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藻類

日本全国津々浦々で行われている沿岸漁業を漁法別にご紹介します。

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海苔養殖

佐賀県有明海

木下さんの漁場はすべて支柱張り。3季作の最後の刈り取りが行われていた

佐賀県と福岡県の県境を流れる筑後川や矢部川、嘉瀬川といった河川が流れ込む有明海北部は、海苔養殖の一大漁場として、贈答用の高級品からコンビニエンスストアなどのおにぎりで使用される業務用の海苔まで、さまざまな「有明海苔」を生産しています。

 有明海の筑後川河口付近に漁場を持つ木下栄次さんも海苔養殖漁家のひとり。2009年現在で53コマ分の支柱張りを管理しています。
 「誰もが言うように、海苔は水揚げ金額の変動が大きいから、本当に水物なんだよね。作る数が多くても少なくても、1年分の作業が終わる春にはきっちりとその年度の量と金額が残る。長い間やっていれば、その振れ幅もある程度は予想できるようになるけど、それでも「えっ」と思う年もあるよ」
 日本最大の海苔生産地であるが故に、質の良い海苔という生産基準だけではなく、全国の海苔の水揚げ量が影響する、海苔養殖ならではの難しさもあると言います。
 取材にお伺いした日は三季作の最終日。筑後川河口の支柱張りでは、夜間の満潮時に水揚げをすることが多く、この日は明け方の操業となりましたが、漁も終盤ということで5万枚分の海苔を摘んだところで操業を終えました。
 「船を入れ替えてから1回の積載量が2万枚分ほど増えたので余裕を持って作業できるようになったことが、体力的にも精神的にも大きいですね。もともと乾燥機を大型のものに入れ替えたので、船も大きくしたのですが、今は両方とも順調に稼働しています」
 DW-47は積載量の大きさだけではなく、作業時の安定性や舵切りの良さなど、沖の作業でも安心感が増したという木下さんは来シーズンへの期待を込めて「船の良さは確認できた。あとは耐久性だけだね」といいます。
 有明の海苔漁を支える数々のヤマハ漁船。これまで培ってきた製品としての完成度の高さが、裕緋丸への期待となって表れていました。

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船体がワイドになった分、作業性の良さも増したといわれるDW-47

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船庫に積まれた海苔を移し替え、作業場まで運搬

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木下さんの乾燥機は1度に9枚が並ぶ大型タイプ。この乾燥機を導入したことが代替えのきっかけだったという

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裕緋丸の船主、木下栄次さん。「ヤマハの船は腰が強くて安心して作業できるよ」

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腰が強いと言われた裕緋丸。木下さんの新戦力として活躍している

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