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FRPとは(FRP素材の特性)

FRPの特性、特長やその製造方法などを紹介します。

FRPとは

FRP(エフアールピー)はFiber Reinforced Plasticsの頭文字を取った言葉で、「繊維強化プラスチック」と訳されます。軽量ながら弾性率が小さく強度の低いプラスチックに、弾性率が大きいガラス繊維などの強化材を混ぜることで強度を高めた複合材料です。

※“弾性率”とは一定の力が加わった際に変形する量を示す定数です。

1930年代、主に航空機用に開発が進んだFRPは、軽さや剛性の高さ、耐候性の高さなどで注目を集めました。今日では生産技術向上も相まって、運輸機器、住宅設備用機器、プール、建材など幅広いジャンルで使用され、活躍の分野を広げている材料(素材)です。

FRP

FRPの特長

FRP(繊維強化プラスチック)は、強化繊維の選択よって様々な種類があります。

主なFRPと特長

GFRPGlass Fiber Reinforced Plastics ガラス繊維強化プラスチック)
強化材にガラス繊維を用い、金属材料に比べ約3倍の比強度を持ち、非導電性の特性があります。
CFRPCarbon Fiber Reinforced Plastics カーボン繊維強化プラスチック)
強化材に炭素繊維を用い、GFRPよりもさらに高い強度と硬度をもちますが、電気をよく通す特性があります。
AFRPAramid Fiber Reinforced Plastics アラミド繊維強化プラスチック)
アラミド繊維(※1)を用い、耐衝撃性に優れますが、成形性が悪い特徴があります。
BFRPBoron Fiber Reinforced Plastics ボロン繊維強化プラスチック)
ボロン繊維(※2)を用い、強度を有し、戦闘機、軍事兵器などに使用されています。

※1)芳香族ポリアミド系樹脂の総称で、高い耐熱性と切断・摩耗などに強い性質を持つ合成繊維

※2)タングステンにホウ素を蒸着させた金属繊維

ヤマハ発動機ではプールやボートのボディを中心として、主に強化材にガラス繊維を用いたGFRP(Glass Fiber Reinforced Plastics ガラス繊維強化プラスチック)を使用しています。

GFRP
(Glass Fiber Reinforced Plastics ガラス繊維強化プラスチック)の強み・特性

軽量で強靭

GFRPは、金属材料に比べて約3倍の比強度を備えています。プール槽などにかかる大きな力を、軽いGFRP製パネル底板で受け止めることができます。

FRPは、強度・弾性率が高い”繊維”と、比較的軽量な”プラスチック”を複合化することで、軽さと強さを持ち合わせた素材です。機体の軽量化が大きな課題である飛行機などの輸送器や人がとり扱うスポーツ用器具にも適した材料となっています。

軽量で強靭

粘り強さ

極限の強さでは鋼材に及ばないものの、弾性範囲内で同じ力が加わった場合、FPRは鋼材の10倍変形しても元に戻ります。大変粘り強い素材です。

「粘り強さ」とは引っ張りや”ねじれ”などの外部からの荷重に対する「復元力の強さ」です。一般的にFRPは鋼材に対して「復元力」が高く、大きく変形した際にも元の形に戻ろうとする力が強いです(※)。
この特性により、自動車のフロントフェンダーなどの部品などにも利用されます。

※厳密には鋼材でもFRPでも弾性域領域の変形ならば元に戻る(ひずみは発生しない)、塑性領域の変形ならば元に戻らない(ひずみは発生する)。塑性領域に移行するまでの閾値(ひずみ量)がFRPよりも鋼材の方が圧倒的に小さい。

エネルギー吸収性

FRPのエネルギー吸収性は金属素材に比べて2倍以上高く、地震などの際に発生する振動を抑えるなど、優れた減衰性を発揮します。

エネルギー吸収性

耐久性

酸化と無縁なFRPは、サビや腐食が発生せず、優れた耐久性を備えています。ボートのボディに使われているように、塩害に強いのも特長です。

耐久性(耐海水性、耐食性)、軽量性、また比強度に加え、成形の自由度が高いことから、曲面でデザインされる船舶構造部材のハル(艇体)にGFRPが使用されています。

耐久性

防水性/耐候性

水中に長時間放置しても強度が落ちにくいFRP。さらに積層化したり、ゲルコート塗布による表面保護などを行うことで、より優れた防水性や耐候性を発揮します。

FRPは耐食性(腐食に耐える性能)や耐熱特性に加え、運搬や施工に有利な軽量性もあり、現地での組立てや施工にも適しています。この特性から、プール、桟橋、浴槽・浴室ユニット、浄化槽などにGFRPが活用されおり、FRP需要の中でも大きな割合を占めています。
ヤマハプールでは、ゲルコート層により表面を保護しており、耐候性(※1)、退色性(※2)を高めています。

※1 材料が屋外で使用された場合の、変形、変色、劣化等を防ぐ性能

※2 紫外線による色あせを防ぐ性能

防水性/耐候性

耐薬品性

酸、アルカリ、塩水、ガソリン、灯油、薬品などの影響を受けにくい特性です。薬品などを保管するタンクや、工場の床材にも使用されております。ヤマハ製品ではボートの燃料タンクを格納しています。

GFRPの耐薬品性を示す使用例として、塩酸・硫酸などを貯蔵する薬液タンクや船舶構造部材での使用があげられます。ガラス繊維は薬品に侵されにくく電気絶縁性が良好であり、加えて他の強化材と比べて比較的安価という特徴があるため、耐薬品性を必要とする量産製品素材にも適しています。

耐薬品性

設計の自由度

FRPの特性に、ヤマハが持つ高度な3次元造形技術や型製造技術、手作業で成形するハンドレイアップ法などを組み合わせることで、自由度の高い設計が可能です。

成形時、FRPの母材(マトリックス)は液状で、強化材(ガラス繊維や、炭素繊維など)は柔軟であるため、基本的には複雑な形状の構造物でも一次加工で目的の形状に一体成形することが可能であり、そのため二次加工の手間も少なくなります。

現場施工性の高さ

加工性が高いFRPは、事前に綿密なシミュレーションを行うことで短期間での施工や解体が可能。現場状況に応じたフレキシブルな対応も容易です。

例えば、ヤマハFRP特設プールはプールユニットの出荷から、設置場所への搬入、組み立ての工程までを最短2週間で実現します。プールの利用後の解体、撤去にかかる時間はわずか1週間です。夏季限定のプールイベントやアリーナでの大会などプールの新しい利用法が広がります。

短期間での施工・解体 当社実績
50m国際公認特設プール「水夢21」第99回世界水泳大会福岡2001

イージーメンテナンス

高い耐久性を備えたFRPはメンテナンスの手間があまりかからず、長期的なランニングコストを抑えられます。また、破損の補修も比較的容易です。

高い、強度、復元力、エネルギー吸収力、耐久性を持つFRPは定期的にメンテナンスを加えることで、長い期間の使用が可能です。破損時も、その製造過程から、比較的容易に修理ができることもFRPのメリットのひとつです。

肌触り

表面を滑らかに仕上げることで、FRPは人に優しい肌触りのよさを備えます。プールの素材として高く評価されている理由のひとつです。

FRP成形の自由度から作られる曲面を、さらに滑らかに仕上げることで優しい肌触りを備えることができます。
身近な使用例では、デザインチェア(椅子)やベンチもそのひとつです。またホームバリアフリー関連製品や、美容院などで使われる洗顔ユニットなど、優しい肌触りが求められる生活用途としてもよく使われています。さらにスポーツ用品や趣味・娯楽用品では、スノーボード、スケートボード、テニスラケット、釣り竿、ゴルフシャフトなどにもよく使われています。

肌触り

FRPの作り方・製造方法

概要

FRP製品は、原料の繊維強化材に母材(マトリックス)樹脂を含浸させ、硬化剤、硬化促進剤を用いた化学反応による硬化を行い、製品を成形します。

必要とされる主な材料

FRPは繊維強化プラスチック(Fiber Reinforced Plastics)の頭文字をとったもので、『Fiber(繊維)』は製品強度を高める材料です。
『Plastics(プラスチック)』は繊維を固めてモノの形状を保つ役割を持ちます。
とは言え、この2者の材料のみで製品が完成する訳ではなく、カタチを作るための『型』や、さらに化学反応による硬化を促すための薬品(硬化剤など)、色を着けるための着色剤、型の表面を正確で美しい形状に仕上げるパテや塗料、また型から製品を取り出すための離型剤など、様々な材料を必要とします。
長年にわたりFPR製品を多数造り続けているヤマハは高い技術力でみなさまの課題に取り組みます。

成形法

FRP成形は、「原材料」と「成形法」の選択がFRPの性能、つまりは製品性能に大きく影響します。
どのような形でどのくらいの大きさか、どんな素材性能が必要で、どれくらいの個数が必要なのか。などにより、その成形法は異なります。
成形法の主なものを紹介します。

ハンドレイアップ成形法
ガラス繊維などの強化材にプラスチック樹脂を含浸させながら所定の形と厚さに手作業で積み重ねる成形法
スプレーアップ成形法
装置を用いて、型に繊維強化材を切断しながらプラスチック樹脂と同時に吹き付ける成形法
インフュージョン成形法
バッチ式で下型は高剛性な金型やFRP型を、上型はフィルムやシリコンバッグなどの簡易密閉型を用いて型内を減圧にしてプラスチック樹脂を真空吸収し、常温無圧で硬化させる成形法

ヤマハでは、高度な3次元造形技術や型製造技術、手作業で成形するハンドレイアップ法などを組み合わせることで、自由度の高い設計が可能です。

参考文献
『基礎からわかるFRP ―繊維強化プラスチックの基礎から実用まで―』強化プラスチック協会 編/コロナ社
『FRPボディとその成形法』浜 素紀 著/グランプリ出版

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大きな物も、小さな物も。表立って活躍する物も、縁の下の力持ちも。FRPにまつわることなら、あらゆるご相談をお受けいたします。高品質な製品造りで幅広い業種のお客さまのニーズにお応えすることをモットーに、企画、設計、型製作、施工、品質保証、メンテナンスと、FRP製造の上流から下流に至るすべての段階に対応可能な一貫体制を確立しています。少量・多品種生産、試作品生産、短納期のご依頼など、どんなことでもお問い合わせください。長年にわたりFRP製造のノウハウを蓄積してきた私たちが、お客さまと一丸となって課題解決に取り組みます。

ヤマハ発動機株式会社
FRP事業推進部 事業開発グループ

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