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その他網漁

日本全国津々浦々で行われている沿岸漁業を漁法別にご紹介します。

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定置網漁

長崎県西海町

漁場は泊地から5~10分の近場。ひと張りの網上げ作業は2時間強で、出荷の都合で夜間操業がメイン

長崎県の北西部、西彼杵半島の北端に位置する西海町。入り組んだ海岸線を利用した天然の良港が点在するこの町は、古くから農業や沿岸漁業が盛んな地域でもあります。 佐世保湾口にほど近い、この町の面高(おもだか)と呼ばれる地に、今年2月に進水した海宝丸<DX-40-0A>を訪ねました。

 今回訪れた西海町の面高と呼ばれる地域は佐世保港に対峙しており、サシ網やタコ壺漁が営まれ、春にはイカ、夏にはタコやエビ、青物、秋から冬にかけてカラスミ用のボラなどが水揚げされる漁村として知られています。今回はそんな西海町面高に小型定置網漁用として海宝丸<DX-40-0A>を2月に進水させた山口雪美さんを訪ねました。
 「このあたりの漁は刺し網やタコ壺などが主流で、大掛かりな定置網などを手掛けているのもウチを入れて3業者ぐらい。小型定置網漁が主体なので、荒い作業にも耐える、とにかく頑丈な船が欲しかったんですよ」
 その山口さんの選んだ新しい海宝丸は、北海道や東北などの漁場で実績を持つ<DX-40-0A>。図面ではイメージが湧かないこともあって、実際に同型艇を見るために青森まで出向き、細部をチェックして採用を決めました。
 「以前は巻き上げ船と活魚船の2隻を用いていましたが、今では1隻で足ります。長さはあまり変わらないんですが、幅が広くなったことで、これまで以上に作業がしやすくなりましたね」
 定置網漁では2週間~10日に1度、汚れた網の張り替えを行います。その作業効率を考慮して、山口さんの海宝丸ではブリッジの位置を後方へ大幅に移動させ前部デッキのスペースを確保すると同時に、その下部に生簀4槽を設置して、最盛期の水揚げを収納するのにじゅうぶんなボリュームをもたせました。
 「ブリッジの形状やドライブにいたるまで、いろいろわがままを聞いてもらって……。注文から進水までの時間はかかりましたが、仕上げもきれいで、隅々までよくできていると思いますよ。営業マンも漁船に詳しいようでしたから、(営業マンに)任せてみようと思いましたね」
 山口さんの定置網を設置した漁場は2ヶ所ありますが、いずれも5~10分の近場です。朝一番のセリに合わせるために、出漁は夜中の12時。8年前からは後継者の長男・成二さん(28歳)とふたりで網を手繰るのが日課です。
 「18歳から漁に出ていますが、やっぱり好きなんですよ。何が入っているのか気になって(笑)。年間を通じて漁の主軸はアオリイカで、最近では漁も減ってきていますが、年に一度か、何年に一度かは驚くような日もあるんですよ。コツコツと漁を続けていくためにも、丈夫で長持ちする船がほしかったんです。満足のいく船に仕上がりましたね」
 随所にカスタム的な要素が盛り込まれた海宝丸は、山口さんのよきサポート役として今日も西海の海で活躍しています。

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年間を通じて水揚げの主軸となるのがアオリイカ。水揚げされたイカは弱らぬようにブロアの装備された生簀に手早く移される

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幅広く作業性のよいデッキ。大型の生簀が4槽配されており、最盛期の水揚げにもじゅうぶん対応できる

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漁が好きで18歳から西海の海で漁を営み33年を迎えた山口雪美さん

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定置網漁を始めて8年目の成二さん(26歳)

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デッキ前方の面積を確保するために、大幅に後方へ移動されているブリッジ。前方両サイドのピラーも取り除かれているためコックピット内からの視認性も抜群

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今年の2月に進水した<DX-40-0A>海宝丸

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