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その他網漁

日本全国津々浦々で行われている沿岸漁業を漁法別にご紹介します。

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定置網漁

青森県平舘

潮流の速い平舘で抜群の安定性を発揮するDX-53C-0A

陸奥湾の湾口にあたる平舘海峡は潮流が速く、豊富な魚種を対象に陸奥湾でも古くから建網漁などが行われてきた地区です。この平舘に定置網・ホタテ養殖の作業船として期待が寄せられる新艇「大勝丸」(DX-53C-0A)が進水しました。

 ヤマハ漁船を乗り継いできた高坂さん親子にとって16年ぶりとなる新艇に選んだのがDX-53C-OAです。その理由は何よりも丈夫であると同時にさまざまな漁をこなす高坂さんの仕事に対応する作業性の良さを挙げられました。
 「この前の船は46尺の浜揚げ式の船だったのですが、16年も使って大きなトラブルが無かった。10年も使えばいくらかありそうなものなんだけどね。一年中ホタテと底建網(底定置)をしているけど、これだけ使ってトラブルが無いのが決め手になったかな」
 取材に伺った日は底定置漁を行っていましたが、高坂さんの漁業基盤はベビーホタテと呼ばれる半成貝の養殖であり、陸奥湾の湾口に当たる平舘海峡で長年ホタテ養殖を取り組まれています。
 「ホタテ養殖と網の割合は、6:4や4:6といった割合になります。その年ごとに変わるのですが、網だとヤリイカやヒラメ、マスにタイといったものがメインになりますね。このあたりは潮流が速く、特に夏場になると2ノットから3ノットの速さになるので、ホタテも身が引き締まっていると評判はいいみたいですよ」
 ホタテ養殖と底定置漁で使われるDX-53Cですが、この地区では浜揚げ式が主流。キール船の選択は勇気のいる決断だったのではないでしょうか?
 「浜揚げ式の方が乗り慣れていたことは事実ですが、岸壁もあるし、船もいいしね。キール船は未知数だったけど、浜揚げ式にこだわらなくてもいい条件が揃っていたから、あとはヤマハを信頼して造った」
 底定置の水揚げは、競りの時間に合わせて行われるため、日の出からの早朝の漁は8時には帰港して出荷作業を行い、卸売りの業者が回収したあとに、夕方の出荷に合わせて、もう一度沖に出て水揚げを行います。
 「朝の漁はその日の内に競りにかけられるので値段もいいのですが、夕方の出荷分については翌日の早朝の競りになるので、鮮度の分だけ値が落ちてしまいます。だから朝の漁の実入りが大切で、海の状況にかかわらず安心して短時間で作業を行えることが理想なんです」
 その理想を実現させる期待の新艇として進水した大勝丸。高坂さんや乗組員の方が船上で見せる笑顔にこの船の安心感が表れていました。

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作業性を重視したデッキ。舷が低くデッキは板張りとなっている

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後部デッキには活魚用の水槽を設置している

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漁場まで10分足らずのためブリッジの全長を短くし、後部デッキのスペースを拡大させている

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帰港するとすぐに出荷の準備が始まる

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写真中央が船主の高坂嘉男さん

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力強い走りをする大勝丸

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