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採貝藻

日本全国津々浦々で行われている沿岸漁業を漁法別にご紹介します。

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シジミ漁

青森県十三湖

十三湖で行われるシジミ漁は機械曳き。現在では30尺前後の船が主流となる

津軽半島の日本海側に接する十三湖は、同じ青森県下北半島の小川原湖、そして島根県の宍道湖と並ぶ、ヤマトシジミの産地として知られています。ここでは十三湖漁協と車力漁協の二つの組合によってシジミの管理型漁業が推進され、約170隻の船が良質なシジミを求めて操業しています。

 松橋武一さんが操船する海宝丸は今年の4月に進水した新造船ですが「もう何年も使っているようにしっくりくる」と話すように、十三湖のシジミ漁に対応する船としての完成度が高められたモデルです。
 「前の船を使ってからちょうど10年で、乗り換えたことになりますね。前の船も良かったのですが、この船は乗り心地がさらに良くなった感じがします。やっぱり新しい船だと気持ちがいいし、やりがいもでるよね」
 以前にも大漁ニュースに登場していただいた松橋さんは所属する車力漁協の中で、水揚げ金額は常に10位内に入るというトップクラスの実力を持っています。その秘訣を伺うと、「粒の大きい貝を取る秘訣なんてないよ。しいて言えば毎日コツコツと鋤簾を曳くこと。この十三湖には100人以上がシジミを行っていますので、私しか知らないという場所もないし、鋤簾の曳く作業も似たり寄ったりだしね。一番は日々の積み重ねだと思うよ」と極めて明快な答えが返ってきました。
 通常は2時間の操業で1日の規定量に達することが多いそうですが、今年は昨年から続く小雨のため、シジミの量も少なくなり、制限時間の11時まで4時間操業して、ようやく規定量に届くか届かないかという状況にあるといいます。
 「この10年ぐらいはこんなことはなかったんですけどね。去年の秋から雨が少なくて気温も低い日が続いたので、シジミの成長が鈍かったのでしょう」
 例年であれば場所をピンポイントに変えながら操業するそうですが、取材に伺った日は水量が少なく、採れる場所も限られていることもあって、同じ場所でも鋤簾を曳く力の強弱を微妙に変えながら作業を繰り返し行っていました。
 「前の船に換えてから水揚げもよくなった縁起の良さがありますから、今回もこの船には大いに期待しています。出だしは厳しいでしょうが、良くなることを思って着実にシジミを採っていきたいですね」
 DX-29への人気度が高い十三湖で、最新型を操りながら漁を行う松橋さんの姿には多くの人が注目していました。

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ウィンチを併用して鋤簾を引き揚げるのは機械曳きの特徴

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「から落とし」と呼ばれる選別機。ここで小さなシジミが海に戻される

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最後は奥様がふるいを使って貝を選別する

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海宝丸は漁場までのプロペラと操業用のプロペラを分けている

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海宝丸の船主松橋武一さんと奥様。いつも二人で船に乗り操業するという

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DX-29Dには最新型のブリッジが搭載されていた

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