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ヤマハ発動機株式会社 Revs Your Heart

SMT(電子部品実装)・マウンター

導入・開発エピソード

技術と心配りで、ニーズを形に。お客様の導入事例と開発エピソードをご紹介します。

何よりもこだわったのは、実装品質の高さ。そして、必ずお客さまの期待に応えること。

POINT

1.
新設計ロータリー型ヘッドによる「高速搭載」と「高品質実装」の両立
2.
小型〜中型部品まで幅広くカバーする「1ヘッドソリューション」
3.
長期にわたり性能を維持し、メンテナンスコストを低減

回転体上に多数のノズルを配置したロータリー型ヘッド・RMヘッドは、チップ部品の高速搭載を追求した実装ヘッドです。高速性に加え、対応部品レンジの拡大と実装品質の作り込みも両立し、ライン全体の生産性向上に貢献します。
さらに、エア経路の状態監視など保全性にも配慮。停止時間や保全工数の低減を狙いました。ヤマハ発動機が培ってきた実装技術と制御のノウハウを融合し、“生産を止めない”ための完成度を高めています。

ヤマハ発動機の表面実装機は、インライン型ヘッドとロータリー型ヘッドの両方をラインナップしています。
インライン型ヘッドは、複数のノズルを直線状に配置し、ヘッドの移動と各ノズルの上下動を組み合わせて部品の吸着・搭載を行います。ヘッドの並びを部品供給位置に合わせることで、複数の部品を同時吸着できることが特長です。
一方、ロータリー型ヘッドは、回転体(タレット)上に複数のノズルを配置。回転動作により、部品の吸着・搭載のサイクルを高速化することが可能です。この特性により、時間当たりの部品搭載点数を伸ばし、ラインのスループット向上に貢献します。
従来、ヤマハ発動機の表面実装機は多品種少量生産向きでしたが、近年は実装点数の多い大量生産に対するニーズも高まってきました。これにお応えすべく、ヤマハはロータリー型ヘッドの強みをさらに伸ばしながら、保全性・信頼性も高める、まったく新しいロータリー型ヘッドの開発に取り組みました。

ヤマハ発動機は、15年以上にわたってロータリー型ヘッドの開発を続けています。ロータリー型ヘッドの初代にあたるHSヘッドは、2010年にリリースしました。HSヘッドは回転体(タレット)を3つ並べ、それぞれが部品を吸着。他に類を見ない独創的な設計により、ロータリー型ヘッドでありながら同時吸着することを可能にしました。
しかし、その実現に際しては回転体1つ1つを小型化する必要があり、その性能を維持するためのメンテナンスサイクルが短い、という課題がありました。
2代目となるRSヘッドは、3つあった回転体を1つにすることでこれを解決し、さらに1つの回転体の2か所からノズルが下りる仕組みとしました。
従来型の課題を克服して十分な実力を発揮したRSヘッドですが、私たちはそこで立ち止まりませんでした。より性能を高め、よりランニングコストを引き下げるために、細部までこだわり抜きながら新たなロータリー型ヘッドを開発。それが最新ロータリー型ヘッド、RMヘッドです。

現在、ヤマハ発動機がもっとも多く出荷している実装ヘッドは、インライン型ヘッドです。ですが、調査の結果分かったのは、お客さまが価値を感じてくださっているのは“インライン型ヘッドであること”ではなく、実装速度、汎用性、実装品質、そして安定して稼働し続けられることでした。
そこでRMヘッドの開発においては、元来の強みである高速性を追求しつつ、実装品質の維持や保全負荷の低減を重視。インライン型ヘッドの強みもしっかりと継承することにこだわりました。
HSヘッドやRSヘッドの開発のたびに、私たちはロータリー型ヘッドの機構や制御の改善を重ね、知見を蓄積してきました。それらを最大限に生かしながら、次世代プラットフォームに最適化すべく性能を磨き上げたのです。

生産現場では、品種切り替えや部品構成の変化に対して、段取り替えの負担をいかに軽減させるかが重要です。RMヘッドは、RSヘッドの基本構成を受け継ぎながらも、ヘッド全体を上下動させるシステムを新たに採用しました。
これによってノズルのストロークを最小化し、実装速度のさらなる向上を実現しました。また、ヘッド全体が持ち上がることで背の高い部品にも対応でき、汎用性をひときわ高めることにも成功。ロータリー型ヘッドでありながら小型から中型まで幅広い部品に対応できる「1ヘッドソリューション」を実現しています。

実装ヘッドの作動は7軸で制御しており、そのうち5軸に自社製リニアモーターを使用しています。機械伝達部品を減らすことができるリニアモーターは、保全負荷の低減や安定した動作に寄与。適切な点検・清掃を行うことで、長期にわたり性能を維持できるという特長もあります。自社製のため、実装ヘッドの最適な設計が可能となり、コンパクト化にも貢献しました。
また、従来のロータリー型ヘッドは、摺動部の一部に滑り案内を採用しており、頻繁なメンテナンスを必要とする要因となっていました。そこでRMヘッドは、すべての摺動部を転がり軸受で受けるよう設計を変更。長期間安定した動作を可能としています。実装ヘッドがコンパクトかつ複雑な構造なので、設計のハードルは高く、基本設計から見直しを図り、強い意思を持って挑まなければ実現できないものでした。

高速稼働を支えるためには、長期安定性と保全性が欠かせません。そのため、エア経路も全面的に見直しました。詰まりに対して十分な断面積を確保。シャフト最先端部には専用フィルターを設け、ヘッド内部へのダストの侵入を入口で防いでいます。
さらに、エア経路の状態を監視する「エア経路自己診断機能」を導入しました。詰まりなどの兆候を検知した場合、配管を切り替えて逆方向にエアを吹き出すブローを行い、エア経路中のダストなどの排出を促す仕組みです。
定期メンテナンスに相当する内容の清掃を生産中にマシン内で実施できます。これにより、清掃頻度や停止時間の減少に貢献。稼働率向上とランニングコスト低減を可能としています。

私たちが何よりもこだわったのは、不良の発生を抑えること、すなわち実装品質の作り込みです。高速化するほど、吸着姿勢やズレの管理が重要になります。RMヘッドは、吸着状態を横方向から捉えるサイドビューカメラを4つ標準装備。部品の吸着姿勢をより正確に把握することで、実装品質の安定化を図りました。
また、サイドビューカメラの撮像用の背景をLEDで自発光させることで、撮像をより鮮明にして誤認識のリスクを抑えています。回転体への給電にあたっては、シグマシリーズの技術が生かされています。
このサイドビューカメラも基板レベルから自社で設計・製作しています。コンパクトかつシンプルな構成を実現しています。

優れたハードウエアを生かすには、それをいかに動作させるかという制御が非常に重要です。特にロータリー型ヘッドの場合、回転方向の動作と上下方向の動作をオーバーラップさせる必要があります。
滑らかで無駄のない緻密な制御を行うため、制御プログラムは自社開発としています。そこには日立ハイテク・シグマシリーズのノウハウも盛り込まれています。
シグマシリーズのフィロソフィー、そしてヤマハ発動機のこだわりが融合し、結果としてRMヘッドの完成度を高めることに成功しています。

こうして完成した、RMヘッド。実際に使用されているお客さまのお声を聞くために、開発スタッフで現地へ伺った際、「生産性が向上し、長期安定生産も可能になった」というありがたいお話をいただきました。
従来の装置と比べて同じ製品でタクトを30%向上させたお客さまからは、「データチューニングを追い込んで行わなくとも高い生産性を発揮してくれるため、生産技術者の手がかからない」旨を伺いました。また、フィルター詰まりによる吸着率の低下を不安に感じていたお客さまは、3直(3交替)・24時間体制で生産されていながら「9か月ノーメンテナンスです」とおっしゃっていました。
設計で狙った以上のパフォーマンスに、私たちも驚くとともに、「お客さまの期待には絶対に応える」というこだわりが実現していることが確認でき、大変うれしく思いました。

私自身は、バイクの設計をしたくてヤマハ発動機に入社し、ロボティクスに配属された時は大変ショックを受けました(笑)ですが、今は「マウンターほど設計が面白い機械はない」と思っています。RMヘッドが好例ですが、マウンターはまだまだ技術的にチャレンジできる余地が残っています。
「お客さまの生産効率を高め、生産を止めない」という目標さえしっかりとクリアできれば、手段や方法には多くの可能性が残っている。
大きなやりがいを感じながら、この仕事に取り組んでいます。

ヤマハ発動機株式会社
YRM20開発プロジェクトリーダー兼、RMヘッド開発リーダー

釣 健士

RMヘッド搭載可能製品

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