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一本釣り

日本全国津々浦々で行われている沿岸漁業を漁法別にご紹介します。

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キンメダイ一本釣り漁

東京都新島

イカの切り身を餌にした一本釣りで捕る。棚の違いでアコウ鯛なども釣れる

キンメダイの一本釣りといえば、伊豆半島の東側や銚子沖が関東近海の漁場として知られています。その中でも新島近海はキンメの一本釣りが盛んな場所。年間を通じて漁が行われています。

 「船を買う時にヤマハを使っている人がみんな勧めてくれたんだ。『ヤマハはいいぞ』って。いろいろ船を見て回ったけど、他の船ではこんな勧め方はなかったし、設計の細かさとか仕上げの良さは見れば分かったからね。だからヤマハの船を選んだんだよ」
 今年の6月に晴れて船主となった大沼三郎さんは進水した大三丸の舵を取りながら、「いい船だよ」と太鼓判を押します。
 「新島は古くから巻き網漁が有名な島で、大人たちはほとんどが漁師。うちの家系も漁師だったけど、親父の代からは、くさやの製造と販売をしていたんだ。おれは学生の時から東京に出てきて、居酒屋で働いていてね。当時は漁師になることなんて考えていなかった(笑)」
 24歳までは東京で働いていたという大沼さん。島に戻ってきてからは家業であるくさやを手伝う一方で、時間を見つけては磯や船で釣りを覚え、今から13年前には本格的に船に乗り込んで漁の作業を身につけたそうです。
 「くさやが下火になっていたので、自分の経験がある居酒屋に衣替えしたんですよ。その頃から船にも乗せてもらって、自分の船を買おうと思ったのはそれからかな」
 新島近海ではキンメ鯛やアコウ鯛、ムツなど深海物が有名で、大沼さんもこれらの魚を狙いに海に出ます。仕掛けはイカの短冊というシンプルな仕掛けで、水深500m前後の場所で棚を変えながら、鉤を流します。
 「キンメは一年中、ムツは春先から夏まで、アコウは秋から春までというのが大きな流れだね。場所は新島の沖から三宅の三本沖がメインです」
 夜明けと共に出漁して昼過ぎには帰港。そして夕方からはお店の仕込みを行い、深夜までの営業に備えます。
 「体力的にはきついと思うかもしれないけど、実際に海に出て、朝から晩まで漁が出来る日は年間100日ぐらい。あとは朝だけだったりという日が少なくない。限られた時間の中で効率よく釣りをするにはやっぱりいい船じゃないとダメなんだ」
 「ヤマハの船は文句なしだよ」と笑顔を見せる大沼さん。潮と棚の流れを読み、船を走らせるその姿からは、新たに船主となった意気込みが溢れていました。

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群れを探す大沼さん。基本的には魚探で群れを追いながら場所を決めるという

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朝日が昇る前後が勝負だという新島近海のキンメ漁。大沼さんも無駄のない動きでテグスを捌く

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2kgの錘に30本の鉤をつけた仕掛け

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近海物の高級魚で知られる新島の金目鯛

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大沼さんと息子の徹也君。一緒に漁に出るのが今後の楽しみだという

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理想の船に仕上がったという「第八大三丸」(DY-51-1A)

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