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底曳き・桁曳き漁

日本全国津々浦々で行われている沿岸漁業を漁法別にご紹介します。

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石ゲタ曳き網漁

大阪府岸和田市

<DT-97>は大阪湾の底曳き網漁に対応する漁船。ワイドな船体は走航性、作業性に優れている

大漁ニュースでもたびたび取材している大阪湾の石ゲタ網漁。今回は「事代丸」で操業する伊勢さん親子に同行しました。

 ダンジリで有名な泉州の漁業は石ゲタ網と呼ばれる底曳き網漁が主流で、今回伺った伊勢秀己、隆二さん親子もこの石ゲタ網漁を祖父の代から営んでいます。その伊勢さん親子が漁のパートナーとして選んだのが、<DT-97>『事代丸』です。
 「なにがいいって、船の格好良さに一目惚れしたんだ」と気さくに話すのは息子の隆二さん。岸和田をはじめ、この泉州地区では4隻の<DT-97>が操業し、浜での人気も抜群に高いといいます。
 泉佐野での底曳き網漁は朝5時45分のサイレンで始まり、市場での競りが始まる2時半まで続けられます。10トンクラスの底曳き漁船が次々と出港するその光景は、山車を曳き回すダンジリ祭りを思わせるほど。出港後10分ほどで最初の網入れが始まりました。
 「だいたい夏はカレイ、冬はヒラメ。あとはエビとかシャコがほとんどじゃないかな。昔はシャコがたくさん獲れて水揚げもシャコ一色だった話をよく聞きますね」(隆二さん)
 網を降ろしては曳き、そして揚げる。1回に曳く時間は10分から20分。網を曳いている間に選別を行うため、作業は休みなしで続けられます。
 この日作業が終わったのが午後2時。港に帰るとトリ貝やテナガ蛸、エビなどを選別し、市場へ運びます。
 競りでは幾分か高値が付いたそうで、後片付けをしていた伊勢さん親子も笑みを浮かべました。
 「底曳きは見た目通りの地味な漁です。体力勝負なんだけど自分は腰痛持ちだし、親父はいい年でね。だからヤマハ船は頼もしいパートナーです。走りも力強くて作業中の揺れも少ない。漁での疲れは少なくなった気がします。良かったなって実感しますよ」
 『事代丸』には大阪湾でもハードな漁として知られる石ゲタ網漁での活躍が期待されていました。

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5時45分、サイレンの合図とともに底曳き船が一斉に出港する

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クラゲが多いときは漁も芳しくない。隆二さんも苦笑いを浮かべる

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トリ貝は他の貝類同様サイズごとで値が違う。選別も慎重だ

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午後2時過ぎから始まる競り。港に隣接しているために、仲買人や船主など大勢の人で活気づいていた

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昨年の10月に進水した事代丸<DT-97>

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事代丸の船主、伊勢秀己さん(右)と隆二さん

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