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その他網漁

日本全国津々浦々で行われている沿岸漁業を漁法別にご紹介します。

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イカナゴ船曳網漁

兵庫県盤州室津

播磨灘で行われるイカナゴの船曳網漁

悠久の頃から港町として栄えた播州室津港。未明の播磨灘へと向かう船の中に、新艇〈幸永丸(DY-64-0A)〉の姿が見受けられます。今回は播磨灘で行われるイカナゴの船曳網漁に同行しました。

 港を後にして未明の播磨灘へと6隻の船団を組んで向かうのは、桝本浩伸さん(28歳)。父・康二さん(58歳)が代表を務める有限会社桝政で船曳き網漁に従事して10年。魚群探しと運搬を担当する新造船・幸永丸の舵取りを担当しています。
 「梅雨から盆前まではチリメン、盆明けから9月一杯はイワシ。秋口から3月はカキ養殖をしてるんやけど、今はイカナゴのシーズン。二艘曳き網でイカナゴの群れを獲るんやけど、漁場ではこの計器を使って魚群を見つけるのが俺の役目なんや」
 網を曳く船2隻に魚群を探す船1隻が1船団となって行う船曳き網漁。桝政さんでは2船団の9名がイカナゴ漁に従事しています。それぞれの船に魚群を探すための計器が装備されているものの、最新の計器を装備した幸永丸を駆る浩伸さんの責任は重く、彼の両肩にその成果がのしかかっているようです。
 「コレや。この赤い色がイカナゴの群やよ。見つけられん時はしんどいし、固いのはカキ養殖なんやって分かっているんやけど、やっぱりコレを見つけたときはほっとするよ」  探索を始め2時間ほど経った頃。ソナーと漁探のモニターに真っ赤に映った魚影を指差すやいなや、もう1隻の魚群を探す船の舵取りを務める康二さんに無線で連絡。駆けつけた2組4隻の網船が網を海中に展開し、船曳き網漁が始まりました。網を曳く時間は1時間~1時間半。引き上げた網には大量のイカナゴが入っていました。
 「漁期も短いし、朝5時から正午までと時間にも決めごとが多い漁やから、とにかく足の速い船が必要やったんや。ウチでは前も運搬船はヤマハやな。仕上げはええし、新造船にも満足しているよ(笑)」
水揚げした大漁のイカナゴを積み、地元の加工業者の桟橋へと全速力で向かう浩伸さんの笑顔には、漁師としての誇りがみなぎっていました。

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浩伸さんの仕事場である幸永丸のブリッジ内には最新鋭のGPSやソナーが装備される

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別々の魚群を探す船に乗り組み、イカナゴの魚影を追う桝本さん親子。浩伸さんが子供の頃から一緒に海に出ていたという

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漁場から直接釘煮の工場へ運ぶ。鮮度が求められるイカナゴだけに運搬船にも性能の高さが求められる

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桝政さんでイカナゴ漁に従事するのは桝本さん親子を含め、全9名

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ひと網分のイカナゴを積んで27ノットの速力を保つ<DY-64-0A>。フラップもよく効き安定がいいとは浩伸さん

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