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乗合船・渡船

日本全国津々浦々で行われている沿岸漁業を漁法別にご紹介します。

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乗合船

千葉県袖ヶ浦市

第十八こなや丸は東京湾の木更津沖がメイン。<DX-51>の力強さが際立つ

北海道や東北の海で圧倒的な人気を得ている<DX-51>。その<DX-51>が船宿の乗合船として生まれ変わりました。「こなや丸」の進藤通孝さんにお話をお聞きしました。

 江戸前の海苔として有名な浅草海苔の種苗生産地として栄えた袖ヶ浦は、昭和40年の干拓事業で、その漁場の大半が埋め立てられてしまいました。これに伴い当時3漁協に所属していた組合員も全員が陸に上がってしまったといいます。
 現在でこそ、釣りの国民的流行に支えられ寝る暇もなく多忙を極める 「こなや丸」ですが、現在に至るまでは紆余曲折の苦労がありました。最初は青ギスの脚立釣り渡し。公害でダメになると、次は海洋調査のチャーター船、鴨撃ち猟のチャーター船など、さまざまな業務をこなし、約30年前にクロダイ釣りが流行。その客を堤防まで渡す、渡船業を始めてから現在の基盤を築くことができたそうです。
 船宿と一口では語れないほど、幅広い業務を手がける「こなや丸」で今年の3月からフル稼働しているのが第十八こなや丸<DX-51-OC>です。
 本誌大漁ニュースで<DX-51>のプロフィールを知った船主の進藤通孝さん(39歳)は、一目でこの船に惚れ込んでしまったそうです。
 「見るからに頑丈そうで、この辺りの船には見られない力強さを感じるし、それと製造工程だね。工場に行ったときにFRPの温度管理も見させてもらって。これなら少々値段が高くてもしょうがないかなって(笑)」
 通孝さんはその足で函館のイカ釣り漁船を見学に行きました。
 「重いイカ釣り機を8機も搭載して、やっとチャイン部分が喫水する程度。浮力のある、とても安定した船だと確信しました。北海道であれだけがんばれるんだから、東京湾では十分すぎるぐらいだよ」
 完全に<DX-51>に惚れ込んだ通孝さんは、早速艤装の打ち合わせを行い、3月27日に進水。バウの形状も堤防への渡しの安全性を第一に考え、幅広で反りの少ないフラットな形状に変更しました。
 「なんといっても頑丈さが一番大切なんです。走行安定性も抜群。ここは北風が吹くと悪い波がでるんだけど、これまで一度も『ヤバイ』と思ったことはないね」
 これから初夏を迎え、狙い目もメバルからアナゴへと変わり、ますます忙しさを増してくる進藤さん親子と<DX-51-0C>第十八こなや丸は、フル稼働で活躍中です。

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乗合船で使用しない生け簀部分は木製の簀の子を敷き詰めてフラットなデッキとなっている

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窓面を多く取って、視認性を高めているブリッジ前部。サイドデッキも通路としては十分な広さを確保している

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瀬渡しもスムーズにできるようステム上部の形状にも工夫が凝らされている

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ガンネルには給水システムが完備

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船主の進藤通孝さん(右)と、父、清一さん

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瀬渡しの際の安全性を考え、バウ部分には断衝材を敷き詰めた

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