貝類
日本全国津々浦々で行われている沿岸漁業を漁法別にご紹介します。
ホタテ養殖
青森県横浜町
シアーラインとワイドなフレアが美しい「DX-53C-0B」(左「喜宝丸」/右「牛若丸」)
良質なホタテの産地として知られる青森県の陸奥湾。2014年の春、その陸奥湾に面した横浜町漁協に同型の新造船、牛若丸と宝喜丸(DX-53C-0B)が同時に進水し注目されています。
船を横から見た際に、船体中央部から船首にかけて美しくカーブを描く独特のシルエットは、通称「コブラシアー」とよばれる、いわば“陸奥湾仕様”といえるもの。また正面から見た際もフレアがワイドであることがわかります。
「走る際のしぶきの打ち込みが無く、快適です。デッキは広く作業性も抜群、また特に繁忙期に必要とされる積載量も申し分なく、満足しています」と、船主の蛯沢優介さん(牛若丸)、杉山亘さん(喜宝丸)のお二人は口を揃えます。さらに、「大きめのチャインで安定性がよく、フネの据わりがいい」「舵効きがすごぶるよい」と、新しい船の気に入った点を矢継ぎ早に語っていきます。
それまでお二人が所有していた船は、いずれも「DX-48A」。これもホタテ養殖作業船として陸奥湾で大好評のモデル。発売以来、かなりの年月が経っても手放したがらない船主さんが多いとのことです。「DX-53C-0B」への高評価は、その船を乗りつくした二人の評価だからこそ、信頼できそうです。
陸奥湾の中でも3年貝を育てる横浜町のホタテは、斃死と闘いながらも大きさだけでなく、味わいなど、品質面で頭ひとつ抜けていると評判です。
「頭の中はホタテのことばかり。酒を飲んでいてもホタテのことを話している。日々研究しています」
こうした“ホタテ魂”を持つお二人にとって、新しい「DX-53C-0B」は強力なパートナーとなっているに違いありません。
作業性の良さ、舵効きの良さも自慢。前部デッキは積載スペースとしても充分(牛若丸)
洗浄、サイズの選別を行い、ベルトで前部の積載スペースへと送っていく(牛若丸)
早朝、沖合の養殖施設へと向かう〈牛若丸〉。コックピットには最新機器が効率よく配置されている
〈牛若丸〉の蛯沢優介さん。早くに父を亡くしたのち、成長するまでお母様が仕事を守り、そして、引き継がれた
〈喜宝丸〉の杉山亘さん。2人のお子さんはともに成人し、漁師を継いでいる
「DX-53C-0B」は陸奥湾で注目のホタテ養殖作業船