55mph - 「レストア・ミニコラム」 Vol.3 外装部品のペイントについて
コミュニケーションプラザで展示されている歴史車両たち。そのレストアに秘められた「こだわり」を紹介、解説します。

一般的な意味でのレストアと歴史車両、つまり文化遺産としてのレストアの違いが顕著に表れるのが外装部品のペイントだろう。現代の塗装業者が手吹きでしっかり仕上げてしまうと図らずもオーバークオリティになってしまうため、あまり「やりすぎない」ことが、当時の新車の雰囲気を再現するうえでは重要なことなのである。現在主流となっているウレタン塗装は当時の焼付け塗装と比べると濡れたような艶があり、普通に塗ってしまうと質感はかなり異なってしまう。そこを適切な指示で再現してみせるのがレストアラーの手腕なのである。上の写真は花井さんがレストアを手掛けたRZ250R(29L)の燃料タンクだが、比較的あっさりとした色味や薄く塗られたクリアなど、当時の雰囲気が忠実に再現されている。

- Vol.8 レストア室の設備について

- Vol.7 バックミラーについて

- Vol.6 タイヤについて

- Vol.5 バフ研磨の再現について

- Vol.4 動態保存が記憶の扉を開く

- Vol.2 エンブレムの再現について

- Vol.1 コーションラベルの再現について

- コミュニケーションプラザ 歴史車両走行テスト

- バイクが文化遺産に変わるまで Vol.6 「火入れ」

- バイクが文化遺産に変わるまで Vol.5 「部品の検品、組付け」

- バイクが文化遺産に変わるまで Vol.4 「外観およびステッカーの復元」

- バイクが文化遺産に変わるまで Vol.3 「車両の分解」

- バイクが文化遺産に変わるまで Vol.2 「車両の確認」

- バイクが文化遺産に変わるまで Vol.1 「車両の選定・調達」

- Vol.3 大隅哲雄(コミュニケーションプラザ 館長)

- Vol.2 北川成人(レースマシンレストア担当)

- Vol.1 花井眞一(市販車レストア担当)