogue

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