担当者インタビュー Vol.01
導入の背景と当時の白石さんの想いを聞いてみました。
白石さん
YPEC導入当初の責任者 YPEC導入当初の責任者白石さん
サービスとして入社。国内・海外サービスを担当、サービマニュアルなどの資料関係で20年携わった後、部品番号設定・パーツカタログなどで20年。海外拠点の教育もこなす自他ともに認める部品・サービス情報のスペシャリスト。
部品番号検索システム(YPEC)開発のきっかけってどのようなものだったのでしょう?
時代がデジタル化になる寸前ぐらいだったので、昔はPDFっていうデータを送ってただけなんですけども、自分たちの業務ももっとデジタルを推進しないといけないよねっていうのがあって、私が担当になったと同時にオンラインでの部品検索ができるようにしたいって提案してやらせてもらったんです。
最初はどのようなシステムだったのですか?
販売店さん向けに、注文を楽にするシステムでした。昔はお店のカウンターとかでパーツカタログを開いて転記して注文してたんですけども、それじゃ転記ミスもありますし作業も大変なので、ボタンをポチッ、で注文できるような形に持っていきたいなっていうのもあって。紙のパーツカタログを何千万冊も世界で出すと製本費用も送料も掛かるので、それをデータでってなるとすごい効果があるんです。

販売者さん向けのビジネス上のメリットは分かりやすいのですが、それを一般のお客様に広げようとしたきっかけって何になるんですかね?

お客様へはどういう価値があるの? って。お金になるの?っていう話じゃなくて、やっぱりCS(カスタマーサティスファクション)に重きを向けた考えですよね。
お客様に満足してもらうためにはやっぱりお客様が求めてることをきちっと提供しないといけないっていう、そういう社内の雰囲気があったってことかもしれないですね。だからその時はもう強引に推し進めました。
当時、お客様相談室への部品番号に関する問い合わせが非常に多かったってこともあって、「これ見たら全部わかるじゃん」っていう風にしたかったんですよね。実際、YPECを市場に導入した結果、問い合わせ件数はほぼゼロになりました。
社内で反対とかはなかったんですか?
やっぱりお金がかかるんですよ。だけど目に見える効果はないので、目に見えない効果をきちっとアピールしないといけないなって。
CSの意識は最初にあるんですけど、これをやることによってお客様のからの評判が非常に良くなる、「ヤマハもすごい良いことやってるよね」って。それがやっぱり最終的には「次買うときも絶対ヤマハ買いたいね」という意思決めの1つのツールとして貢献できるはずですよ、っていうことを強く前面に押して上の方の説得に回ったっていう経緯はありますね。
お客様が部品番号を見えるってことは、お客様が自分で交換するってことにつながる話で、それに対しての社内からの意見とかは無かったですか?
私個人としては、お客様が自分で分解・部品交換するっていうのは、あまりしてもらいたく無いのが本音です。やはり本体の品質が担保されるかどうかっていう話があって、もちろん自分で整備や修理をする方はいっぱいいらっしゃるんで、それを否定するっていう話じゃないのですが。
そういう話ではなくて、お客様が転んだ、部品交換しないといけないよって時にいくらするんだろう?って情報を提供したかったんです。
いくらぐらいかかるか心配な時に、YPECを見たらすぐに「何千円です。在庫あります。」って出るじゃないですか。「それじゃあ販売店に行って交換すればすぐに直るな」とかって、そういう判断材料になって、お客様に便利に使ってもらいたいという思いでした。
公開時の実際のお客様の反応はどうだったんですか?
導入した当時は、「ヤマハ最高」とか「ヤマハってここまでやるんだ」とか、「神アプリだ」とか、良いことしか言われてなかったのでとても嬉しかったですね。まだ他のメーカーさんが全然取り組んでいなかったものですから、「ヤマハがナンバーワン」っていう風に評価されてたと思いますね。
お客様の反応が良かったことで社内も変わりました?
だいたい私がいたサービス部門とか部品部門とかって、お叱りの言葉をベースにその内容を調べて改善していくっていう仕事の進め方だったんです。けれど、YPECをリリースするとお褒めの言葉ばかりで。
関係者はやっぱりモチベーションが上がりますし、やって良かったよねって。次ももっともっと良いものを作りましょうっていうふうなことになって、関係者全員に仕事のやりがいが出てきましたね。そうやって社員一人一人がお客様に向けての軌跡を残せれば、それが会社全体の力を上げるということですし、お客様の満足感も上げてくことになっていくのだと実感しました。
この記事のまとめ
- ヤマハの部品番号検索システム YPEC は、紙カタログからデジタル化を進める流れの中で開発された。
- 当初は販売店向けに、パーツ注文の効率化や転記ミス削減を目的としたオンラインシステムとして導入された。
- 紙カタログの製本・配送コスト削減という、ビジネス面での大きなメリットもあった。
- 一般ユーザーへの公開は、収益ではなくCS(顧客満足度)向上を目的として推進された。
- 導入により部品番号の問い合わせがほぼゼロとなり、ユーザーの自己解決を促進するツールとなった。
- 部品価格や在庫情報を確認できることで、修理判断や販売店利用の意思決定をサポートする役割を持つ。
- 公開後は高評価を得て社内の意識も変化し、顧客志向のサービス改善と社員モチベーション向上に寄与した。
