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コンセプト : YPJ-R

YPJの企画・開発・デザインコンセプトを紹介します。

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次の走りへ 街を、自然を、世界を。
“走る”楽しみを追求したニュースポーツモビリティ。
電動アシストを最大限にライディングに活かす。
きっとあなたは体感する新しい自分新しい喜びを。
さぁ、次の“走り”へ。
YPJ
それは電動アシスト自転車の新しい可能性。

企画担当者メッセージ

ヤマハ発動機株式会社
SPV事業部 マーケティング部
商品企画担当

鹿嶋 泰広

電動アシスト自転車を再定義する、
それがYPJのコンセプトです。

YPJは「ヤマハ(Y)プロジェクト(PJ)」の略称ですが、このプロジェクトのスタートは2012年まで遡ります。当社が世界に先駆け電動アシスト自転車PASを発売して20周年という節目にあたり、次なる20年を見据え、新たなチャレンジをしていこうというテーマの下、議論を進めていました。

おかげさまでPASはこの約20年でお客様の支持をいただき、ご年配の方や子育て世代、通勤通学など、用途の多様化とともに、幅広いお客様の生活の足として拡大・定着しています。今後も、お客様の声に耳を傾けながら、さらに磨きをかけた製品を提供していきたいと思います。その一方で、現在のPASの市場分析を進める中でいくつかの課題に着目していました。主には「坂道が多いエリアに販売が偏っている」「用途の広がりに限界を感じている」「電動アシスト自転車を身近に感じていいただけない人々の存在」・・・というものです。これらの課題を解決する為の社内企画コンペを実施することになりました。

そこで、これまでにない新たな価値やシーンを築いていくという企画テーマを立て、生まれたのが、これまでの「実用的で便利な乗り物」という位置付けのPASから離れた、「乗り物を使って楽しむ」というニューコンセプトの商品企画です。その頃、街では自転車ブームの波が起こり、おしゃれに、かっこ良く自転車に乗るというスタイルが増えていました。同時にPASのユーザー様からお聞きするご要望にもスタイルや機能面における課題提起をいただく中で、電動アシスト自転車でも新しいブームを作ることは出来ないか?と考え情報収集と分析を進めました。

そして定点観測調査、ユーザー調査、販売店様調査などを重ね、導いたコンセプトを形にしたものが2013年東京モーターショーで展示したコンセプトモデル「YPJ-01」です。会期中、来場者に対し対面ヒアリング調査を実施し、YPJ-01は一定の評価を得ることができ、その可能性を信じることが出来ました。特に「軽さ」「見た目のかっこよさ」≒「電動らしくないデザイン」など、重量やデザイン性が重要だということが分かりました。

これまで電動アシスト自転車の開発は、坂道を“楽”に走るためにモーターパワーを重視する、長距離を走れるようにバッテリーを大型化するといったように、ニーズへの対応策は足し算方式でしたが、当然重量は重くなり、見た目も自転車とは一風違うものとなりました。このYPJは「乗り手の楽しさ」を提供する為にはどうしたら良いか?という視点に立ち、“楽”を得る為に失ったものは何か?に着目し、考え方をまとめていきました。機能面では、①自転車の基本性能を高めること ②車体性能を最大限に生かしながらアシスト機能を最適化する という基本スタンスです。それを達成するために、車体の軽量化、バッテリーの小型軽量化、モーターの小型軽量化、自転車走行(アシストなし)時の抵抗最小化、といった従来とは対局の引き算方式の考え方に切り替えました。また、デザイン面では、シンプルで電動らしくないねと言ってもらえるような外観にもこだわりました。それは、これまでのPASの延長線上のものではなく、まだ見たことのない“電動アシスト自転車の新種”だと感じていただけるかと思います。

YPJは発進~加速~登坂では「電動アシストの良さ」を活かしつつ、自転車本来の爽快感を感じられる新しい乗り物です。

“楽するための道具”から“楽しむための趣味材”へ。活躍のシーンは平日の通勤から週末のサイクリングまで楽しみ方は無限、お客様次第だと思います。もちろん女性にも使っていただきたいと考え、フレームサイズも2種設定もしていますので、1人ではなく夫婦や仲間でツーリングといったコミュニティが広がっていくことも願っています。

YPJのコンセプトは「電動アシスト自転車を再定義する」です。機能面やデザインにおいても皆さまにとって“初めて”を実感いただける製品です、ぜひ一度、見て、触って、乗って体験していただければと思います。そして、いま皆さまが抱いている電動アシスト自転車の価値観をリセットして感じていただけたらなと思っています。

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開発者メッセージ

ヤマハ発動機株式会社
SPV事業部 第一開発部
YPJプロジェクトチーフ

渡邉 岳

“楽する”アシストから、
“楽しむ”アシストへ。

2013年の東京モーターショーに参考出品した「YPJ-01」の流れを汲む、このプロジェクトの説明を商品企画担当から受けた後、商品化に向けてまず考えたのは、デザイン性とともに、いかに趣味性を高め、自転車本来の楽しみ(爽快感)を最大限に具現化するためにはどうしたらよいかという点でした。

ロードバイクとして当然巡航を楽しめなければいけません。そのために電動アシストの利点を活かした発進~加速から巡航領域までの素早くスムーズに繋げるアシスト性能、そしてその先のアシスト領域外の乗り味をいかにロードバイクへ近づけることができるかが、重要な課題でありました。そして課題に対して、主に3つの視点で開発に取り組みました。

まず1つ目はバッテリーです。従来のアシスト自転車は、20kgを超える車体を力強く、かつ長距離アシストするために、大きなバッテリーを積む必要があったのですが、今回はバッテリーを小型/軽量化するという決断を下しました。しかし、ただ軽量化すればいいとうわけではなく、アシスト機能の美味しいところと自転車走の爽快感と航続距離とのバランスを取りながらの開発となりました。YPJでは前傾姿勢で走行できるディメンションにより、従来のアシスト自転車よりもモーター出力を絞りながらも、十分なアシストを得ることができ、バッテリーの小型軽量化が可能になりました。その結果、「電動らしくないデザイン」と「爽快な自転車走」を両立させることもできたのです。

2つ目はアシスト性能です。軽量化を図ることによって各アシストモードにメリハリを強くつけることができ、お客様の利用シーンに合わせた使い分けができるようにセッティングしています。しっかりアシストする『Hiモード』、アシストと走行距離のバランスを両立した『STDモード』、アシスト力は絞りながらも走行距離を伸ばし、ロードバイクと同等の軽さを感じていただける『エコモード』と、走り方によって違う楽しみ方ができるよう作り込みをしました。しかし、ここへ行き着くまでには苦労の連続でした。従来のアシスト自転車やロードバイクに何度も乗り込み、様々なテストを繰り返し行ってきました。時には市街地を想定した教習所での走行テストも行い、アシスト性能開発はこれまでPASのモデルチェンジで行う何倍もの労力や期間を費やしています。その甲斐もあり、私たちが狙っていたコンセプト通りの走りにたどり着くことができたのです。

そして3つ目は車体です。軽量化とデザインの両面から、フレームの製法にも徹底的にこだわりました。モーターブラケット(ドライブユニット取り付け部)の製法を鍛造とし、その内側を切削し軽量化、前三角のチューブには異形断面の連続が可能なハイドロフォーミング製法を採用し、フレームの絶妙なラインを表現。そしてバテッド加工によりチューブの内側から板厚を変化させ強度を保ちながら軽量化を施しています。また、「外装変速ディレイラー」、「デュアルコントロールレバー」、「2ピポット式キャリパーブレーキ」にはスポーツグレードのコンポーネントを採用し、本格的な車体性能を実現しています。

そして、機能装備面においては、楽しむをキーワードに新機能を盛り込んでいます。心臓部のドライブユニットは当社欧州向けモデルを国内仕様に専用セッティングし、ヤマハ初の外装変速機搭載を実現しました。併せて後輪の車軸には一見存在に気付かないほど小型のスピードセンサーを搭載しております。YPJでは、通常のロードバイクに後付けするスピードセンサーよりも細かくセンシングができるため、より滑らかなアシスト性能を実現するとともに、きめ細かな速度表示も可能としました。

またバッテリーは走行時の電源だけでなく、取り外した状態でモバイルバッテリーとしてUSB給電がご利用いただけます。さらに「液晶マルチファンクションディスプレイ」には、YPJ専用にケイデンス(クランク回転数)、ペダリングパワー、時計の表示を装備。こうした新たな楽しみを演出するプラス機能もYPJの特長と言えるでしょう。このように隅々に至るまで配慮を重ね、納得のいく製品を完成させることができました。

これまでの楽するアシストから、楽しむアシストへ・・・
多くのこだわりを詰め込んでいるYPJですが、開発陣としての想いは、まずこの走りの楽しさを皆さんにも味わっていただきたいです。ロードバイクと言うと、敷居が高いと感じる方も多いと思いますが、YPJは特にロードバイクのエントリー層の方でも走りを存分に楽しんでいただけるモデルに仕上がっていると確信しております。

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デザイン担当者メッセージ

ヤマハ発動機株式会社
デザイン本部
YPJデザイン担当

庄田 祐一

“さりげなさ”で魅せる
YPJデザイン。

YPJの商品化にあたり、車体性能だけでなくデザインにおいても、ロードバイクに乗ったことのない方から自転車愛好家の方まで幅広い方々に楽しんでいただけるということを目指しました。「電動らしくない外観」でありながら、電動アシストであることの利点をその性能に対してだけでなく外観デザインからも感じてもらえるようにすること、さらに本格的なスポーツイメージとエントリー層にも受け入れられるような外観とをどう両立させ、バランスをとるかがデザインの最大の課題でした。それらを実現するためにキーワードとなったのが、「さりげなさ」です。

「これなら乗れる、これなら乗りたい!」とお客様に思っていただきたい。そんな想いが、フレーム形状やカラーリングなど随所に込められています。

まずYPJデザインで最も重要で最大の特徴となっているのが、前三角形を描くフレーム部分の独特な形状です。様々なアイデアの中、特徴を出しつつも親しみを感じてもらえるよう、あくまでも「さりげなさ」と「わかりやすさ」という視点で考え、スポーツテイストを意識したキャラクターラインになっています。ハイドロフォーミングという製法と開発チームの大変な努力により、そのアイキャッチな形状には私たちデザイナーが思い描いたこだわりが限りなく再現されています。

バッテリーの形状と配置も重要な要素となっています。小型化されたことを最大限に活かし、ダウンチューブの形状と併せてバッテリーの形状や質感をもデザインすることで、YPJならではの「電動らしくない外観」になっています。ゼロからデザインをスタートしたYPJだからこそ、バッテリーもこれまでにない新しい魅せ方で表現することができました。

そしてカラーリングです。いわゆるロードバイクというと、「本格的すぎてちょっと・・・」と感じられる方もいらっしゃると思います。そんな方にも「これなら乗れる、これなら乗りたい」と感じてもらいたいという想いのもと、幅広いシーンに調和できるようにするためには、カラーリングもとても大きな要素であると考えました。そこで、よりスポーティなカラーリングとスポーティでありながらファッション性にもこだわった3パターンで展開しています。カラーだけでなく、マット感やツヤ感など質感の組み合わせにもこだわっています。

YPJはフレームからリムにいたる細部まで検討を重ね、エントリー層の方にも受け入れられ、そして自転車愛好家の方にもしっかりとしたスポーツテイストとして応えられるような品のあるデザインを実現できたと思っています。

バッテリー、フレーム、カラーリング、そして細部まで、「さりげなさ」という演出にこだわったYPJデザイン・・・
スーツでの通勤や、カジュアルな装いで楽しんだり、サイクルジャージをまとい本格的に走ったりと、使うシーンを決めるのはお客様自身です。YPJのデザインには、多くの方々により気軽に楽しんでいただきたいという想いを込めています。

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