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採貝藻

日本全国津々浦々で行われている沿岸漁業を漁法別にご紹介します。

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アオヤギ漁

千葉県木更津市

船首で鋤簾を曳きアオヤギを捕る。繰り返し行う作業だが、岩崎さんの動きはとてもなめらかだ

東京湾に接する千葉県沿岸では伝統漁である海苔養殖と平行して採貝漁が行われてきました。なかでも寿司ネタとして人気のあるアオヤギはその地名から名付けられたもの。 アオヤギ漁の本場で鋤簾を篩う岩崎さんに同行しました。

 東京湾に接する千葉県沿岸では伝統漁である海苔養殖と平行して採貝漁が行われてきました。なかでも寿司ネタとして人気のあるアオヤギはその地名から名付けられたもの。アオヤギ漁の本場で鋤簾を篩う岩崎さんに同行しました。
 「確かに当時の五味村には青柳という地名があって、その前の漁場でバカガイがよく採れていたんだ。貝のままだとバカガイで剥き身になるとアオヤギ。独特の甘みがあるから寿司ネタで人気があるようです」
 そう昔のことを懐かしむように話す岩崎真一さんは漁師一筋約50年。かつては海苔養殖を主漁にしていましたが、いまではアオヤギ漁やアサリ漁など採貝漁を行っています。
 この日の漁場は港から10分ほど船を走らせた場所。すでに大勢の漁友さんが鋤簾を曳いています。
 「錨のロープをデッキにあるローラーで巻きながら鋤簾で底を曳くのが、アオヤギの採り方です。場所と風流で水揚げが、がらっとかわるのもこの漁の特徴です。一度海に出れば、採れる場所も決まっているし、風の影響もみんな一緒だから、人より多く採ることは運が半分ぐらい(笑)。あとは誰よりも先に海に出ることぐらいだよ」
 冬は5~6時。夏は3~4時に出漁し、その日の一番よい場所で漁をするのが岩崎さんのスタイル。漁をしている時は常に艫側から波を受けるので、機密性に優れてトラブルが少なく、アオヤギを載せても力強い走りができるエンジンが欲しかったといいます。
 鋤簾を曳く、そして持ち上げて貝を選別。これを繰り返し行い、岩崎さんの手が休むことはありません。鋤簾の刃の隙間は六分五厘となっていますが、その時々でこの隙間を調整して、水揚げする貝の大きさを変えているそうです。
 「今年はこれまでになく小ぶりの貝が目立って、値のいい貝はほんとうに少ないですよ。ここまで少ないのも珍しいですね」
 桜の咲く頃にはアサリ漁に切り替わるという木更津でのアオヤギ漁。多くの船が入り交じる木更津でのアオヤギ漁にヤマハの船外機が活躍していました。

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今年は細かいのが目立つというバカガイ。剥き身のアオヤギは江戸前寿司でも人気のネタ

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後方に伸びるロープを手繰るようにして鋤簾を曳く。風下から風上に向かうため、波を被る船外機の負担は予想以上に大きい

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アオヤギ採りには欠かせない鋤簾は、時期に合わせて刃の間隔が替えられる

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漁師歴49年のベテラン岩崎真一さん。F90の船外機も「調子はすこぶるいい」と太鼓判を押す

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岩眞丸は26尺の和船。舷のバランスや作業のし易い舷の低さなど、木更津では人気の高い和船だ

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