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貝類

日本全国津々浦々で行われている沿岸漁業を漁法別にご紹介します。

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カキ養殖漁

北海道サロマ湖

芭露川河口に舫われている「祐新丸」<W-33/F200A>

北緯44度、オホーツク海に面するサロマ湖は琵琶湖、霞ヶ浦に次ぐ面積(151.7km2)を誇り、1929年に外海と繋がる砂州を採掘して以来、ホタテ、カキ、ノリなどの養殖が盛んに行われるようになりました。

 サロマ湖に注ぐ、罵露川の河口近くにある長野聡さんの作業場では朝早くからカキ剥きが始まっていました。このあたりの多くの漁家はホタテとカキ養殖を営んでおり、サロマ湖産のカキは漁協による生産管理のもと地元の特産品として紹介されています。
 午前八時をすぎると聡さんはカキ剥きの作業を中断し、沖のカキ棚に向かうため川岸に舫われた和船へ乗り込みました。和船 <W-33>には4ストローク船外機F200Aが搭載されています。氷点下3度という厳しい環境にもかかわらず、船外機は一回で始動し、聡さんは速やかに船を走らせました。
 聡さんが舵を握る「新祐丸」は船首に操舵室が設けられています。これは操舵時の視認性、操舵室から後部全体が作業スペースとして使用できると言うことで、この地区のスタンダードとなっています。
 「漁場が近いからそんなにスピードは出さないんだけど、水揚げしたカキを港に持って行くまでの力強さが必要なんですよ。F200Aを載せてから、まだ2ヶ月しかたっていませんが、始動性と力強さは見ての通り十分です。燃費もこれまでの半分しか使わないので、本当にありがたいよ」
 カキ棚の目印となる浮き球を船のローラーに巻き付けると、水揚げの作業が始まります。まず最初はカキが垂れ下がる枝綱を引き上げます。その後、親綱との継ぎ目あたりからその枝綱を鎌で切り離し、カキの付いている枝綱を手繰りあげて、そのままカゴへ入れていきます。カキには沢山の付着物が付いていますので相当な重量になります。
 「一篭でだいたい50kgかな」ちょっと息を弾ませて聡さんがいいます。この日は合計で5篭分(約250kg)を水揚げしました。
 港に戻るとカキをすぐに作業場に運び、カキ剥きにかかります。サロマ湖でのカキ養殖は11月から2月までが収穫と出荷のシーズン。カキには1年物、2年物があり、大きさはもちろん味も風味も異なりますが、2年物にするカキは付着物をすべて取り除いて丸篭に入れ替えてから、再度枝綱に繋がれます。このサロマ湖での出荷は流氷の来る2月まで。極寒の中カキを水揚げする日が続きます。

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F200Aを搭載した「祐新丸」はカキを満載しても安定していた

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ローラーから枝綱を引き上げる。機械を用いているとはいえ極寒の中で行われる作業は重労働

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2年物のカキ。丸篭に納められている

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F200Aに信頼を寄せる長野聡さん

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出荷の期間中は一日中行われるカキ剥き

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