ルアーリギング・その2 「フックのつけ方」
実際のカジキに役立つワンポイントアドバイスです。
フックの手入れを怠っていたばかりに、ファイト中にフックオフしてしまったということにならない為にも、フックチェックは一回の釣行毎に行うほうがよいでしょう。フックの交換は慣れれば簡単に行えますので、ぜひ覚えてください。
フックの選び方~ルアーにフックをつける
基本的にはルアーとリーダーによってフックの大きさが決まります。
フックは大きすぎると抵抗となってしまい、ルアーのアクションを損なう可能性がありますが、逆に小さいとビルにかかりにくくなり、フックアップ率を低下させてしまうことになりかねません。一般的にフックはルアーヘッドの大きさに合わせてサイズを決めますが、フックのゲーブがヘッド幅より少し大きいフックを選ぶのが正解です。(写真1)
フックの他、リーダー、スリーブ、プライヤー、チャフィング(擦れ止め)チューブを用意。スリーブは、使いやすさを考えるとダルマ型の方がオススメ。プライヤーはできれば、スリーブメーカーが指定する専用のプライヤーを使用しましょう。擦れ止めのチューブはシンブル(プラスチック・金属どちらでも可)、スプリング、ビニール製などの種類がありますが、専用のテフロンチューブが使いやすいでしょう。(写真2)
ヘッドにリーダーを通してからスリーブ、次にチャフィングチューブを1個ずつ入れます。チャフィングチューブは長すぎないように注意。ループが大きくなればフックの位置が後ろにずれてしまいます。スリーブ、チャフィングチューブを指で固定させてから、フックのアイを通します。(写真3)
フックのアイを通したリーダーをスリーブに差し込み、エンドをライターなどで焦がして玉にします。(写真4)
しっかり締め込んでから、プライヤーでスリーブをつぶしましょう。このとき、端を余らせるのがポイント。締めしろを残さないとスリーブの鋭いエッジがリーダーを傷つけてしまいます。(写真5)
反対側も同じようにしてエンドループを作ると完成です。(写真6)
ダブルフック・リグの作り方
ダブルフックリグは既製品を購入する方が簡単ですが、道具さえ揃えていれば自分でも作ることができます。
フック2本、ワイヤー、スリーブ、プラスチックテープもしくはシュリンクチューブ、プライヤー、ワイヤーカッターを用意しましょう。
1.ワイヤーをループさせて伸ばした時に、後ろのフックがスカートから出ないようにワイヤーの長さを調整します。
2.切り取ったワイヤーにスリーブを3個、シュリンクチューブを1本入れます。
3.ワイヤーのエンドを後ろのフックのアイに通して戻しを1個目のスリーブに通し、2個目のスリーブは通過させます。
4.2個目のスリーブを通過させたワイヤーをフック(前方に位置するフック)のアイに通してから3個目のスリーブに通し、2個目のスリーブに戻します。
5.後ろの2個のスリーブ(3個目と2個目)をプライヤーで潰して固めて、シュリンクチューブをアイの先まで被せて熱をかけ、全体が真っ直ぐなるように固めます 。
6.前のスリーブをつぶしてからフックにワイヤーを沿わせて、その上からシュリンクチューブを通して、2個のフックの開き角度が希望の角度になるように調整してから、熱をかけて固めます。
シュリンクチューブの代わりにテープを使って固める場合は、ビニールテープではなくプラスチックテープを使うと扱いやすいでしょう。
今回はフックのつけ方を紹介しましたが、重要なのはカジキとファイトしてランディングした後でも、IGFAのルールで失格とならない適正な長さを保つことです。リギングの時にはジャストサイズだったものが、ファイトの後に鉤が延びてしまった為に失格となるケースも少なくはありません。フックの大きさ、長さについては下記のIGFAルールを参考にしてください。
IGFAルール:フック及びルアーについて
1.スカートまたはトレーリング材を取り付けたルアーを使用する時は、ライン、リーダーに取り付けて使用することができる。フックは別々に取り付ける必要はない。この場合、2本のフック・アイは互いにフックの長さ(使用されているフックの大きい方の全長)以上離して取り付けなければいけないが、12インチ(30.48cm)以上離してはいけない。例外として、フックの先端にもう1本のフックのアイを通すのはかまわない。
トレーリング・フック(後方のフック)は、ルアーのスカートから全長がはみ出してはいけない。記録申請時には、フックの配列が分かる写真、またはスケッチが必要である。
2.ギャング・フックは、専用に設計されたプラグ、または、他の人工ルアーに取り付けるときだけに使用が許される。ルアーに取り付けたギャング・フックは、自由に振れ動かなければならない。
使用するギャング・フックは3本までに限られる(シングル・ダブル・トレブルのいずれか。または、これらのフックの組み合わせ)。
プラグ、またはルアーの写真もしくはスケッチを記録申請時に添付しなければいけない。もしそれが充分でない時は、プラグ、またはルアーそのものの提出を要求することもある。