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55mph - モーターサイクルをカッコよく撮りたい!

モーターサイクルをカッコよく撮る方法をプロカメラマンが指南。ちょっとしたポイントで見違えるような愛車写真を撮れるようになります!

#4 カッコいい「ツーリング」写真を撮ってみよう!

スマートフォンやSNSの発展により、愛車の写真を撮る機会が大幅に増えた昨今ですが、せっかくならクォリティの高い写真を残しておきたいもの。ここでは、そんなモーターサイクルをカッコ良く撮る方法をプロカメラマンが指南。ちょっとしたポイントで見違えるような愛車写真を撮れるようになります!

バイク趣味の醍醐味であるツーリングは、格好の撮影チャンスだ。思い出を残すためでもあるし、経験した楽しさを誰かに伝えるためのベストな方法でもある。今回は「旅情」をテーマに、ツーリングにおける写真撮影のコツを山下剛カメラマンに実践してもらった。デジタル一眼レフではなく、多くの人が所有していること、やはり旅に携行するカメラとしては小さく、軽いものが最適であることから、コンパクトデジタルカメラ(コンデジ)を機材として、カメラ任せのオートで撮影した。もちろんスマートフォンでも同様に撮影することができる。

講師:山下 剛さん

1970年、東京生まれ。二輪雑誌編集者を経て、フリーランスとして活動中。「企画・取材・編集・執筆・撮影よろずやります」をキャッチコピーに、マン島TTやパイクスピークといった海外レースを目下のテーマとして取材中。現在の趣味はレンタルバイクによる海外ツーリング。

使用カメラ:オリンパス XZ-10

ポケットにすっぽりと入るコンパクトさと高機能を兼ね備えたコンデジ。F1.8の明るいレンズと光学5倍ズームを持ち、露出補正や絞り、シャッター速度などを瞬時に変更できるコントロールリングを装備。オート撮影だけでなく、絞り優先やシャッター速度優先、マニュアルモードでの操作も快適だ。印象的な写真を作り出してくれるアートフィルターをはじめとする機能で、コラージュ作成も簡単に行える。
撮像素子:1/2.3型 CMOSセンサー(1200万画素)
レンズ:光学5倍ズーム4.7-23.5mm
    (35mm版換算:26-130mm相当)

使用機材:ミニ三脚&ゴリラポッド

ツーリング写真にあると便利なのが三脚をはじめとする、カメラを固定できる道具だ。これがあると自分撮りもできるし、長時間露出を使った撮影も可能となる。今回は小型で軽量な2種類の三脚と、自在に曲げられる脚でさまざまな場所に固定できるゴリラポッドを試してみた。スマートフォンで撮影するなら自撮り棒を活用するのもいいだろう。ソロツーリングでの撮影にとってはマストアイテムといって過言ではない。

使用マシン:MT-07

689cc水冷並列2気筒エンジンを搭載するネイキッドスポーツ。クロスプレーン・コンセプトに基づき、「マスターオブトルク」をキーワードに開発されたエンジンが、ツインらしい鼓動感をもたらす。ビギナーにも安心な性能ながら、ベテランをうならすポテンシャルを持つ。

ツーリングの旅情感を豊かに業現するコツ

01「いつ」、「どこで」、「何を」を写真で表現する

ツーリングの写真は「記憶」に残すためのものであると同時に、いつどこで何をしたかを「記録」するものでもある。ブログやSNSにアップした際でも、どこへツーリングしたのかが一目瞭然となる。フェリーや道の駅、観光スポットなどで撮影する場合は、その場所を示す看板を入れ込んだり、特徴的な部分を強調するような構図を狙おう。さらに時間帯や季節がわかるとベターだ。朝焼けや夕焼けはもちろん、時計を写し込むのもいい。日光の強さでも時間はある程度わかるし、草木の色づきや成長ぶりで季節も把握できる。
これらを踏まえて下記の作例を見ると「いつ」→早朝、日中の陽射し。「どこで」→フェリー乗り場、棚田。「何を」→バイクツーリングという三つの要素がちゃんと認識できるよう撮ってあることがわかっていただけるだろう。

OLYMPUS XZ-10/絞り優先オート/焦点距離 35㎜(35㎜換算)/ホワイトバランス 自動/シャッター速度 1/100秒/ 絞り値 F2/ISO 200/露出補正 ±0段
OLYMPUS XZ-10/プログラムオート/焦点距離 130㎜(35㎜換算)/ホワイトバランス 自動/シャッター速度 1/320秒/ 絞り値 F2.8/ISO 100/露出補正 -1段

02旅先で気になったものはとりあえず撮る

撮影枚数を気にせずシャッターを切れることは、デジタルカメラの大きなメリットだ。心に響いた風景や瞬間だけを撮るのではなく、目に映ったものをすべて撮る! くらいの気持ちでシャッターを切ろう。とはいえ、後で写真整理に苦労するのも目に見えているので、ある程度は取捨選択しつつ、興味をひかれたものだけを撮るといい。前述した「場所」「時間」に加えて、「モノ」「ヒト」「コト」を意識してみよう。そこにしかないモノ、そのとき出会ったヒト、それらが絡み合って起こすコト。ツーリングとは、いわば非日常を楽しむ行為だが、そうしたことを踏まえつつシャッターを切っていると、今まで気づかなかった旅のおもしろさが見つかることもある。写真は旅の記録であるとともに、旅の世界を広げる手法でもあるのだ。

OLYMPUS XZ-10/絞り優先/焦点距離 130㎜(35㎜換算)/ホワイトバランス 自動/シャッター速度 1/640秒/絞り値 F2.7/ISO 100/露出補正 -1.7段
OLYMPUS XZ-10/絞り優先/焦点距離 26㎜(35㎜換算)/ホワイトバランス 自動/シャッター速度 1/500秒/絞り値 F2.8/ISO 100/露出補正 ±0段
OLYMPUS XZ-10/マニュアルモード/焦点距離 130㎜(35㎜換算)/ホワイトバランス 自動/シャッター速度 1/400秒/絞り値 F2.8/ISO 100/露出補正 ±0段

食べ物は"いつ・どこで"を表現できる恰好の被写体

土地の名物といえばやはりおいしい食べ物。レストランなどで実際に食事したものだけでなく、市場などで売っている食べ物も旅情を表現しやすい被写体だ。食べ物を撮るコツは、光を効果的に使うこと。レストランでの料理の場合は逆光で撮りつつ、+1~2程度に露出補正をかけるとい い。香り立つような一枚になるはずだ。作例のような加工品もいいが、作物がわかるような田園風景もいい。また、三脚などがあるならぜひ自分撮りにも挑戦してみよう。三脚を用意できない場合は、近くにいる人にシャッターを頼んだり、その反対に写真を撮ろうとしている人がいたら、声をかけてシャッターを切ってあげるのも有効な手法だ。旅は道連れ、人との出会いは旅の楽しみのひとつ。カメラはそのきっかけを作るのにも好都合なツールなのだ。

OLYMPUS XZ-10/絞り優先モード/焦点距離 56㎜(35㎜換算)/ホワイトバランス 自動/シャッター速度 1/200秒/絞り値 F5.6/ISO 100/露出補正 ±0段

こんな旅をしてきました

「トキ・トコロ・モノ・ヒト・コト」をアタマの片隅に置きつつ、旅しながら撮った写真はこんな具合だ。 こうして並べてみると、文章で説明しなくてもどんなツーリングをしてきたのかは見る人に伝わるはずだ。

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