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機械釣り

日本全国津々浦々で行われている沿岸漁業を漁法別にご紹介します。

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イカ釣り漁

青森県小泊村

父と一緒に出るときはいつも勉強だという英輝さん

冬の厳しさの代名詞のような青森県は津軽半島。その津軽半島、日本海側の漁港としては最北端に位置するのが小泊港です。今回は、この小泊港でイカ漁を営んでいる佐藤さん親子を訪ねました。 季節風が激しくなる真冬も、時化の合間を縫ってイカ漁は続きます。

 「漁師になれとか親父から言われたことはないと思うな。全部自分の考えで進路は決めてきた」
 関東在住者にも容易に聞き取れる津軽弁で語ってくれたのは、青森県北津軽郡小泊村でイカ漁を営んでいる佐藤英樹さんは、99年1月に同じ小泊村の友里子さん(29歳)と結婚、一人前の漁師として父、隆さん(60歳)を乗り越えるべく、腰を据えて漁に励んでいます。
 現在の第八漁宝丸<DX-51-0C>が進水したのは99年10月11日。デッキにはイカ釣りの艤装が所狭しと並び、コクピットには航海計器がぎっしり。イカ釣り用の巻き取りドラムの回転方向・速度など、すべてコクピットでコントロールできる集中制御のハイテク漁船です。
 「マイカ釣りはほとんど機械だから。イカの群さえ捉えることができれば、あとは機械任せ」(英樹さん)
 小泊のイカ船の中では第八漁宝丸は小さい部類に入りますが、その走破性と安定性は抜群だといいます。
 「一番気に入ったのはデザインなんだけどね。やっぱヤマハの船はカッコイイでしょ。でも、走ってても止まってても、安定がいいから仕事がラクだね。シケのときの安心感が全然違うよ」(英樹さん)
 9月1日から始まるマイカ漁は年明けの1月半ばまで続けられます。昼頃に出港し、翌日の明け方に帰港するというパターン。
 「昼間はアンカリングしないでイカの群を追いかけながらの漁なんだけど、夜は集魚灯でイカが集まって動かないから、パラシュートアンカーを入れての漁。まあ、止まってればいいから夜の方がラクだけど、確実性では昼の方がいいだろうね」
と語る英樹さんの顔は、もうすっかりベテラン漁師の顔に見えます。
 3~5月に行われるヤリイカは、機械釣りではなく棒受け網漁で行われます。ヤリイカはマイカと違って岸寄りに群れるため、岸壁沿いのデリケートな繰船が要求されます。
「棒受けなら、まあ船の大きさが違うから一概には言えないけど、トン分けして考えたら、親父は他の2倍は水揚げしてる。いつかは一人でやらなきゃならない時が来るわけだから。それまでに親父を越えられるかどうかわからないけど」(英樹さん)
 チラッと隆さんの方を見やる英樹さん。黙って微笑みつつお茶をすする隆さん。ちょっと羨ましいような親子関係でした。

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現在のイカ漁はほとんどが機械任せ。ポイントの選択こそ腕の見せ所となる

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簡易トイレで見本をしてくれる隆さん。仕事以外では笑顔が絶えない

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イカ釣り漁船独特、フル装備のコックピット

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マイカでは肩を並べるも、棒受けでは親父は偉大なライバルという英樹さん

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通称デゴイチと呼ばれる<DX-51>。北の海峡では抜群の人気を誇る

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