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55mph - 日曜日の冒険

セローをセローらしく走らせたのはいつ以来だろうか。走りなれた国道を外れ、荒くれた山道との会話を愉しむ。いつもの週末にひとさじのアドベンチャーを。

セローをセローらしく走らせたのはいつ以来だろうか。走りなれた国道を外れ、荒くれた山道との会話を愉しむ。いつもの週末にひとさじのアドベンチャーを。

写真/三浦孝明

 ある高名なツーリングライダーは僕にこう言った。
「オートバイの本質は冒険だ」と。
この春、ふとそんな言葉を思い出し、一歩を踏み出してみることにした。
あえて困難に挑む旅、すなわち冒険へ。

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 房総半島、うっそうとした林のなかに伸びる未舗装路の前で僕はセローを止めた。
バイクでここへ来たのはもうかれこれ10年以上ぶりぐらいだろうか。無意識のうちに過ぎ去った時間の長さに愕然とする。
僕のほかには誰もいない。聞こえるのは鳥のさえずりと春の風が葉を揺らす音ぐらいだ。かつては頻繁に走りに来ていた林道である。いまや僕はいっぱしの大人になり、そして忙しくなった。
いつの間にか馴染みの場所が冒険のステージになってしまっていることに思わず苦笑した。

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 セローのスロットルをゆっくりと開けると、懐かしい砂利道の感触に心が躍った。
タイヤが路面をつかむのが右手を通してはっきりと伝わってくる。
単気筒エンジンの脈動や屈伸するサスペンションに身体をシンクロさせ、リズミカルに走ることの面白さ、自分とマシンとがひとつの運動体になることの充足感。それがオフロードライドではいっそう顕著に表れる。

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 少し黄みがかった朝の光とまだ枯れたままの草木が周囲をワイルドに演出している。時間は午前9時半、いつもの日曜日ならバターをたっぷり塗ったトーストをかじり子供とTVでも眺めているころだろうか。それと比べ、いまの自分が置かれているシチュエーションのなんと冒険的なことか。
大きな水たまりを蛮勇を奮って駆け抜ける。
昨日洗車したばかりのセローがたちまち泥まみれになると、僕の冒険は最高潮を迎えた。

 バーナーで湯を沸かし、コーヒーを淹れる
大人になると冒険はむしろイージーだ。セローで林道を走る、それだけでいい。
苦いコーヒーは20代の味がした。

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TOURING SEROW

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軽量コンパクトな車体に低いシート、低速トルクを重視したエンジン特性、ギア設定など、誰でも気軽に山道を楽しめるモデルとしてロングセラーを続けるセロー250。TOURING SEROWはそのセロー250にアドベンチャースクリーンやブラッシュガード、アドベンチャーリアキャリアといったアクセサリーパーツをプラスし、ロングツーリングの適性をさらに向上させたモデルである。
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